VW ポロ

マイナーチェンジでここまで変わるか、ポロのエクステリア。

 エントリーモデルのルポと主力モデルのゴルフの間をつなぐモデルであるポロは、現行モデルが登場したのがルポよりも後だったにもかかわらず、ルポに似たフロントデザインを採用していたことや、同じ1.4Lエンジンを搭載したことなどから、ルポとの差別化に苦しむ面もあった。
 このため2005年秋のマイナーチェンジで外観デザインを一新してルポ似からゴルフ似のフロントマスクを採用してきた。搭載エンジンこそ1.4Lのままだが、2ドアだけのルポに対して4ドアもラインナップするという従来からの特徴と合わせ、ポロの存在感が増したのは間違いない。

VW ポロ
ワッペングリルの採用で上質感を増したフロントマスク。このサイズでここまで上質感を現しているのはサスガ。

VW ポロ
VWブランドとしてのイメージを保ちつつも、ゴルフとは違ったちょっと「クラシカル」な雰囲気を漂わせるポロ。
VW ポロ
リアコンビネーションランプのデザインがすごく凝っていて、スポーティかつラグジュアリーな雰囲気。全体のデザインにとても溶け込んでいる。

小さくてもドイツ車らしいインテリア

 インテリア回りの雰囲気も、スチールパネルをむき出しにした部分のあるルポに対し、フルトリム化されたポロは全体的なクォリティが高く、インスト中央部分のデザインなどもVW車らしくきっちり仕上げられている。
 シートはリフターを装備するなど最適のドライビングポジションを取りやすいが、ヨーロッパのコンパクトカーに共通するダイヤル式のリクライニング機構は決して操作性に優れたものではない。

VW ポロ
インテリアは各パーツ感のチリがきっちりと詰められておりまるで高級車のよう。しかしラテン系のコンパクトカーに比べると遊び心などはあまり感じられない。道具としては申し分ないのだが・・・。
VW ポロ
形状がスポーティなわけでもなく、特別な仕掛けがあるわけでもないのだが、とにかく長時間乗っていても疲れない良いシート。基本的なところにお金をかけるとこんなにいいものができるのだ。ただし不便なダイヤル式リクライニング機構は一考を。
VW ポロ
広大と言うとお世辞になるけれど、まったく不足のないリアスペースが確保されている。またスペースだけでなく、こちらもシートがいいので、見た目以上に快適性に優れていることをお伝えしておきたい。

「いかにもドイツ車」な安定感

 搭載エンジンは直列4気筒1.4LのDOHCで、55kW/126N・mのパワー&トルクは性能的には平凡なもの。パワフルなエンジンではないが実用域のトルクが出ているので、4速ATとの組み合わせでもそこそこ走りの良さを感じさせる。トルクの分だけ加速時のフィールも滑らかなものになる。国産車の最新の電子制御ATやCVTに比べれば不満もあるが、ヨーロッパのコンパクトカーとしては良くできたモデルといえる。
 GTIと同時に試乗したためやや柔らかめの印象もあった足回りは、このクラスのコンパクトカーとして見るならやや硬めの乗り心地というべき味付け。足回りの安定感の高さなどはいかにもドイツ車らしい部分である。
 200万円までの予算で買える数少ない輸入車のひとつとして、初めて輸入車を買うユーザーにお勧めできる。

VW ポロ
1.4リッターの4気筒ツインカムエンジンが搭載されるVWポロ。最高出力は75馬力とスペック的には大したことがないが、充実したトルクやセッティングの良さから国産の100馬力前後の車にも決して負けていない印象だ。
VW ポロ
小さなボディでも、きっちり踏ん張って安定した走りを披露してくれる。とても頼りがいのあるクルマだ。国産とはまるで感覚が異なるので、まずは乗って確かめてみることをオススメしたい!

VW ポロ
3ナンバー化が進む欧州コンパクトカークラスで、今なお5ナンバーサイズを固持するVWポロ。このサイズを歓迎するユーザーは多い。ちなみに初代ゴルフもちょうどこのくらいのボディサイズだったのだとか!
代表グレード
ポロ 4ドア
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
3915×1665×1480mm
車両重量[kg]
1160kg
総排気量[cc]
1389cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
75ps(55kw)/5000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
12.8kg-m(126N・m)/3800rpm
ミッション
4速AT
10・15モード燃焼[km/l]
14.2km/l
定員[人]
5人
税込価格[万円]
199.5万円
発売日
2005/09/03
レポート
松下 宏
写真
佐藤 靖彦