萌えカー・オブ・ザ・イヤー2005
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2005年は《スイフト》 に「萌え〜」でした!!スズキが欧州でのテスト走行を重ねて生み出した小型車
 2005年に一番萌えたクルマといえば 《スイフト》でしょう。発売は2004年ですが、2005年には 《スイフトスポーツ》 が追加されるなどして、人気を不動のものにしました。

 何といっても良いのは、 スズキが初めて本格的に小型車作りに取り組んだクルマであったこと。これまでに作られたスズキ車の中で最も良いクルマに仕上がっていました。
 従来のスズキの小型車は、小型車といっても軽自動車をベースに、そのプラットホームをベースにボディーを拡大するなどして小型車にしていたもので、本格的な小型車ではありませんでした。

 ココで注意しておきますと、小型車というのは軽自動車(黄色ナンバー)よりも大きい登録車(白ナンバー車)という意味で使っています。一種の業界用語なのですが、軽自動車も小型の車じゃないかと考えていただくと混乱してしまいますのでご注意ください。

 で、プラットホームから軽自動車とは分けて小型車専用に作られたことで、従来の軽自動車ベースの小型車に比べて格段に良いクルマに仕上がりました。足回りのチューニングをヨーロッパでの走行を重ねて仕上げたことなども影響しています。「スズキ初の良いクルマ」として、「萌え〜」の1台と言えます。
松下宏
松下宏 自動車評論家
スイフト
2005年は《ルノー・メガーヌ グラスルーフカブリオレ》 に「萌え〜」でした!!CFを観れば分かる、乗り手だけでなく周囲をも癒すクルマ
 久し振りに何回も繰り返して観たいCFに出会った。小学生がバスの中から街の景色を眺めていると、美人が運転する 《ルノー・メガーヌ グラスルーフ カブリオレ》が隣に並んだ。オープンなので美人をまるごと上から見ることになった小学生は、艶かしくも美しい脚に魅せられた。ある日の朝は雨だった。屋根を開けてオープンで走っては来られないだろうとガッカリしている小学生の目に入ったのは、グラスルーフ越しの美しい脚だった。ここで一回このCFをご覧いただこう。

http://www.renault.jp/index.cfm?category=123

 この小学生の代わりに通勤途中のオジサンだったら、このCFは成り立たない。単なるエロオヤジになってしまうからだ。小学生といっても、きっと低学年だろう。でも、男だったら誰しもこの小学生の気持ちが解るだろう。こんなことが起こるなら毎朝バスで通学(通勤)するのが楽しみになる。もちろん登校拒否もなくなる(ほんとか?)。

 「退屈へのレジスタンス」を標榜するルノーだが、乗る人だけでなく周りの人も癒してくれるクルマ、つまり 《ルノー・メガーヌ グラスルーフ カブリオレ》は萌えカーなのだ。
こもだきよし
こもだきよし モータージャーナリスト
ルノー・メガーヌ グラスルーフカブリオレ
2005年は《レクサスIS350》 に「萌え〜」でした!!名車にはあと一歩でも、大人ウケする走りは萌えの資質アリ
 いい意味でも悪い意味でも、萌え〜ッとなったのは レクサスのISシリーズだ。GSの下のポジションを与えられたプレミアムセダンだが、フツーの人にも何とか手が届くクルマである。中古車になれば、さらに身近な存在になるだろう。デザインはまあまあの合格点だ。妙に凝ったラインが目障りに感じるものの、破綻なくまとまっている。キャビンは世界に通用する質感だし、充実した装備の数々も魅力だ。キャビンは並みの広さだが、スポーツセダンとしてはいい感じの広さだった。広くもなく狭くもない。適度なタイト感が好ましく映る。

  気に入っているのは上級の 《IS350》 だ。18インチタイヤを履くバージョンSの走りは飛びっきり光っていた。世界で初めてデュアルインジェクターを採用した3.5リッターの直噴V型6気筒DOHCエンジンは、BMWの6気筒エンジンとともに世界一(6気筒エンジンのなかでは)の気持ちいいパワーフィーリングと断言できる。黒子に徹している6気筒エンジンが多いなか、このV6は強い存在感を放っていた。ハンドリングの洗練度も高い。軽快感とはちょっと違う。大人っぽい上質な操舵フィールと一体感のあるしなやかな動きを身につけているのだ。 もう少し歴史の重みが加われば名車の仲間入りができると思う。「萌え」の資質は高い。
片岡英明
片岡英明 モータージャーナリスト
レクサスIS350
2005年は《スイフトスポーツ》 に「萌え〜」でした!!足りないスポーツ心に“喝”を入れると、ワクワク感が増大!!
  <ラリージジイ>の私としちゃ、やっぱり 《スイフトスポーツ》 に“燃えて”しまう(“萌える”という女性に対する軟弱な雰囲気じゃありません)。クルマの楽しさの大きなファクターは”走り”。かといって競技に使われないモデルで”走り”を追求したようなクルマじゃ、今や社会的に認知され難い。だって「そんな凄い性能をドコで使うの?」ですから。ラリーに使うようなモデルなら、格闘家みたいに「しっかりした目的意識を持ちながら強い感じ」で好ましい。

  となれば《インプレッサ》か《ランエボ》か 《スイフトスポーツ》でしょう!! 中でも 《スイフトスポーツ》は価格的にフレンドリィー。2リッター4WDモデルだと軽く300万円を超えちゃいますから。《スイフトスポーツ》なら、多少物足りないスポーツゴコロに ”喝!!” を入れてやるなどモディファイしたら(例えば、静かすぎる排気系を公認のスポーツマフラーにするとか)、ワクワクするクルマになると思う。

  私ならエンジンマウントやシートなども交換しちゃいますね。ボディカラーは迷わずイエロー。何より嬉しいのが燃費。1.6リッターのノンターボエンジンなので、毎日の足として使ってもオサイフにやさしい。ちなみに雪道だって結構走れます。
国沢光宏
国沢光宏 自動車評論家
スイフトスポーツ
2005年は 《アウトランダー》 に「萌え〜」でした!!上級グレード“G”には萌えを感じる高級オーディオを装備
    僕が今年出たモデルで「萌え」を感じたのは三菱 《アウトランダー》。その理由はSUVでありながら、やたらと大きいパドルシフトが装着されているからデス。普通のパドルシフトはステアリングの裏側に装着されているものが多く、ステアリングを回すと一緒に回るのですが、アウトランダーのはステアリングコラムに固定されているので、送りハンドル派の私にはとっても使いやすいシロモノ。ステアリングコラムに固定されていることもあり、パドルのサイズが大きくて、その上、材質もマグネシウム合金で、見た目も触った感じもスポーティーなんです。

  操作性も良く、Dレンジで走っている時に、ちょっとしたエンジンブレーキが欲しい時には、左側のダウンシフトパドルを引けば、 シフトレバーに触らなくても素早くCVTがマニュアルモードに切り替わりエンブレをかけてくれます。その反応も素早く、高回転までシフトダウンしてくれるので、結構スポーティーなシフトワークが楽しめちゃったりもします。このシフトパドルは上級グレードの「G」にしか付いていませんが、「G」には「ロックフォードフォズゲート」という、コレも「萌え」を感じる高級オーディオが標準装備されていますので、アウトランダーを買うなら、「Gグレード」を選んでおきたいところです。
岡島裕二
アウトランダー
2005年は《 BMW 3シリーズ》 に「萌え〜」でした!! “操る楽しみ”を求めるユーザーには、BMW独自の味付けが分かる
 私が選んだのが 「BMW3シリーズ」。今年4月に発売になったクルマであり、タイミング的にも「レクサス最大のライバル」とも言えるモデルです。

 何故に「萌えカー」かというと、単純に好きだから? そういうワケではなく、乗る楽しみがあるから。 《スイフトスポーツ》 《ロードスター》 と同じような理由になると思う。今年デビューした「レクサス」はとても出来のいい優等生で、高級感/質感/エンジンパワー/足回りなど、とても良くできている(ように思える)。BMWは質感/エンジンパワーは旧モデルよりも向上し、高級感もまずまず。しかし、決定的に違うのが「足回りのセッティング」でしょう。

  《レクサス GS430》 の「アクティブスタビライザーサスペンション」は出来が良く、コーナリング中のロールが少ない。ロールが少ないということは色々な面で良い事が多いのだが、操る楽しみは半減する。あくまでも個人的な好みの問題なのだが…。レクサスはアクティブサスが付いてなくとも、同じような感覚は残る。それに対し、BMWにも様々な電子制御システムが付いてはいるが、 自然なロールがあり、あくまでも自然なフィーリングが楽しめる。

 1シリーズがあるためやや大きくなってしまいましたが、十分楽しめるクルマといえるでしょう。操る楽しみを求めるユーザーであれば、「BMWはサスガ!!」という味付けがされ、 《320i》 でもその足回りは十分楽しめるから、最高の“萌えカー”と言えるのではないでしょうか?
鈴木詳一
BMW 3シリーズ
2005年は 《レクサス IS350》 に「萌え〜」でした!!2つのインジェクターで気持ち良い良い、レクサスのIS350
 “萌え〜” って “キタ———(゚∀゚) ———ッ!!” のはレクサス 《IS350》。 《IS250》ではなくて《IS350》なのは、ずばり「エンジン」なんですよ。318馬力を発生するパワーはもちろんのこと、トルクもあるし高回転までキレイに回る「直噴2GR−FSE」に感動。このV6エンジンは、筒内直噴インジェクターとポート噴射インジェクターの2系統を持ち、それぞれをきめ細かく制御することで気持ちのいいパワーとフィーリングを実現したもの。とにかく、速いという印象だけではなくて、気持ち良さまで兼ね備えているのは、トヨタ製のエンジンでは数少ないと思う。

  レクサス 《IS350》 は、さらに高いボディー剛性や抜群の効きとタッチを持つブレーキの効果もあって、ホント、走ってて楽しいと思えた。ハンドリングなどは、 「BMW3シリーズ」 の方が良かったりするのだけれど、 IS350の「バージョンS」で495万円は意外とリーズナブルなのかもって感じちゃったりした。もちろん、ボクは買えない金額だけどね・・・(涙)
大岡智彦
大岡智彦 コリズム編集長
レクサス IS350
2005年は日産 《ラフェスタ》 に「萌え〜」でした!!戦国状態の5ナンバーミニバン市場を生き残るのは?
 00年秋、「ステーションワゴンライクな背の低い5ナンバーミニバン」クラスに「スポーティー風味」という新味を加え、鮮烈なデビューを果たしたホンダの 《ストリーム》。続いて03年にはトヨタから対抗車 《ウイッシュ》 が登場し、同クラスはイッキに戦国状態となりました。

 もともと「ステーションワゴンライクな背の低い5ナンバーミニバン(長い!!)」クラスには、昭和57年から脈々と続く老舗的存在、日産 《(プレーリー)リバティ》 がありました。この《リバティ》、「スポーティー風味」ではなく「ファミリー風味」というのが大きな特徴。そこにイマドキの日産車っぽい「オシャレな風味」まで加え、05年早々に新装開店したのが 《ラフェスタ》 というワケです。

  ボディーラインは一見素っ気ないようで、しかし妙に郷愁を覚えるモノ。同車のウリである大きなガラスサンルーフに加え、「スポーティー風味」のライバルにはない暖色系内装色も選べたりして、車内はまるでサンルーム。ああ、癒し効果満点。 《ルノー メガーヌ》 と共有する新開発プラットホームの効果か走りもトガッたところはなく、仏車ライクな癒し系乗り心地でトドメ!! 気付けば私、この癒し系キャラの《ラフェスタ》に、すっかり「萌え〜」なのでございます。

 不思議なもので、世の趨勢(すうせい)は「スポーティー風味」。しかし、この「癒し系ラフェスタ」は、殺伐とした昨今を生き抜く我々に「のんびり行こうよ!!」というメッセージを放っているように思えるのです…。
徳田 透
徳田 透 町のクルマ好き(コリズム編集部)
ラフェスタ
2005年はハマー 《 H3 》 に「萌え〜」でした!!H1のコスプレ・バージョン的なH3で、アキバを占拠すべし
  ハマーH3。ブランド名が「ハマー」で車名は《H3》。《H1》の縮小版が《H3》。数字は大きくなったけど、ボディーは小さくなっちゃった。
  ちなみに本当のご先祖様は米軍に正式採用されている多目的高機動車両HMMWV。この民政版が《H1》。それよりも乗用車風にしたのが《H2》。で、さらに小さくまとまったのが《H3》。そんなわけで、《H3》の見た目は《H1》とソックリだが、中身は別物。どちらかと言えば乗用車。完全にSUV。5mを切る全長は、日本で乗るにはもってこい。ちなみに、ボディーサイズも価格帯もほとんど 《ランクル100》 と一緒。いける。確実に日本でアシ車に出来るモデル。

  兄貴分の《H2》はドレスアップされて六本木アタリでぶいぶいいわせている。だったら、《H3》は秋葉原だ!! 六本木から日比谷線を11駅ばかり北千住方面に進んだところにある電脳タウン。筑波エキスプレスの開通で再開発が進んだ地区。そして、日本で一番《H3》が似合う街。何しろ、 《H3》は《H1》の「コスプレ・バージョン」なのだ。見た目は一緒だけれど、中身は別物。「お帰りなさいませ。ご主人様」は似合わないが、『攻殻機動隊』なら似合うはず(よく知らないケド…)。

  もっともっと《H3》の気分を盛り上げたいのなら、日比谷線をさらに2駅進んで上野のアメ横へ。アーミー系ファッション専門の『中田商店』で旧東ドイツ軍の軍服を揃えれば雰囲気満々!! 設定がメチャクチャだと騒ぐでない。それが「萌え」なのだ。そしてつまり、萌えクルマは《ハマーH3》なのだ!!
神田卓哉
神田卓哉 町のクルマ好き(コリズム編集部)
H3
2005年はハマー 《 H3 》 に「萌え〜」でした!!ボクが仮想世界でのみ乗ることを許されるのがハマーH3
 そもそも「萌えって何なのよ?」って言われると、即答に苦しみますよねー? で、その定義を検索したところ、 「自己規制によって仮想世界で欲求を満足させること」(経済アナリスト:森永卓郎氏のコラムより)というのがあった。上手い!! なるほど!! オタクがアニメやフィギュアやアイドルやメイドに<萌え>るのは、アタマの中で空想しながら欲望を満たすためなのである。じゃあ、「電車男がエルメスと結ばれてしまう」のは、<萌え>じゃないじゃん!! ということになる。

 そんなことはどうでもイイとして、決してボクの手が届かない「仮想世界」での欲求を満たしてくれるクルマと言えば、2005年登場モデルでは断然 《ハマーH3》。金額的にはもちろん、あの車格!! 《H1》《H2》よりダウンサイジングされているとはいえ、乗りこなす自分の姿に現実味がない。アレを我が家の駐車場に停める自分を想像することはできるケド、きっと父ちゃんは腰を抜かすだろう。アレで近所のラーメン屋に乗り付けるボクは「何てカッチョいいんだ!!」と思うケド、店員さんに「邪魔なのでどかしてください」って言われそう。「アレでスノボに行ったらヒーローだな…」「アレなら大地震が起きても大丈夫だな」などなど、アタマの中で妄想だけがモンモンと膨らむケド…。

 まぁ〜、こんなちっちゃいコトを考えている時点で、もはやボクは《ハマーH3》に乗る資格はない。そう、今のボクにとっては「H3のフィギュア(ミニカー)」ぐらいが適当なのさっ。
佐藤誠
佐藤誠 ガリバー自動車流通研究所
H3
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