実際のチェロキーは写真のイメージと大きく違い、結構コンパクトな車なのである(全長は4520mm)。それ故、実車を目の前にすると「中は狭いんだろうなぁ」と思われてしまいがちなのだが、そうではない。後部座席に座った人はフロントシートのシート下に足が伸ばせるようになっているなど、パッケージングに優れているので大人が4人問題なく過ごせるのだ。
今回試乗した05年モデルのジープ・チェロキーは、この点がよりいっそう磨かれていたのに目がついた。
まず数値的なゆとりなのであるが、フロントシートのシートクッションが昨年モデルに比べて5mm長くなり、また幅も10mm広くなった。パッケージングの観点に立って観察すると、リアシートはシートを前方に倒したときの傾斜角度をさらに小さくしたことで、フラットなフロアとなり、実用性と収納力が改善された。また、パワーウィンドウのスイッチもセンターコンソールの水平面に移され、操作性があがったのである。
小さいボディで抜群なスペース効率というのは、先代から受け継がれたチェロキーの美点である。ラゲッジ容量もフル乗車で878リットルと十分にあるのだが、体積を高さで稼いでいるのが残念なところ。長さがないので、多くの荷物を積むためにはオーナーにも高度なパッケージング能力が求められてしまうのだ。