搭載される直列4気筒2LのDOHCエンジンは110kW(150ps)/190N・mのパワー&トルクを発生する。1100kgほどの重さのクルマに110kWのエンジンを搭載するのだから、軽快な走りが得られるのは当然のこと。しかもそのエンジンは可変吸気システムや排気系のチューニングにより、幅広い回転域でトルクフルな実力を示す。吹き上がりの軽快感も上々のレベルにある。
トランスミッションもフィエスタST専用に開発されたクロスレシオの5速MTで、短いシフトストロークによって俊敏なシフト操作を可能にする。ウェット路面での試乗だったのでいろいろなシチュエーションを試すことはできなかったが、特設されたジムカーナコースでもなかなか元気の良い走りを見せた。リヤサス回りの剛性を強化したことが、接地性の向上につながっているようだ。
専用にチューンされたサスペンションとピレリPゼロ・ネロタイヤの組み合わせも上々。標準車が16インチの45、コンペティションでは17インチの40という超偏平タイヤは、いずれもかなり硬めの乗り味となるが、日常シーンでの快適な乗り心地はスポイルされていない。