東京モーターショー2005 クルマ最新テクノロ辞典
ハイブリッド ドライブ セーフティ・福祉 スタイリング・ユーティリティ
ドライブ
今日の交通環境に照らし合わせたカタチで、運転の楽しさを提案するモノと、ドライバーの負担を減らし、安全運転に貢献するモノの2種類に大別される。前車はトランスミッション関係に注目が集まり、後者は走りにかかわる部分の統合電子制御が目立つ。
Index
>> ステア・バイ・ワイヤ
>> X by Wire
>> アクティブ・スタビライザー・サスペンション・システム
>> VDIM
>> アクティブCVT
>> S-AWC
>> D-4S
>> オートスティック・ドライバー・セレクタブル・レンジ機能
>> SH-AWD
ステアリング操作を電気信号で
[ダイハツ] ステア・バイ・ワイヤ
【学名】ステア・バイ・ワイヤ
【英名】STEERING by WIRE
【分類】ステアリング操作伝達システム
【分布】UFE-3
【習性】
 通常、機械的につながっているステアリングの操作部と機構部を切り離し、電気的につなぐシステム。ドライバーの操作は、いったん電気信号に置き換えられ、機構部に伝達される。前席1名/後席2名、センターコクピットのUFE-3では、ステア・バイ・ワイヤにより、ステアリング位置の自由度が広がったことで、コクピット全体の機能性を高めている。
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この技術を搭載しているモーターショー出展モデル
UFE-3

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ハンドルもブレーキもすべて電気信号で
[日産] X by Wire
【学名】X By Wire
【英名】X BY WIRE
【分類】ステアリング・ブレーキ・シフト操作伝達システム
【分布】Pivo
【習性】
 ステアリング/ブレーキ/シフトの配管/シャフト/ケーブルなど、これまでの機械的な結合を電気信号でまかなうシステム。「X by Wire」の「X」はブレーキやステアリングなどを指す。
 ドライバーの操作はいったん電気信号に置き換えられ、コントローラーが実際に動く箇所のアクチュエーターを制御する仕組み。機械的につながっていないので、ステアリングやブレーキなどの操作系を自由に配置できるほか、操作系の部品点数を減らすことによる軽量化の実現、フルード類が不要になることによるメンテナンスフリー化などのメリットももたらしてくれる。
 日産のコンセプトカー、Pivoのキャビンが前後180°に向きを変えることができるのは、このX by Wire技術のおかげ。
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この技術を搭載しているモーターショー出展モデル
Pivo

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スタビライザーの硬さを可変制御
[レクサス] アクティブ・スタビライザー・サスペンション・システム
【学名】アクティブ・スタビライザー・サスペンション・システム
【英名】ACTIVE STABILIZER SUSPENSION SYSTEM
【分類】スタビライザー
【分布】GS450h
【習性】
 乗り心地に配慮すると、スプリングのレートやショックアブソーバーの減衰力は硬くしづらいが、スタビライザーの強化は、比較的運動性能と乗り心地を両立しやすい。その特徴をうまく利用したのが、このシステムだ。
 コーナリング時のロールを抑えるスタビライザーの効き具合を、車両姿勢に応じて電動で可変制御。効力を加減するのは前後のスタビライザー中央部に備わるアクチュエーターが受け持つ。常に車体のロールを必要最小限に抑え、タイヤの接地性を高めることで、優れたコーナリング性能トラクション性能を発揮する。
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レクサスGS450h

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曲がりたいと思った瞬間曲がる!?
[レクサス] VDIM
【学名】VDIM
【英名】VEHICLE DYNAMICS INTEGRATED MANAGEMENT
【分類】トラクション・ステアリング・ブレーキ制御システム
【分布】GS450h
【習性】
 VDIMはアクティブステアリング統合制御ともいう。従来のブレーキ制御によるスタビリティとABS、そしてトラクションコントロールの領域を拡大して、限界に至る前から制御を開始するとともに、電動モーターによって操舵をアシストするステアリング制御をプラス。
 アクセル/ステアリング/ブレーキの操作量から予測した、ドライバーのイメージする挙動と、「走る/曲がる/止まる」に関する各種センサーからの情報により予測できる挙動との差を算出し、その差を詰めるように、駆動力/前輪の切れ角/ステアリング/ブレーキをトータルに制御してくれるシステムだ。
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この技術を搭載しているモーターショー出展モデル
レクサスGS450h

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F1ばりのシフト操作を楽しめるCVT
[トヨタ] アクティブCVT
【学名】アクティブCVT
【英名】ACTIVE CVT
【分類】トランスミッション制御システム
【分布】ラクティス
【習性】
 ステアリング背面のパドルシフトによる操作が可能な「7速スポーツシーケンシャルシフトマチック」と、従来にない応答性のよさを誇るCVT SPORTモードを備えた制御システム。ちなみにCVTとは無段変速ATのこと。
 右側パドルでシフトアップ、左側パドルでシフトダウンを受け持ち、7速に刻んだことでこまやかなシフト選択が可能に。また、エンジンとの統合制御によって、変速時間も大幅短縮が図られている。
 CVT SPORTモードはアクセルONに対して動力性能をフルに引き出し、レスポンスと伸びのある加速を実現。また、アクセルOFF時もエンジンの回転を高く保つことにより、再加速に瞬時に対応してくれる。
この技術を搭載しているモーターショー出展モデル
ラクティス

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運転が苦手な人でも限界ドライビング
[三菱] S-AWC
【学名】S-AWC
【英名】SUPER ALL WHEEL CONTROL
【分類】ブレーキ・ステアリング・サスペンション制御システム
【分布】CONCEPT-X
【習性】
 既存の「スーパーAYC」(AYCはアクティブ・ヨー・コントロール)、「ACD」(アクティブ・センター・ディファレンシャル)による駆動力制御をベースに、ブレーキ/ステアリング/サスペンションまでも電子制御で最適化するシステム。
 車両姿勢制御をサポートするのが「アクティブブレーキコントロール」。S-AWCのマスターコントローラーである4WDコントローラーからの信号により、4輪別々に制動力を制御。ドライバーによる車両姿勢コントロールを助ける。
 ステアリング操作や車速に応じて、前輪の切れ角を制御する「アクティブステアリングシステム」は、切り込む際もカウンターステアを当てる際も的確な操作をサポートしてくれる。
 4輪のショックアブソーバーの油圧を最適にコントロールする「ロールコントロールサスペンション」は、ロールとピッチングを効果的に抑制。また、その油圧情報から4輪の接地荷重を推定し、S-AWCの統合制御に役立てる。究極のオールホイールコントロールにより、クルマの持つ能力を最大限に引き出すシステムといえる。
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CONCEPT-X

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世界初!燃料噴射二刀流!
[レクサス] D-4S
【学名】D-4S
【英名】DIRECT INJECTION 4STROKE GASOLINE ENGINE SUPPLIER VERSION
【分類】燃料噴射システム
【分布】レクサスGS450h、レクサスIS250 IS350 GS350
【習性】
 吸気管内(ポート)に燃料を噴射するインジェクターと、直接、燃焼室内に燃料を噴射する2つのインジェクターを備える。
 エンジンが低・中負荷の領域では両方が働き、均質な混合気を作り出すことで燃焼が安定し、排出ガスを抑えると同時に燃費に優れる。逆に高負荷時は直接燃料室内に噴射する方だけが働いて、直接噴射のメリットである吸気冷却効果を発揮。充填効率が高まり、ノッキングを抑えることで出力アップを果たす。直接噴射インジェクターは2孔式で、扇型に噴霧される燃料が空気と効率よく混ざる。
 また、圧縮行程の最後に噴射し、それに合わせて点火時期を遅らせることで、排ガスの温度を上げ、触媒の活性化を図って、エンジン始動直後の排ガスをクリーンに。パワー環境性能を両立する。
 ちなみにGS450hの2GR-FSE(3.5L V6)では、高性能モーターとハイブリッド化され、4.5L車に匹敵する加速性能と14.0km/Lという2L車並みの省燃費を両得している。
この技術を搭載しているモーターショー出展モデル
レクサスGS450h

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マニュアル感覚のシフト操作を実現
[クライスラー] オートスティック・ドライバー・セレクタブル・レンジ機能
【学名】オートスティック・ドライバー・セレクタブル・レンジ機能
【英名】AUTOSTICK DRIVER SELECTABLE RANGE
【分類】トランスミッション制御システム
【分布】クライスラー300C
【習性】
 クライスラー300Cの5.7HEMIに搭載される5速AT(設計はメルセデス)に備わる機能。クラッチレスでマニュアル感覚のシフトチェンジを可能にしている。ATセレクトレバーをDレンジに入れて、左に振るとシフトダウン、右に振るとシフトアップする。変速の応答性も高く、5.7LV8エンジンの強大なパワー&トルクをさらに楽しく味わえるシステムといえるだろう。
この技術を搭載しているモーターショー出展モデル
クライスラー300C

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世界初の4輪駆動力自在制御システム
[ホンダ] SH-AWD
【学名】SH-AWD
【英名】SUPER HANDLING-ALL WHEEL DRIVE
【分類】4輪駆動システム
【分布】SPORTS4CONCEPT
【習性】
 ドライバーの操作や走行状況に応じて、前後輪の駆動力を70:30から30:70まで可変配分できる。同時に、後輪の駆動力を左右で100:0から0:100まで可変配分可能。滑り出したタイヤの駆動力を下げることで、四輪の駆動力を常に最適にでき、無駄なホイールスピンをさせることなくトラクションを稼ぐことができる。
 コントロールはリヤアクスルにセットされた2対の電磁クラッチの断続による。断続は横Gセンサー/前後Gセンサー/ヨーレイトセンサー/車輪速度センサー/舵角センサー/エンジンECU/トランスミッションECUからの信号をもとにリアルタイムで行われる。
この技術を搭載しているモーターショー出展モデル
SPORTS4CONCEPT

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