インフルエンザの治療薬タミフル

ウイルスと細菌の違いってなんだ?

 日毎に寒さが厳しくなり、私の病院でもインフルエンザワクチンの予防接種を希望される人が来院されるようになりました。

 ところで、みなさんウイルスと細菌の違いは分かりますか? 細菌は光学顕微鏡(普通の顕微鏡)で観察出来ますが、ウイルスは細菌に比べて遙かに小さいので電子顕微鏡でしか見えません。

 また細菌は繁殖の条件が整った環境があれば自身で増殖しますが、ウイルスは動物などの細胞内でないと増殖できません。治療薬として細菌は抗生剤の効果が期待出来ますが、インフルエンザウイルスの場合は抗インフルエンザ薬(タミフル等)がありますが万能ではなく(最近は薬の副作用が問題視されています)、体力のない小児や高齢者では重症化する事があり注意が必要です。

インフルエンザの予防と治療

 インフルエンザウイルスは伝染性の強い疾患で温度が低く乾燥した条件を好み、冷たく乾燥した空気により弱った咽頭部粘膜に侵入しやすいため冬期に流行すると言われています。

 予防としてはインフルエンザワクチンの接種、マスクの着用、手洗いやうがい、体力をつけ睡眠不足にならないようにして、人混みなどを避けます。

 それでも罹患してしまったと思った場合は(通常の風邪より高熱、関節痛などの全身症状が強い)早めに医療機関を受診し(簡便なインフルエンザ抗原を検出する検査キットがあります)、診断がついたら抗ウイルス剤の内服を開始します(発症48時間以内に治療を開始しないと薬の効果がない)。

 また水分と栄養をしっかり摂取し十分な休養が必要です。解熱しても安心してはいけません。2日から5日はウイルスを排泄するため人にうつす可能性があるから具合が良くなっても人混みを避けて下さい。

次回は(その2)、インフルエンザとクルマの関係です。