車の寿命は何年、何km?年数と走行距離の目安、寿命のサイン

車の寿命は何年、何km?年数と走行距離の目安、寿命のサイン

車の寿命は何年、何万km?

車の寿命に明確な定義はありませんが、一般には新規登録後13~15年、走行距離15万km以上が一つの目安とされています。

以前はタイミングベルトなど、車の重要部品の寿命である「10年/10万km」が車の寿命とされていました。しかし現在の車は丈夫です。きちんとメンテナンスしていれば、もっと長く乗れます。

年数なら13~15年が目安

乗用車の最新の平均使用年数(新規登録から廃車までの期間)を見ると、以下のように13年~16年近く乗られている車が多いです。

  • 乗用車(軽自動車以外)…13.42年
  • 乗用軽自動車…15.82年

この結果から、現在の車は少なくとも13~15年ほど乗れると分かります。一方で、乗りつぶす人でも上記のような年数で買い替えることが多いと言えます。

※参考:自動車検査登録情報協会及び軽自動車検査協会の「平均使用年数」情報

走行距離なら15万km以上が目安

走行距離での寿命は、かつてはタイミングベルトの寿命である「10万km」が目安とされていました。しかし現在は10~15万km、或いは15万km以上と考えられています。

タイミングベルトの寿命目安は確かに走行距離10万kmですが、エンジン本体の寿命はもっと長いです。そのため、タイミングベルトの交換等を行えば15万km以上乗れます。

Q. 20年 / 20万km以上でも乗れる?

現在の車は、きちんとメンテナンスすれば20年 / 20万km以上乗れます。海外では20年落ち以上の車が多く走っていますし、日本でもタクシーは廃車までに50万km以上走っていることが多いです。

ただし20年 / 20万km以上では売値がつかず、税金の重課や燃費の悪化、修理・交換費用の高額化などコストがかかります。費用に加えて安全性や快適性も考慮し、どれだけ乗るかを決めましょう。

車の寿命のサイン4つ

寿命で廃車になった車のイメージ図

ここでは、年数と走行距離以外で車の寿命のサインとなる状況を4つご紹介します。

サイン①維持費が高くなってきた

年数や走行距離が重なれば部品の劣化が生じ、故障や交換が必要になります。また、燃費も徐々に悪くなり、燃料代もかかります。

車の劣化に加えて、低年式車では自動車税や自動車重量税の重課も発生します。たとえばガソリン車(普通車)の場合、13年を経過するタイミングで自動車税は約15%、自動車重量税は約40%重課されます。

サイン②故障の回数が増えた

1年以内に複数回故障が生じるなら、これは車全体が傷んでいる状況と考えられます。

年数や走行距離が長くなった場合だけでなく、たとえば塩害を受けた車も故障が多く、早く寿命を迎えやすいです。

サイン③重要部品が故障した

以下のような事例では、修理費用が20万円以上など高額な傾向があります。

修理・交換箇所 高額となりやすい事例
エアコン コンプレッサー、コンデンサなど複数箇所の同時交換
トランスミッション ATやCVT本体のアッセンブリー載せ替え
エンジン本体 エンジンのヘッドが歪んでいる、エンジン内部でのオイル過剰消費など
駆動用バッテリー
※ハイブリッド車
バッテリー交換

特に、トランスミッションとエンジンの交換は高額です。そのため、これらの部品が故障したときは車の寿命と考えて良いでしょう。
また、上記以外の部品でも、複数の修理・交換が重なって数十万円の整備費用が必要となるケースもあります。

予算を決めて決断を
ある程度寿命が近づいたら「修理・交換費用がこの金額以上なら買い替える」と予め上限予算を決めておくと良いです。たとえば「車両価格を使用年数で割った金額まで」と考えるのも一つ。240万円の車を12年乗っているなら修理費用の上限は20万円、といった具合です。

サイン④生産終了から10年が経過した

メーカーは、モデルの生産終了(モデルチェンジも含む)から10年間、使用部品の保管が義務付けられています。これは、生産終了後も一定期間は消費者に部品を提供できるようにするためです。

しかし生産終了から10年が経過すると、その義務はなくなります。故障時に純正部品が手に入らなくなる可能性があるこのタイミングも、寿命の一つといえます。

Q. ハイブリッド車の寿命は?

ハイブリッド車の場合は、駆動用バッテリーの寿命が一つのポイントとなります。駆動用バッテリーの寿命は一般に5~8年、走行距離なら約10万kmが目安です。完全に交換する場合は数十万円かかります。

ただし実際は、上記の目安よりバッテリーが長持ちすることも多いです。また、バッテリーを交換し、より長く乗るのも一つの選択です。

買い替えを検討すべきタイミング4つ

ここからは、車の買い替えを検討すべきタイミングを4つご紹介します。特に車の下取り・買取で少しでも値を付けたいなら、以下のタイミングを重視してください。

①新車登録から5年 / 7年を迎える時

5年目と7年目は車検が切れるタイミングです。「車検費用を払ってでも乗るか」を考えましょう。

年数 ポイント
5年目
  • 車検に、加え、メーカーの特別保証が切れる
  • 車両の劣化は目立たないことが多く、新車価格の50%ほどの価格で売れる可能性がある
7年目
  • 車両の寿命目安の期間が半分ほど経過している状態
  • 劣化が目立ち始め、車両価値がある程度落ちる
  • 査定額は、新車価格の20~30%に留まることが多い

②税金の重課が起こる前

先にご紹介した通り、車は新規登録から一定の年数を経ると自動車税や自動車重量税の重課が起こります。ガソリン車なら、どちらも13年で重課が起こるため、このタイミングで車を買い替える人は少なくありません。

13年ともなると、車自体には殆ど価値がありません。しかし車の廃車にもお金はかかり、この時に査定に出せば、廃車費用が浮く可能性もあります。

③走行距離が大台に乗る前

軽自動車では8万km、普通車では10万kmが「大きな不具合なく乗れる距離」の目安とされています。適度な売値を付けたいなら、この大台に乗る前が望ましいです。

また「6万km」「8万km」などキリの良い数字より少し早めに売却することもポイントです。たとえ同じ6万km前後でも、5.9万kmと6.1万kmでは消費者からの印象が異なります。このちょっとした数値の差が、思わぬ査定額の差となることも少なくありません。

④リセールバリューが大幅下落する前

年数や走行距離の経過以外でリセールバリューが大きく低下するのは、たとえば以下のようなタイミングです。

  • 愛車の車種のモデルチェンジや生産終了
  • ライバル車種の登場やモデルチェンジ
  • リコールの対象になるなど信頼性の低下に至る事象

「間もなく新型車が登場する」などの情報を入手している場合は、早めに査定に出して愛車の価値を確認しましょう。

愛車の寿命を伸ばすポイント4つ

車は乗り方や扱い方次第で寿命を伸ばせます。ここでは基本となる4つのポイントをご紹介します。

①定期的に点検・交換作業を受ける

車に長く乗るなら、定期的な部品の点検・交換が大原則です。寿命を延ばす上で特に重要な項目と交換の目安は、以下の通りです。

項目 交換の目安
バッテリー 2~3年に1回
エンジンオイル 半年~1年に1回
エンジンオイルフィルター エンジンオイル交換の2回に1回
ブレーキオイル 1〜2年に1回または走行距離2万kmごと
ラジエーター液(冷却水) 車検ごと(2年に1回)
タイヤ 4年に1回または溝が1.6mm以下の状態
タイミングベルト 走行距離10万km

②定期的な洗車で車両状態を確認

洗車をすれば、小さな異変に気付くきっかけとなります。異臭の有無やタイヤの摩耗・空気圧の状態などを確認しましょう。また、洗車後にライトの点滅やワイパーの稼働具合をチェックするのもおすすめです。

頻度は月に1回程度、花粉や黄砂が飛散する時期には週1回から隔週で行うのが理想です。

③定期的に走らせる

車を適度に動かさなければ、バッテリーやオイルの劣化を招きます。また、エンジン内の金属にオイルが付着していない状態では、エンジンの劣化も早まります。

平日に車を動かさない場合も、休日にドライブへ出かけるなどして適度に車を動かしましょう。なお、短距離での「チョイ乗り」も車を傷める原因になるため、動かすときは10km以上走行するのが理想です。

④「急」のつく運転をしない

急ブレーキや急発進、急加速、急ハンドルは車体に大きな負担を与え、車の寿命を縮めます。足回りの摩耗やステアリング系統の劣化などを避けるため、滑らかなハンドリングと緩やかな発進・停車を心がけましょう。

寿命の少し前から買い替え準備を

車は、丁寧に扱えば20年 / 20万km以上乗れます。しかし古くなるほどコストがかかり、安全性や快適性も損なうので乗りつぶすかよく検討しましょう。

「車を少しでも高く売りたい」「スムーズに買い換えたい」という場合は、愛車が少し古くなってきた段階から査定を受け、事前準備をするのがおすすめです。

Supervised by norico編集長 村田創

norico編集長_村田創

中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!