福祉車両 情報 日産 セレナ LVシリーズ
福祉車両 情報 日産 セレナ LVシリーズ

セレナのアシャンテシリーズは5タイプも設定されているのである。

福祉車両 情報 日産 セレナ LVシリーズ

セレナに設定されているチェアキャブタイプは2タイプ。スロータイプとリフタータイプ。

アシャンテとチェアキャブ。LVシリーズでもBIG! EASY! FAN! は変わらず!

 日産人気の5ナンバーサイズミニバンといえば、セレナ。2005年に現行モデルへとフルモデルチェンジを行い、徹底的に磨き上げられた使い勝手の良さで爆発的な人気を得ているのは皆さんご存じの通り。ほどよいボディサイズに広々室内と3列シートを詰め込んだセレナにも日産ライフケアビークル(LV)シリーズが設定されている。

楽に乗り降りができ、楽に乗り降りの手助けが出来るアシャンテシリーズは、なんと5種類!

 標準車のセレナは前述したとおり使い勝手の良さが自慢の5ナンバーサイズミニバン。そのコンセプトはライフケアビークルにも持ち込まれている。なんと、楽に乗り降りができ、楽に乗り降りの手助けが出来るアシャンテシリーズは5タイプも設定されているのだ。

 アシャンテシリーズその1は運転席へ楽々乗り降り、オートステップ運転席タイプ。運転席の乗り降りを楽にする「運転席オートステップ」と「運転席アシストグリップ」を装備しているモノで、自動モードスイッチをオンにしておけば、運転席のドアを開けると240mm×400mmの大型ステップが顔を出す。この耐荷重110kgのステップは地上195mmの位置に登場するようになっているのだ。

 アシャンテシリーズその2は乗り降りが便利な装備をセットした送迎タイプ。左側スライドドア下にオートステップを装着し、ドア両側に大型手すりを、そして専用シートレイアウトを装備。ディサービスなど施設での送迎をサポートし、乗降の利便性と時間短縮に力を発揮するようになっているのである。オートステップは左側スライドドア下に装着され、耐荷重110kg。専用シートレイアウトとは補助席付きセカンドベンチシートのことで、3列目シートへの乗り降りが簡単に行えるようになっているのである。

 アシャンテシリーズその3は電動でシートが回って下がる助手席スライドアップシート。回転・昇降がすべて電動のスライドアップシートを助手席に装備したモノで、助手席が車外に出てきて、乗り降りをサポートしてくれるモノなのである。操作は標準装備のワイヤレスリモコンでOKという簡単さ。ボタン1つでシートが外側に大きくはり出し、広い場所でいすに座る感覚で乗り込める。シートは、車いすの高さとほぼ同じ高さ(地上から2WD:455mm、4WD:465mm)まで下がるというので、車いすからの移乗も楽にできる。

 アシャンテシリーズその4は電動で後席が回って下がるセカンドスライドアップシート。このモデルは助手席スライドアップシートのセカンドシート版。ワイヤレスリモコン1つで、セカンドシートが電動で回転・昇降するというモノ。セカンドシートであってもシートは、車いすの高さとほぼ同じ高さ(地上から2WD:450mm、4WD:460mm)まで下がるので、車いすからの移乗も楽にできるという。また、電動スライドシートや、電動リクライニング機構も標準装備されているので、車内では標準車と同じように快適に過ごすことが出来る。ただし、スライドアップシートにチャイルドシートを装着することが出来ないのでご注意を。

 アシャンテシリーズのラストはシートが車いすになってしまうセカンドスライドアップシート脱着タイプ。これは文字通り、セカンドシートが電動で回転・昇降するだけではなく、そのまま車いすになってしまうというモノ。リモコン操作で簡単に、セカンドシートに座ったまま車外に外出することができ、そのまま車内に戻ることが出来るというモノである。ものすごく便利な機能であるが、1つだけ注意点がある。脱着タイプ昇降能力は100kgとなっている。

チェアキャブタイプは2タイプ。スロータイプとリフタータイプ。

 セレナには車いすのまま乗り降りできるチェアキャブタイプが2種類用意されている。車いすを押して乗り込むスロータイプと、ボタン操作で乗り込むリフタータイプである。

 スロータイプは「スロープ」が電動で開閉し、介助者と車いすの方が一緒に乗降できるもの。後部車高が約80mm下がるニールダウン機構(車高低下装置)が装着されているので、車いすを押してのスロープによる乗り降りがスムーズに行える。

 もちろん、シートアレンジが豊富な現行セレナ。そのライフケアビークルだって、もちろんシートアレンジが豊富なのである。 車いすが真ん中に乗車できるファミリー向けレイアウト<車いす1名セカンドシート仕様(定員6名+車いす1名=7名)>、車いすの方が乗車しない時は標準車と同様の使い方ができるレイアウト<車いす1名サード仕様(定員5名+車いす1名=6名 または 8名)>、車いすの方2名でのお出かけにぴったりなレイアウト<車いす2名仕様(定員3名+車いす2名=5名 または6名+車いす1名=7名)>、車いすの方が乗車しない時はアンシャンテ送迎タイプと同様のシートレイアウト<車いす1名送迎仕様(定員5名+車いす1名=6名 または 8名)>となっている。

 リフタータイプは、全自動で車いすのまま昇降可能なリフターが装着されているモデル。操作方法はいたって簡単。リモコンを操作し、リフターが停止するまで下降。車いすをプラットホームにのせて、ブレーキを確実にロックし、固定装置で固定させ、更にフラッパーをロックしてから腰部2点のシートベルトを装着。リモコンを操作し、リフターを上昇させると、ワンモーションでプラットホームが車内へスライドして終了。リフターの揚力は170kg。この使い勝手の良いリフターだけでも驚きなのに、車いす用ELR付き3点式シートベルトが標準装備となっており、安全面に対する配慮も十分なされているのである。
 
 なお、チェアキャブタイプのセレナが対応可能な車いすのサイズは次の通りである。スロープタイプが全長980mm×全幅660mm以下(1人乗りの場合は1020mm×660mm)、車いすに座ったままでの頭上までの高さが1320mm。リフタータイプが全長1450mm×全幅660mm以下、車いすに座ったままでの頭上までの高さが1300mm、車いすの座面の高さが推奨値400mm以下となっている。

仕様
オートステップ運転席タイプ
ベース車グレード
20S
価格(消費税込み)
223.65万円
仕様
送迎タイプ
ベース車グレード
20S
価格(消費税込み)
239.4万円
仕様
助手席スライドアップシート
ベース車グレード
20S
価格(消費税込み)
258.3万円
仕様
セカンドスライドアップシート脱着タイプ
ベース車両
20S
価格(消費税込み)
278.75万円
仕様
スロープタイプ/車いす1名セカンド仕様
ベース車グレード
20S
価格(消費税込み)
307.5万円
仕様
リフタータイプ
ベース車両
20S
価格(消費税込み)
275.8万円
リポート
神田卓哉(CORISM編集部)
写真
日産自動車