最新の乗員保護技術で、安全面での優位性を向上

 フォード・モーター・カンパニーは8月16日、自動車安全研究施設を新たに設立。同施設内にある12の試験室の一つ「内装頭部衝撃試験室」がディアボーンで初公開された。

 この自動車安全研究施設は、フォードの認証試験場としての機能をもち、世界最高レベルの乗員保護衝突シミュレーションを実施することができるとのこと。衝突時における頭部障害をシミュレートすることで、フォードは商品開発プロセスの初期段階である試作車をつくる前の時点で、必要な重要データを収集し、安全性を高めた設計を施すことができるという。

 新たな安全試験場には、1台の衝突シミュレーター上で、5種類の複雑な衝突形態を再現できる機能が採用されている。油圧サーボ式衝突シミュレーターは、前面衝突時に生じる車両の前方へのピッチング、すなわち傾斜を再現することが可能とし、さらに、ピッチング無しの前面衝突、破壊式と非破壊式の側面衝突および後面衝突などの各シミュレーションが可能であるとのこと。これらの試験により、とり広範な衝突データが迅速に収集され、顧客により安全な車両を提供できるようになる。

 新施設で実施されるもうひとつの重要な試験は、乗員のアウトオブポジションテスト(OOP試験)である。この試験では各種衝突時のデータ取得が可能で、この試験で得られたデータは、子供を含む、あらゆる体格の乗員を傷害から守るエアバッグやシートベルトの設計に利用される。その一例として、2006年モデルのフォード・エクスプローラーには、各種の車両センサーからの入力信号をもとに、乗員の位置や体格に応じて最適に作動するアダプティブ・エアバッグが装備されている。

 フォードは、車両試験に関して6,500万ドルの投資を行なっており、今回の安全研究施設の新設はその一環とのこと。