新卒、新社会人となり車の購入を検討する人に向けて車の予算と選び方、おすすめ車種について紹介します。無理のない範囲の予算で選べる車を厳選しましたので購入検討の参考にしてくれると嬉しいです。
新卒の車購入は予算に注意!
新卒者でも車の所有は可能です。ただし車は高い買い物であり、維持費もかかります。予算設定には気をつけましょう。
一般に、車の購入費の目安は「年収の半分程度」といわれます。またローンを組む場合、借入額の上限は「年収の30~40%程度」が多く、それ以上の金額は現金で払わなければいけません。
予算の具体的目安は90~120万円
令和3年の新卒者の平均月収は大卒で約23万円、高卒で約18万円。月収を約20万円とすると、年収240万円程度です。
車の予算を年収の半分で考えるなら120万円程度、ほぼ全額をローンで払いたいのであれば90万円程度を目安に考えましょう。
出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」
配属先や異動の有無を確認して購入を
配属先が都市部だったり、異動があったりすると、購入した車を早々に手放さなければいけないことも。車の購入前には通勤方法をはじめ、労働環境について就職先に確認することが重要です。
転勤などがある場合は、低価格の中古車を購入するか、定額で車を借りられるカーリースやサブスクの短期利用を検討しても良いでしょう。
車選びのポイント
新卒者が車を購入するときは、以下のようなポイントに気をつけてください。
運転しやすい車を選ぶ
新卒者は運転に慣れていない人も多いです。サイズを軽自動車やコンパクトカー程度にするなど、運転しやすい車を選びましょう。
また「事故を防ぐ」という観点で、安全装備の充実した車を選ぶのも一つ。安全装備は新しい車の方が充実しているため、新車や年式の新しい中古車を選ぶと安心です。
車両価格を抑える
冒頭で紹介した通り、新卒者の車の購入ではローンの返済や維持費を考慮し、車両価格を抑えることが非常に重要です。
新車の場合、120万円以下で購入できる車は一部の軽自動車のみ。中古車を視野に入れると選択肢が広がり、車両価格も抑えられます。「安い車は古くて壊れそう」と思う人も多いでしょうが、実は中古車で最も多い購入金額は50~100万円。多くの人が低価格の中古車を購入しています。
維持費の安い車を選ぶ
購入後は、以下のように多くの維持費を払わなければいけません。
- 税金(自動車税や自動車重量税)
- 車検代
- 自賠責保険料
- 任意保険料
- ガソリン代
- 駐車場代
- (ローンの返済費用)
維持費はローンを除いても月に数万円かかると考えましょう。 また一般に、維持費は新車時価格や車の大きさに比例して高額になります。そのため軽自動車やコンパクトカーサイズの車を選ぶと、維持費を抑えやすいです。
新卒者におすすめの新車5選
今回は予算100万円~150万円を目安に、おすすめの車種をご紹介します。
※新車時価格は2022年12月28日の各メーカー公式ページから、中古車相場はガリバーの「自動車カタログ」より引用
【軽自動車】スズキ「アルト」
- 新車時価格:94.4万円~
- 中古車相場:5万円~157.9万円
アルトは新車でも車両価格が100万円以下の数少ない車です。 2021年12月にモデルチェンジをしており、夜間の歩行者も検知できる自動ブレーキを全グレードで標準装備。マイルドハイブリッド搭載で燃費も良いです(FF、WLTCモードで27.7km/L)。乗り心地も良く、コストパフォーマンスに優れています。
【利用者口コミ】
ちっちゃくても速い。気軽に乗れる軽、走りも重視されているとおもう。(20代男性)
【軽自動車】スズキ「ラパン」
- 新車時価格:125.2万円~
- 中古車相場:5万円~172万円
外観・内装ともに愛らしい雰囲気で収納も充実しているラパン。色合いもトレンドのくすみカラーを取り入れており、オシャレな一台を選びたい人におすすめです。アルトと同じく夜間の歩行者まで検知する自動ブレーキを搭載しており、燃費も26.6㎞/L(FF、WLTCモード)と良いです。中古車でも人気があります。
【利用者口コミ】
アルトラパンのショコラシリーズ(カラーはカシスピンク)に3年ほど乗っています。外装だけでなく内装の可愛いさが自慢です。友人を乗せるときなど、「(シートの色やハンドルのデザインなど)可愛い~!」と絶賛されます。燃費がいい点もお気に入りです。(後略)(20代女性)
【軽自動車】ホンダ「N-WGN」
- 新車時価格:129.8万円~
- 中古車相場:12.8万円~174.8万円
N-WGNの魅力は広い車内空間と高い安全性。特に安全装備の高さは軽自動車の中でもトップクラスです。
ホンダの軽自動車といえばスーパーハイトワゴンの「N-BOX」が人気ですが、小さな子どもや高齢者を載せないならN-WGNで充分。むしろN-WGNのようなハイト系は燃費が良く、価格も安いのでオススメです。
【利用者口コミ】
外装は長く乗っても飽きのこないデザインだと思って選びました。ほどよく落ち着いていて良いです。(中略)内装はモノトーンだけでなく暖かみのあるカラーも選べて、落ち着いたリラックスできるインテリアです。車内も軽なのにわりとゆったり乗れるほど広々としたある程度の余裕を感じられます。(20代女性)
【軽自動車】ダイハツ「タフト」
- 新車時価格:135.3万円~
- 中古車相場:99.8万円~200.4万円
カッコいいSUV系の車が欲しいならタフトがオススメ。アルトやラパンは型落ちしたモデルが安く売られていますが、タフトは2020年発売の車種で、まだ中古車相場が高いです。
軽自動車では他に例がないガラスルーフ「スカイフィールトップ」を全グレードに標準装備。頭上の解放感は、タフトならではの魅力です。
【専門家レビュー】
新型タフトのインテリアデザインは、上質さや使いやすさを追求している。(中略)そんなインテリアに、爽快な開放感をプラスする装備がスカイフィールトップだ。運転席上部の屋根をガラスにした。なんと、全車に標準装備という設定。ハスラーとの差別化する意味で、重要な装備のひとつだ。
【コンパクトカー】スズキ「スイフト」
- 新車時価格:138.8万円~
- 中古車相場:5万円~218.6万円
軽自動車レベルの価格で販売されているコンパクトカーがスイフト。スポーティな外観と内装、そして見た目通り、走りへのこだわりが感じられる車です。2023年にモデルチェンジを控えているので、モデルチェンジ前なら値引き交渉を、またモデルチェンジ後なら型落ちモデルを中古で購入しても良いでしょう。
【利用者口コミ】
前に乗っていた車をそろそろ変えたくなり、2年前にスイフトを中古で購入いたしました。車体がコンパクトで、街中でも走りやすいです。小回りもかなり利きます。足回りが良く、コーナーも曲がりやすいです。(中略)とにかく見た目がスポーティで格好良いですね。車のデザインは大事だと思っているので、スイフトにして良かったです。(20代女性)
新卒者におすすめの中古車5選
中古車も視野に入れれば、人気の高いSUVや車中泊に便利なミニバンも手に入ります。
【軽自動車】スズキ「ハスラー」
- 新車時価格:136.5万円~
- 中古車相場:11.9万円~202.4万円
ハスラーは長年にわたって人気の車。その特徴的な外観は型落ちしたモデルでも遜色なく、カッコ可愛いデザインを楽しめます。「デザインは現行の2代目より初代が好き」という人も意外と多いです。
※2020年1月にフルモデルチェンジで現行モデルは2代目。
中古で購入するなら2016年のマイナーチェンジ以降のモデルがおすすめ。安全性能、走行性能、燃費性能と大きく改善されています。
【利用者口コミ】
ハスラ―は、小回りがきくため細道の運転がしやすいです。ハンドルの効き具合も良いため、スムーズに運転することができます。(中略)長時間のドライブをしていても疲れることはありませんでした。フロントガラスやサイドガラスも広いため、運転が苦手な人でも安心して運転することができます。(20代男性)
【コンパクトカー】日産「ノート」
- 新車時価格:222.1万円~
- 中古車相場:5万円~320.7万円
ノートは現在全車種で日産独自のハイブリッド技術e-POWERを搭載し、新車価格は200万円を超えます。これに対して中古車であれば、型落ちした2代目の2018年式e-POWER搭載モデルが100万円前後で販売されています。走行性もライバルのトヨタ「アクア」やホンダ「フィット」よりパワフルです。
ノートは2020年12月に3代目ノートが発売されました。中古車で2代目ノートを購入する場合は2016年式以降から探すのがおすすめです。
【利用者口コミ】
低燃費で街中を走ることを意識して作られているだけあって、毎日のように買い物のために使っていて燃費の安さを実感しています。(中略)走り始めた直後のトルクの静粛性にも満足しており、揺れが激しい車が苦手な自分に合っていますし、エコスーパーチャージャーは悪路でもパワフルな走りを見せてくれます。(20代男性)
【コンパクトカー】マツダ「デミオ」
- 新車時価格:150.9万円~
- 中古車相場:83万円~234.2万円
2019年以降に「MAZDA2」へと名称を変更しているデミオ。走行性にこだわって造られた車で、ドライブ好きにおすすめです。
特におすすめなのはディーゼルエンジンモデル。このサイズの車でディーゼルエンジンを採用している例は他になく、燃費や走行性に優れています。また2018年以降のモデルは安全性能も充実しています。
【専門家レビュー】
マツダ2の大きな特徴は、クラス唯一の1.5Lディーゼルエンジンを搭載していること。最大トルクは250Nmと大きく、とても力強い走りが可能。250Nmというトルクは、自然吸気2.5Lガソリンエンジン相当だ。そのため、マツダ2のディーゼル車は、高速道路などでも余裕ある走りができ、ロングツーリングも得意だ。
【SUV】マツダ「CX-3」
- 新車時価格:192.5万円~
- 中古車相場:69.8万円~317.9万円
コンパクトSUVのCX-3。マツダ車の魅力は上品な外観と安さ、ドライブ好きでも満足できる走り心地です。車高も1,550㎜に抑えてあり、都市部に多い立体式駐車場にも対応できます。ディーゼルエンジンやMT車があるのもマツダ車ならでは。価格は2015~2016年式で110万円程度です。
なお運転に自信がある人の場合、中古なら予算100万円で日産「エクストレイル」といったミドルサイズSUVも視野に入ります。
【利用者口コミ】
革新的なデザインに魅力を感じて購入を決めました。想像以上に加速が鋭く、本線に合流していくときも楽々です。トランクルームは思いのほか広々としており、たっぷりと積載できる点もいいですね。室内は豪華で安っぽい感じがなく、このクラスにしては相当にハイクオリティと言えそうです。(20代男性)
【ミニバン】トヨタ「シエンタ」
- 新車時価格:195万円~
- 中古車相場:5万円~388万円
ミニバンだと運転が不安だけど、大人数で出かけたい人や車中泊をしたい人なら、コンパクトミニバンのシエンタもおすすめです。シエンタは2022年にモデルチェンジをしたばかりで、型落ちした2代目が多く出回っています。ミニバンではありますが、5ナンバーのコンパクトカーサイズで、2列シート5人乗りと3列シート7人乗りを選べます。
【利用者口コミ】
シエンタは、安定感抜群の走行性能が魅力です。ハンドルの効き具合と揺れが少ない安定性のため、高速道路や一般道路どちらの運転でも最適な車だと感じます。また、走行している時のエンジン音もうるさくなく、キレイな重低音になっているので気分良く運転することができます。車内空間も広々としており、運転席のポケットも広く小物を入れやすいです。(20代男性)
新卒者の車購入Q&A
Q. 新卒者でもローンは組める?
A.新卒者でもローンを組めます。ただしローン会社によっては年齢制限を設けている場合があり、また審査を通過しなければお金を借りられません。 ローンの種類によっても審査の通りやすさが異なり、返済方法も様々です。事前にどんなローンがあるかをよく調べましょう。
<関連記事>ローンの審査通過の条件とポイントは?|中古車のガリバー
Q. 少しでも安く車を買う方法は?
A.とにかく安く購入したいのであれば、知人から車を譲り受けたり、年式の古い中古車を買ったりする方法があります。
また新車や状態の良い中古車を購入する場合でも、値下げ交渉のしやすい時期や、値下げするためのポイントがあります。詳しくは以下の記事で確認してみてください。
Q. 定額制で車を借りるのはお得?
A.定額で車を借りられるサービスとしてカーリースやサブスクがあります。「月々2万円」「月々1万円台」と謳ったサービスで興味を持つ方もいらっしゃるでしょう。
これらは維持費の計算をしやすいのがメリットですが、月の支払いを抑えようとすると契約期間が9年以上と長期になりがちです。
「新車を長く乗り続けたい」人には一考のサービスですが、走行距離に限りがあり、小さな傷をつけた場合も修理に出さなければいけないことが多いのでプラン選びは注意が必要です。
Q. 新車と中古車ならどっちがおすすめ?
A.新車と中古車にはそれぞれのメリット、デメリットがあり、「どちらがいい」とは一概に言えません。
新車は高い安全装備を備えていることが多く、「誰も使っていない」という点で愛着も湧きやすいです。一方、中古車なら車両価格を抑えられ、車種の選択肢も広がります。「購入予算が限られている」「いろんな車に乗ってみたい」といった場合は中古車がおすすめです。
<関連記事>新車と中古車、どっちがお得?専門家が徹底解説|中古車のガリバー
Q. 状態の良い中古車を買うポイントは?
A.状態の良い車を買うためには、自分の目で外観や内装をしっかりチェックし、整備の状況も確認してください。年式と走行距離のバランスは「1年あたり1,000㎞程度」を目安にしましょう。
なお中古車の場合、車両登録は既に済ませているものの、個人が運航などに用いていない「登録済み未使用車」もあります。登録をしてあるので中古車扱いですが、走行距離が非常に短く、車の状態も良いです。
<関連記事>登録済み未使用車って?メリット、デメリットは?|中古車のガリバー
迷ったら販売店で相談を
どの車を買うか迷った場合は、販売店で相談してみましょう。ざっくりとした希望を伝えるだけでも、希望に合った車を紹介してくれる可能性が高いです。
新車で買うと決めている場合はディーラーでも構いませんが、中古車も検討している場合は中古車販売店で相談してみましょう。大手の販売店なら、メーカー横断で車種を比較しながら車選びを手伝ってくれます。
- Supervised by norico編集長 村田創
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中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!