スズキ スイフト・スポーツ

もっと走りを意識したホットモデルの登場を望む!

スズキ スイフト・スポーツ

 外観で最も「いいじゃないの」なのが、JWRCのラリーカーと同じ鮮やかなイエローのカラーリングである。実はスズキのイエロー、長い歴史を持つ。モトクロスのワークスマシンなど、ず〜っとイエローでしたから。スバルのブルーと同じく、イメージカラーとして定着させたらいいとい思う。
 その他『スポーツ』専用のエクステリアは、スポーティな形状の前後バンパーと、サイド&リアのエアロパーツ類。このクラス最大級の16インチホイールもスポーティに見える重要な役割を果たす。
 細かい部分にも手を加えられており、例えばドアミラーは空気抵抗や高速走行時の風切り音を低減するため小型化。これでJWRCのラリーカーと同じようなイメージの大型リアスポイラーや、ホンの少しでいいからワイドとしたフェンダー類など装備したインプレッサのSTIバージョンみたいなホットモデルを設定してくれれば文句ありません。すぐ買う!

オススメはレカロシートが装着されるセットオプション。

スズキ スイフト・スポーツ

 先代の『スイフトスポーツ』は、スズキ&レカロ共同開発によるシートが大きなセールスポイントになっていた。新型もレカロかと期待していたら、標準装備だとスズキ製の『スポーティシート』。少しがっかり。ただ15万7500円のセットオプションで、レカロシートの他、HIDライト、サイド&カーテンエアバッグを選べる。いずれのアイテムも間違いなく5万円以上するから、スイフトスポーツを買うならぜひとも装着するといい。ちなみにレカロのシート、やっぱり座り心地からして違います。

やっぱり5速MT車をプッシュしたい!

スズキ スイフト・スポーツ

 また、ブラックを基調とし、レッドやシルバーを配色したインテリアカラーは専用色。なかなか良い雰囲気を出してると思う。前出の『ホットモデル』を作るなら、もう20ミリくらい着座位置を下げればベストであります。リセールバリューや走る楽しさを考えるならマニュアルミッションを猛プッシュするものの、世の中の流れかATも設定している。

もっとパワーを追求をしたモデルも欲しい。

スズキ スイフト・スポーツ

 では試乗といきましょう! 1,3リッターエンジン搭載車で十分元気良く走ってくれるスイフトに、1,6リッターエンジンを搭載しているのだからパワーは余裕タップリ。乗ったのがマニュアルミッションということもあって、少しアクセル踏むだけで交通の流れを完全にリード出来るほど。
 ただターボエンジンと違い乱暴なトルクの出方じゃなく、あくまで回転の上昇と共にパワー出てくる感じ。したがって強力な走りを期待して乗ると「こんなもんか」だし、ATのコンパクトカーに乗り慣れている人なら「おお! やっぱり凄い!」。気合いの入ったクルマ好き向けに、もっとパワーを追求したモデルを用意すれば一段と魅力を感じかもしれない。

乗り心地とハンドリングが絶妙!

スズキ スイフト・スポーツ

 ハンドリングは高い評価を得ているスイフトのポテンシャルを3ランクくらい引き上げたようなもの。ワイドな16インチタイヤと、ハードなサスペンションを組み合わせているのだから、当然か? ハイペースでコーナーに入っても、ハンドル切るだけでスムーズに曲がってしまう。それでいて乗り心地はけっして悪くない。ダンパーにボルボやアウディなども採用しているヨーロッパ製の『テネコ』(スイフトスポーツのカタログに出ている”モンロー”はテネコ社のブランド)をオゴっているため、ハンドリングと乗り心地のバランスが高いレベルで取れているのだ。「楽しさとECOのバランス」も高いレベルで取れているおすすめモデルであります。

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達人プロフィール: 国沢光宏
職業:自動車評論家
歯に衣を着せぬ原稿で、なにかと話題の自動車評論家。歯切れの良い文章も分かりやすく、多くのファンをもつ。カートップやベストカーなど、多数の自動車雑誌に寄稿するだけでなくWRCなどのTV解説まで幅広い活動を行なっている。