東京モーターショー2005 クルマ最新テクノロ辞典
ハイブリッド ドライブ セーフティ・福祉 スタイリング・ユーティリティ
ハイブリッド
他燃料車へのつなぎに思えたハイブリッドだが、市販車両にも次々に採用されてきており、各社ともに熱心に開発を進めている。いまのところ、ガソリンエンジンと電気モーターの組み合わせが主流で、省燃費&低排出ガスとハイパワー化の相反する要素を互いに進化させてきた。
Index
>> リチウムイオンキャパシタ
>> ターボ・パラレル・ハイブリッド(TPH)
>> THS-2
>> 3ステージI-VTEC+IMAシステム
>> MIEVコンセプト
バッテリーの進化=ハイブリッドの進化
[スバル] リチウムイオンキャパシタ
【学名】リチウム・イオン・キャパシタ
【英名】LITHIUM ION CAPACITOR
【分類】バッテリーシステム
【分布】B5-TPH
【習性】
 スバルのコンセプトカー、B5-TPHのモーターを駆動するバッテリーはマンガン・リチウムイオンで、一般に用いられるニッケル水素に比べ充電/放電電力の許容能力が大きく、長寿命でありながら、コンパクト軽量というメリットがある。
 また、バッテリーをコントロールするECUを含めたオール・イン・ワンのパッケージングとすることで、車体への搭載のしやすさ、高電圧に対する安全性の高さ、メンテナンス性のよさといった特徴も引き出すことができる。
この技術を搭載しているモーターショー出展モデル
B5-TPH

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ターボエンジンをハイブリッド化
[スバル] ターボ・パラレル・ハイブリッド(TPH)
【学名】ターボ・パラレル・ハイブリッド(TPH)
【英名】TURBO PARALLEL HYBRID
【分類】ハイブリッドシステム
【分布】B5-TPH
【習性】
 一般的なハイブリッドシステムは、エンジンとモーターが別ユニットになるのに対して、2L水平対向DOHCツインスクロールターボエンジンのクランクシャフトに、薄型モーター・ジェネレーターを直結した「パラレル方式」を採用するシンプルなハイブリッドシステム。
 エンジンとATトルクコンバーターに挟まれる位置にあるモーターに、駆動/発電/回生の機能を統合するので「シンメトリカルAWD」の特徴はそのままに、優れた環境性能を得られる。
 パワーコントロールユニットはIPM(インテリジェント・パワー・モジュール)で、DC-DCコンバーター/モーターコントローラー/コンデンサーなどがコンパクトにまとめられて、エンジンルーム内の通常の12Vバッテリースペースに収められている。
この技術を搭載しているモーターショー出展モデル
B5-TPH

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トヨタ初、世界最新ハイブリッドシステム
[トヨタ] THS-2
【学名】THS-2
【英名】TOYOTA HYBRID SYSTEM 2
【分類】ハイブリッドシステム
【分布】新型エスティマハイブリッド、
    ハリアーハイブリッド、
    クルーガーハイブリッド
【習性】
 ハイブリッドシステムでは一歩先をいくトヨタの最新版ハイブリッド(ガソリンエンジン+電気モーター)システム。モーターや発電機の駆動電圧を上げ、また、それらをより高出力化する一方で、エネルギー伝達系のロスを大幅に減らすことにより、ハイブリッドならではの省燃費低エミッション性能を進化させつつ、パワー面も大幅に向上させている。
 モーターの動力を分割するプラネタリーギヤは新たに1セット加えられ、毎分1万2400回というモーターの回転を減速させることで、大きなトルクを発生させる。そのモーターを高回転化する工夫は可変電圧システムで、288Vのバッテリー電圧は最大650Vまで高められる。
 さらに、もうひとつの特徴が「E-Four(電気式4WD)」との組み合わせ。フロントモーター同様、最大650Vでリヤタイヤを駆動する永久磁石式の交流同期モーターを備え、滑りやすい路面や急加速時にフロントの駆動力を補う。
この技術を搭載しているモーターショー出展モデル
エスティマ・ハイブリッド(新型)

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ハリアーハイブリッド

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クルーガーハイブリッド

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ホンダハイブリッドシステムの進化版
[ホンダ] 3ステージi-VTEC+IMAシステム
【学名】3ステージi-VTEC+IMAシステム
【英名】3STAGE i-VTEC+IMA SYSTEM
【分類】ハイブリッドシステム
【分布】シビック・ハイブリッド
【習性】
 3ステージi-VTECエンジンは、従来、1気筒あたり4つのロッカーアームを持ち、エンジン駆動と気筒休止を切り換えていたが、新型では吸気側を3本とした計5つのロッカーアームで、低回転時/高回転時/気筒休止時の3段階をバルブ制御する。高回転時を追加したことにより、出力が大幅にアップした。
 また、3気筒休止だった気筒休止が4気筒すべてとなり、さらに低回転用と気筒休止のバルブタイミング・リフト切り換えを油圧で行うことにより、省燃費と電力の充電効率も高めているのが特徴だ。
 補助動力IMAは「インテグレーテッド・モーター・アシスト」の略。出力を50%、トルクを110%も高めた薄型DCブラシレスモーターをはじめ、ニッケル水素バッテリーやパワーコントロールユニットからなるIPU(インテリジェントパワーユニット)で構成され、出足からのトルクフルな加速、超低燃費、排ガスのクリーン化を後押しする。
この技術を搭載しているモーターショー出展モデル
シビック・ハイブリッド

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4鈴すべてのホイールにモーターを装備
[三菱] MIEVコンセプト
【学名】MIEVコンセプト
【英名】MITSUBISHI IN-WHEEL MOTOR ELECTRIC     VEHICLE CONCEPT
【分類】駆動システム
【分布】ランサーエボリューションMIEV
【習性】
 電気自動車用の駆動システムとして考えられたMIEVは、4輪すべてのホイールに装備されたインホイールモーターを採用する。減速ギアがいらず、トランスミッションやドライブシャフト、デファレンシャルギアなどのスペースも必要としないため、既存のガソリン車をハイブリッド車に容易に発展させられるメリットがある。
 最高出力は1基あたり50kw、最大トルクは518Nm。これを4輪それぞれに備えることで、計200kw(270ps)の最高出力と、0-100km/h=8秒以下の加速性能、180km/hの最高速度を誇る。
 また、4輪の出力を個別に細かく制御できるので、その意味では、S-AWC(スーパー・オールホイール・コントロール)の究極の姿としても期待できる。動力源はリチウムイオン電池で、フロア下に配される。
この技術を搭載しているモーターショー出展モデル
ランサーエボリューションMIEV

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