並行輸入車とは
並行輸入車とは、メーカー契約の輸入代理店を通さずに輸入されたクルマのことです。正規ディーラーで売られている「正規輸入車」と区別する言葉として使われています。
正規輸入車との違い
正規輸入車と並行輸入車では、輸入のルートが異なります。
正規輸入車は、海外メーカーが契約している輸入代理店を通して仕入れられ、正規ディーラーで販売されます。正規ディーラーには、以下のようにメーカー直営店とメーカーから委託を受けて販売している店舗があります。
【正規ディーラーの例】
- メルセデスベンツ直営店
- BMW直営店
- ヤナセ経営店舗
- ウィルプラスモトーレン経営店舗
一方、並行輸入車は海外のディーラーや中古車販売店、個人から買い付けられ、輸入車専門店や輸入代行業者によって販売されています。
正規輸入車と並行輸入車の見分け方
新車の場合、正規輸入車と並行輸入車は販売場所で区別できます。正規ディーラーで売られているクルマは正規輸入車、それ以外の販売店で売られているクルマは並行輸入車と考えましょう。各自動車メーカーのHPを確認すれば、正規ディーラーの一覧が掲載されています。
中古車の場合、簡単な確認方法は販売店のスタッフに尋ねることです。また以下のような特徴から並行輸入車を見分けることもできます。
- 型式が「不明」もしくは「ー英数字ー」で表記
- 取扱説明書が外国語表記
並行輸入車でしか買えない車種もある
正規輸入車は、海外メーカーが日本の販売を決定した車種だけに限定されています。一方、並行輸入車には日本での販売を終了した車種や日本で未販売の車種も含まれます。
例1) トヨタ「タンドラ」
例2) フォード「マスタング」
タンドラのように、並行輸入車には日本のメーカーが海外用に販売しているモデルを輸入する「逆輸入車」も含まれます。
- トヨタ「bz4x」
- マツダ「CX-50」など
並行輸入車のメリット
主なメリットは、手に入る車種やグレードの豊富さと、タイミング次第で車両価格が安くなることです。
珍しい車種やグレードが手に入る
先述の通り、正規輸入車で手に入るのは「海外メーカーが日本への販売を決めた車種」のみ。またグレードや仕様も限られています。
並行輸入車であれば、正規ディーラーで売られていない車種やグレードも選択できます。「珍しい車種に乗りたい」「海外の限定仕様が気になる」という人にとって、並行輸入車は魅力的な存在でしょう。
円高なら車両価格が安い
正規輸入車は予め販売価格が設定されており、新車価格が値下がりすることも考えにくいです。一方、並行輸入車の価格はその時の為替レート次第で変動します。円高のタイミングであれば、同じ車種でも正規輸入車より安く買える場合があります。
並行輸入車のデメリット
主なデメリットは、正規輸入車に比べて信頼性が低いことと、故障などのトラブル時に時間やお金がかかりやすいことです。
正規輸入車より信頼性が低い
正規輸入車は輸入元がはっきりしており、メーカー保証も充実しています。これに対して並行輸入車は、買い付け先の情報が分からなかったり、保証が限定されていたりと不安要素が多いです。
こうした信頼性の違いから、自動車保険によっては並行輸入車の加入を受け付けていない場合もあります。加入できたとしても、正規輸入車より割高であることが多いです。
輸送費や改造費が高いことも
並行輸入車の購入では、車両価格に加えて輸送費や、日本の安全基準に適合させるための改造費がかかります。そのため車両価格が安くても、最終的な購入費用が正規輸入車より高くなる可能性もあります。
メンテナンスに手間と費用がかかる
修理や部品交換が必要な場合、並行輸入車の部品を正規ディーラーが扱っていない可能性があります。そのため部品の到着に時間がかかったり、商品代が高価だったりします。
リセールバリューが低い
「任意の自動車保険に入りづらい」「メンテナンスにお金がかかる」といったデメリットから、並行輸入車のリセールバリューは低いことが多いです。特に日本であまり知られていない車種は、次の買い手が見つかりにくく、下取り・買取価格がつきにくいでしょう。
ただし希少性の高い車種やコアなファンがいる車種は、リセールバリューが高くなることもあります。
並行輸入車の入手方法
並行輸入車を手に入れたい場合、購入方法には①自分で買い付ける、②輸入車専門店（輸入代行）を利用する、③中古車販売店で並行輸入車を探すという3つの選択肢があります。
方法①自分で買い付ける
自分で買い付ける方法は、業者に中間マージンを取られる心配がなく、また自分で納得したクルマを選べるのがメリットです。ただし現地での買い付け、日本への輸送、車検を通すための改造や登録といった手間が多く、決して楽な方法ではありません。
方法②輸入車専門店（輸入代行）を利用する
並行輸入車の購入手段で最も多いのが、並行輸入車の販売店や輸入代行業者を利用する方法です。専門業者であれば改造や登録の手続きも代行してくれることが多いので、大きな手間もなく入手できます。
方法③中古車販売店で並行輸入車を探す
中古車は価格の安さと手間の少なさがメリットです。欲しい車種が決まっていれば、その車種の在庫がないかを中古車販売店で確認してみると良いでしょう。
ガリバーでも輸入車を多く取り扱っていますので、まずは気になっているクルマがないかを探してみてください。
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- Supervised by norico編集長 村田創
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中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい！」を感じてほしいと思っています！
