LEXUSスタート!先陣を切る「GS」シリーズ
「LEXUS(レクサス)」は、8月30日より日本での開業に合わせ、同日より新型GSシリーズ発売すると発表した。
LEXUSは、欧米やアジアなどでトヨタが世界展開している高級車ブランドだ。これが、いよいよ満を持して我が日本でもスタートさせる。北米への初進出が89年だから、実に16年の時を経ての展開となる。当初、全国で143の専売店舗を立上げ、年内には151店舗まで広げる予定だという。
さて、このGSシリーズは、06年中にフラッグシップのLSシリーズが出るまでは今のところ暫定1位、最上級のモデルとなる。LEXUSブランド内でのGSシリーズの位置付けは「『新しいプレミアム価値の提供』を追求したグランドセダン」だという。
外観上は、先代GSシリーズ(日本名「アリスト」)から継承されたボリューム感あるフォルム(LEXUSでは「ロングキャビンプロポーション」と呼ぶ)に加え、新しいデザインフィロソフィ「L−finesse(先鋭−精妙の美)」を具現化し、ダイナミックさと落ち着きを両立した独自性の高いデザインとなっている。ボディサイズは、全長、全高についてはトヨタでいうとクラウンに近い寸法だ。ただし車幅を1800mm以内にとどめるクラウン(1780mm)に対し、GSシリーズでは1820mmとやや幅広になっている。「国際派」LEXUSらしいところであるいっぽう、国土の狭い日本国内では賛否が分かれるところかもしれない。
当初のラインナップは3つ
8月30日当初はGS430、GS350、GS350 AWDの3グレードが発売され、06年春にはGS450hと呼ばれるハイブリッドモデルも追って登場する予定だ。
GS430/350にそれぞれふられている数字は、欧州のライバル高級車同様に、排気量を指す。430にはV8 4.3リッター、350にはV6 3.5リッターがそれぞれ積まれ、共に6速ATと組み合わされる。
ただしGS450hについてはこの車名の法則が当てはまらないのは興味深い。GS450hには、V6 3.5リッターエンジンとモーターが組み合わされる。これは、4.5リッター並みのハイパワーをハイブリッドシステム(hはハイブリッドの頭文字)で得られる、という意味が含まれているワケだ。
装備は、LEXUSとして今考えられる、最高のモノが奢られている。特にGS430ではその印象が強い。
中でも、世界初のアクティブステアリング統合制御「VDIM」の装着は特筆に価する。これは、従来の車両挙動制御装置VDIMに、車速に合わせステアリング切れ角などをフレキシブルに変化させるVGRSを組み合わせた、いわば進化型のハイテク挙動制御システムである。コーナリングや滑りやすい路面などで車両の動きを安定させることが可能になったという。
その他オプション設定ではあるが、走行車線内走行を維持支援するレーンキープアシスト「LKA」や、ミリ波レーダー式プリクラッシュセーフティシステムといった予防安全に役立つ装備を始めとして、快適装備なども満載だ。こういった数々の先進装備は日本のお家芸であり、また欧米の名立たるライバルに対するアドバンテージだ。「日本の」高級車ブランドLEXUSを買うのなら、こういった点は非常に重要な要素ではないだろうか。
ただし先進性を重視するというのなら、先に紹介したハイブリッドモデル「GS450h」の存在はとても気になるところだ。ハイブリッドシステムは、LEXUSの母体トヨタグループが世界に対し圧倒的にアドバンテージを持つコア技術。せっかく買うなら、そんな世界一の技術を実装したモデルを待つという手もあるかもしれない。
輸入車派も気になる!?GSシリーズ
価格は、GS430が630万円、GS350(2WD)が520万円。
日本車としては高めのプライスではあるが、ライバルと目されるドイツの強豪メルセデスE350アバンギャルドやBMW530iが700万円強であることを考えると、相変わらず「安い」。
しかも、世界最先端のハイテク装備というアドバンテージを持ったモデルを、独自の研修を受け「おもてなし」の心を学んだ新しい専売店で購入出来るというのだから。輸入車派の方々にとってもこれは非常に気になるのではないだろうか。ともあれ、8月末を乞うご期待、というところだ。