一度アクセルを踏むと476馬力の圧倒的なパワーが炸裂。3段階あるサスペンション設定を最もスポーツ設定にすると、車高も下がり足まわりもかなりカタクなりスポーツカーのようなフィーリングだ。

ゆっくり流す場合は、サスペンションをコンフォートにセット。19インチタイヤを装着しているのにもかかわらず乗り心地は良好。

フロントは8ピストンとなり、ブレーキもAMG専用。凄まじほどの制動力と高いコントロール性能を誇る。

ドロロロ〜ンとV8特有の独特の排気音を奏でながら、暴力的ともいえる加速を支える5.5リッター+スーパーチャージャーエンジン。

フロントが255/35R19、285/30R19という、大迫力の大径ホイールを見事なまでに履きこなす。ホイールデザインもかなりスポーツしてます。

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476馬力の悪魔が住む

 試乗車は3バルブのSOHCながらスーパーチャージャー付きのV型8気筒5.5Lエンジンであるだけに、動力性能のレベルは圧倒的といえるもの。476psに相当する350kWのパワーと700N・mもの強大なトルクを発生する。車両重量も2t近いものになるが、どんな状態からでもアクセルを踏み込んだ瞬間から暴力的ともいえるほどの凄まじい加速感を味わうことができる。

 標準のCLS350やCLS500が7速ATを採用するのに対し、CLS 55 AMGには5速ATが組み合わされるが、これだけ強大なトルクがあるとATのギア段数などは全く問題にならない。どんと踏み込んだ瞬間にキックダウンして加速していくからだ。

 タイヤは前後異サイズで19インチの35と30の超偏平タイヤを採用する。当然ながらに乗り心地は相当に硬めの印象で、路面が荒れたところではゴツゴツ感も感じるが、電子制御のエアマテックDCサスペンションを採用することなどによって、一定の乗り心地の良さも確保されている。

 豪快な加速感を味わうことができるのは良いが、現実にはそれを発揮できるシーンは日本にはない。相当な自制心を持たないと運転できないクルマでもある。

●お勧めグレード

 スタイリッシュな外観を持つCLSには一定の魅力があるが、高価格で極めて実用性に乏しいクルマであることを考えると一体だれが乗るクルマなのかという気持ちにさせられる。買うならインテリア回りのラグジュアリー度も考慮してCLS500が良いと思うが、それでも価格は1000万円を超える。

代表グレード
CLS55 AMG
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4,915×1,875×1,390
車両重量[kg]
1,940
総排気量[cc]
5,438
最高出力[ps(kw)/rpm]
476(350)/6,100
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
71.4(700)/2,650〜4,000
ミッション
5AT
10・15モード燃焼[km/l]
6.4
定員[人]
税込価格[万円]
1396.5
発売日
2005年2月4日
レポート
松下 宏
写真
和田清志
取材協力
箱根ターンパイク
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