待望の2.5リッターエンジン。アルファードやエリシオンなどの直4エンジンに比べ、パワフルでV6というメリットがある。

2トン級のボディなので、速いとはいえないが想像以上の動力性能を披露。

ライバルのアルファードやエリシオンに比べると、動力性能面では一枚上手。

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パワーは必要十分だが、足まわりや柔らかい

 2.5Lエンジンの搭載車にはVとハイウェースターの2グレードが設定されるが、エンジンが3.5Lから2.5Lに変わっても車両重量はほとんど変わらない。エンジン自体も同じV型6気筒だからだ。このためエルグランド2.5に乗る前は、走りにはあまり期待できないだろうと思ったが、実際に走らせてみるとこれがけっこう良く走ることに驚かされた。

 そう感じたのは箱根ターンパイクの上り坂。小田原の料金所を通るとすぐに急な上り坂があるのだが、相当に厳しいだろうと思ったこの坂の上りを、想像する以上に元気よく駆け上がって行った。それと同時に6気筒らしい静粛性の高さも好感が持てるもの。走行中でも前後の席で普通に話ができた。

 エルグランド2.5の動力性能は137kW/232N・mで、競合車に対して大きく上回る性能を発揮している。エルグランドの駆動方式はFRなので、車両重量は競合車に比べるとかなり重い。それに合わせて動力性能に優れたV型6気筒2.5Lエンジンを搭載したのだろう。新搭載のVQ25DE型エンジンが発生するパワー&トルクは2t級のボディに見合ったものだ。

 足回りは基本的には変更を受けていないようで、相変わらずかなり柔らかめのチューニングが施されている。多人数乗車する機会の多い上級ミニバンとしてはこうした乗り心地重視のチューニングになるのは仕方ないが、アイポイントが高めなためにコーナーでのロール感が大きくなり、山道を運転していると不快な揺れを感じた。もう少ししっかりした感じの乗り味が欲しいところだ。


●お勧めグレード

 3.5L車の価格はベースグレードでも300万円を超えている。それに比べると280万円台からある2.5L車は手頃な印象を与えるのは確か。このVが基本的にお勧めグレードとなる。カーナビなどのオプションを装着すれば、車両価格は簡単に300万円を超えるが、それでも手頃な価格帯の上級ミニバンであるのは間違いない。アルファードやエリシオンの4気筒エンジンに比べると、スムーズさや静粛性、動力性能などの点で魅力的なモデルなので、けっこう良く売れると思う。

 ただ、発売当初から廉価モデルの設定が望まれていた割には、実際に発売されるまでに時間がかかりすぎたように思う。もっと早く発売していれば、上級ミニバンの販売合戦は違った様相を見せたことだろう。

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代表グレード
2.5V
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4835×1795×1920
車両重量[kg]
1990
総排気量[cc]
2495
最高出力[ps(kw)/rpm]
186(23.7)/6000
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
23.7(232)/3200
ミッション
5AT
10・15モード燃焼[km/l]
5.6
定員[人]
税込価格[万円]
283.5
発売日
2004年12月22日
レポート
松下 宏
写真
佐藤靖彦
スタイル インテリア 走り&メカニズム