ここでは、トヨタの新型クラウン4車種の画像とともに、それぞれの特徴をご紹介。違いを分かりやすく解説します。
トヨタ新型クラウン4車種一覧
クロスオーバー | スポーツ | セダン | エステート | |
---|---|---|---|---|
ボディタイプ | SUV | SUV | セダン | SUV |
パワーユニット | ハイブリッド | ハイブリッド、PHEV | ハイブリッド、FCV | ハイブリッド、PHEV |
新車時価格 | 515万円~680万円 | 520万円~770万円 | 730万円~850万円 | 635万円~810万円 |
WLTC燃費 | 15.7~22.4km/L | 20.3~21.3km/L | 18.0km/L | 20.0~20.3km/L |
サイズ | 全長:4930mm 全幅:1840mm 全高:1540mm |
全長:4720mm 全幅:1880mm 全高:1565-1570mm |
全長:5030mm 全幅:1890mm 全高:1475mm |
全長:4930mm 全幅:1880mm 全高:1625mm |
最小回転半径 | 5.4m | 5.4m | 5.7-5.9m | 5.5m |
駆動方式 | 4WDのみ | 4WDのみ | 2WDのみ | 4WDのみ |
荷室容量 | 450L | 397L | 400-450L | 570L |
※2025年8月4日時点のトヨタ公式HPを参考に記載。サイズや荷室容量は装備等の諸条件により上記と若干異なる場合があります。なお、クラウンセダンの正式名称は「クラウン」です。
16代目のトヨタ新型クラウンには、上記のように4種類のモデルが存在します。このうち3種類はSUVですが、それぞれ異なる個性を有しています。
①クラウン クロスオーバー
- 新車時価格:515万円~680万円
- WLTC燃費:15.7~22.4km/L
- サイズ:全長4930mm×全幅1840mm×全高1540mm
- 発売年月:2022年9月
新型クラウンシリーズで最初に登場したクロスオーバー。セダンとSUVの融合型モデルです。
駆動方式は全車4WD、パワーユニットは2.5Lハイブリッドと2.4Lハイブリッドターボの2種類。2024年に一部改良を実施し、グレードはRS/Z/Gの3展開です。
デザイン(内外装)
外観は、スタイリッシュなクーペ風スタイルと力強さを感じさせるリフトアップスタイルを組み合わせたデザイン。上位グレードでは21インチの大径タイヤを採用し、SUVらしさを打ち出しています。
また、左右一直線につながるヘッドランプ・テールレンズ、面の抑揚で質感を表現したサイドビューなどで、シンプルながらも雄大な印象を与える一台です。
インテリアには「アイランドアーキテクチャー」という考え方を採用。水平基調でスッキリとしたデザインです。また、運転席と助手席でも印象を変えています。
後席も身体を包み込むようなシートに落ち着きあるデザインで、乗客がゆったり座れます。
走行性能と乗り心地
クラウンクロスオーバーには2種類のエンジンが用意されており、RSグレードの直4 2.4Lターボエンジンはシステム最高出力が349psと非常にパワフルです。他のグレードも含め、力強くも安定性の高い、上質な走りを見せます。
乗り心地は全体的にソフトで、特に後席の快適性は抜群。全車ハイブリッド車なので、静粛性も非常に高く、まさに上質感に浸れる一台といえます。後席はオプションでシートヒーターを装備することが可能です。
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②クラウン スポーツ
- 新車時価格:520万円~770万円
- WLTC燃費:20.3~21.3km/L
- サイズ:全長4720mm×全幅1880mm×全高1565-1570mm
- 発売年月:2023年10月
新型クラウンシリーズの中でも一番人気といわれるクラウンスポーツ。その名の通りスポーティでスタイリッシュなデザインをしており、力強い走りとキレのあるハンドリングも評価が高いです。
PHEVとハイブリッド車の選択肢があり、ともに4WDのみの設定です。WLTC燃費はハイブリッド車で21.3km/Lで、非常に優れています。
デザイン(内外装)
クラウンスポーツは、最近のSUVトレンドとは一線を画するデザインの車です。ハンマーヘッドフェイスをベースに、レンズ幅を薄くしたデイランプを黒色部内に集約。グリルも小さめで、SUVというよりスポーツカーのようなデザインといえます。
後ろから見るとリアフェンダーが大きく張り出しており、力強く筋肉質な印象です。
インテリアはクラウンクロスオーバーと近いデザインで、アイランドアーキテクチャーを採用。運転席と助手席でアシンメトリーのコーディネートを施し、水平基調のインパネデザインからは空間のゆとりを感じられます。
走行性能と乗り心地
クラウンスポーツには2.5L PHEVと2.5Lハイブリッド車がありますが、売れ筋はハイブリッド車です。高級車らしく、静粛性が高いながらもスポーティで力強い加速を見せます。また、ハンドリング性能が秀逸で運転手の意のままに動き、大きさに反して動きが軽快です。
乗り心地は、スポーティなSUVながら硬すぎないよう工夫されています。低速域では多少振動を感じますが、速度が上がればあまり気になりません。
③クラウン(セダン)
- 新車時価格:730万円~850万円
- WLTC燃費:18.0km/L
- サイズ:全長5030mm×全幅1890mm×全高1475mm
- 発売年月:2023年11月
他の3車種と区別するために「クラウンセダン」と書かれることが多いこのモデル。しかし、正式名称は「クラウン」です。クラウンは15代目までセダンのみの展開であり、このモデルこそが王道の後継者ということなのでしょう。
2.5Lハイブリッド車とFCV(燃料電池車)の2種類のみが存在します(ともに2WD)。
デザイン(内外装)
過去15代にわたり、国内線用車として開発されていたクラウン。しかし、新型のクラウン(セダン)は初のグローバルモデルとなり、全長5030mmと大型化しました。
見た目も上品さが際立つデザインから力強さを感じるものへと変化。ハンマーヘッドに大型の大径グリルを組み合わせ、存在感があります。
内装は、他の新型クラウンシリーズと同様に水平基調のスッキリしたデザインです。また、シフトノブ周りは多様な素材が組み合わされており、高級セダンらしい豪華さも感じられます。
インパネ左右や前席の足元、リアドアトリム近辺には、LED照明が装備されています。行燈のような柔らかい灯りで高級感があり、色の展開も64色と豊富です。
走行性能と乗り心地
ハイブリッド車では、新開発の2.5Lマルチステージハイブリッドをトヨタ車で初搭載しました。低車速から最大パワーを使用することが可能となり、力強い走りを実現しています。システム最高出力は245psです。
乗り心地は「これぞクラウン」という印象で、非常にしっとりしています。一方で、高速道路のカーブではフラットな姿勢を維持し、意外なほどスポーティな走りを見せます。
④クラウン エステート
- 新車時価格:635万円~810万円
- WLTC燃費:20.0~20.3km/L
- サイズ:全長4930mm×全幅1880mm×全高1625mm
- 発売年月:2025年3月
新型クラウンシリーズの最後に登場したのが、ワゴンとSUVを融合させたエステートです。クラウンの上質さを備えながら、アウトドアユースにも向いています。
モデル展開は2.5L PHEVと2.5Lハイブリッド車の2つ。ともに4WD車です。
デザイン(内外装)
外観は、他の新型クラウンシリーズと同様にハンマーヘッドに横一文字のヘッドランプ・テールレンズを採用。他の3車種と比べて全高は高く、のびやかながらもダイナミックなデザインです。
また、上から下にメッシュパターンが変化していくバンパー一体型フロントグリルも特徴的といえます。
内装は、こちらも他の3車種と同様にアイランドアーキテクチャーを採用。水平基調のインパネも共通しています。
クラウンエステートの特徴として特筆すべきなのがアウトドアとの親和性。「大人のアクティブキャビン」をキャッチコピーとしている車であり、アウトドアで役立つ装備を多く備えています。また、後席を倒せば奥行き約2mのフルフラット空間が出現します。
走行性能と乗り心地
クラウンエステートにはPHEVとハイブリッド車があり、ハイブリッド車のシステム最高出力は243psとパワフルです。軽快ながらもしなやかに走ります。
乗り心地はソフトで安定感があります。クラウンエステートは他の車種から得られた課題も踏まえて開発が進められたので、静粛性や乗り心地も熟成されています。
クラウンシリーズに関するQ&A
Q. 新型クラウンはいつ発売された?
新型クラウンシリーズは車種によって発売時期が以下のように異なります。
- クラウンクロスオーバー:2022年9月
- クラウンスポーツ:2023年10月
- クラウン(セダン):2023年11月
- クラウンエステート:2025年3月
Q. なぜクラウンは4種類になった?
クラウンが4車種の展開となったのは、顧客の幅広いニーズに応えるためでした。
元々は豊田章男社長(当時)の「クラウンの新時代をつくる」という希望でSUVとの融合モデル「クラウンクロスオーバー」が考案されました。その後、豊田社長から他のモデルの開発についても提案があったようです。そして、最終的に開発チームで「顧客の幅広いニーズに応えよう」と4車種の開発に至りました。
Q. クラウンシリーズで人気なのは?
新型クラウンシリーズで現在最も人気なのは、クラウンスポーツといわれています。しかし、2025年3月にクラウンエステートが発売され、今後はクラウンエステートも人気が出ると考えられています。
15代目クラウンは今が買い時か
16代目のクラウンが出そろった今、型落ちとなった15代目クラウンは中古車価格が下がっています。高級セダンとして豪華な装備と高い走行性能を備えた車なので、「少し贅沢をしたい」という人にはピッタリでしょう。
また、新型クラウンに関しては、中古でも登録済み未使用車などが登場しています。ぜひ一度中古車の在庫をチェックしてみてください。