卓越したパフォーマンスを発揮する3.5リッターエンジン。
エンジンは2.5Lと新設計の3.5L、V型6気筒直噴DOHCを積む。ミッションは、パドルシフトを備えた6速ATを採用した。メカニズムのハイライトは、世界で初めてデュアルインジェクターを採用した3.5LのV6直噴DOHCだ。このエンジンは素性がいい。レスポンスは鋭いし、全域にわたってトルクも豊かだ。鋭い高回転の伸びと力強いパンチ力を身につけ、4Lクラスと互角以上の加速を見せつけた。ちなみにテストコースの周回路では250km/hを超えるトップスピードをマークした。心地よいエンジンサウンドも魅力だ。2.5LのV6直噴エンジンも非凡な実力を秘めている。3.5Lエンジンほどのパワー感はない。だが、切れ味の鋭さは3.5Lを凌ぐほどだった。
ハンドリングは軽快で、身のこなしも軽やかだ。ステアリングを切り込むと、狙った方向に気持ちよく鼻先が向きを変える。クルマ全体の剛性はすこぶる高いし、接地フィールを素晴らしかった。硬質だが、17インチタイヤを履くモデルは乗り心地にも粗さがない。以前に乗ったプロトタイプは操舵のリニアリティ、うねった路面での路面追従性などに課題を残していた。だが、市販モデルはオン・ザ・レールだ。電動パワーステアリングも正確な操舵フィールで、ハイスピード領域でも不安感は皆無。車両統合制御のVDIMも一体感のある走りの実現に大きく貢献している。
ドイツ車を超えるほど走りの質感は高い。ネックとなるのは390万円からという価格だ。何年かして中古車になって乗るという手もある。中古車でもIS350とIS250は、十分にレクサスらしさを味わえるだろう。