ワゴンRは、軽自動車の中でも優れた燃費性能を誇る車です。ここではカタログ燃費と実燃費、ライバルとの燃費差、さらに「燃費が悪い」と検索される理由について解説します。
※車両情報は2024年11月20日時点のガリバー「車カタログ」より引用
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ワゴンRのカタログ燃費と実燃費
ワゴンRには、標準車と迫力系のカスタムZ、さらに上質感あるスティングレーの3つのモデルが存在します。このうち、標準モデルのFXグレード以外は全てマイルドハイブリッドシステム搭載です。
全体的に、ワゴンRの燃費性能は非常に優れています。
カタログ燃費は20.9~25.2km/L
種類・グレード | 駆動方式 | WLTC燃費 | 新車価格 ※参考 |
|
---|---|---|---|---|
標準モデル | FX(CVT) | 2WD | 24.4km/L | 129.7万円 |
4WD | 23.2km/L | 142万円 | ||
FX(MT) | 2WD | 24.8km/L | 129.5万円 | |
4WD | 23.0km/L | 141.8万円 | ||
HYBRID FX-S (CVT) |
2WD | 25.2km/L | 146.3万円 | |
4WD | 24.2km/L | 158.6万円 | ||
カスタムZ | HYBRID ZX (CVT) |
2WD | 25.2km/L | 155.1万円 |
4WD | 24.2km/L | 167.4万円 | ||
HYBRID ZT (CVT) |
2WD | 22.5km/L | 171万円 | |
4WD | 20.9km/L | 183.4万円 | ||
スティングレー | HYBRID T (CVT) |
2WD | 22.5km/L | 176.6万円 |
4WD | 20.9km/L | 188.9万円 |
上記はワゴンRのカタログ燃費一覧です。
ワゴンRのカタログ燃費はモデルによって多少バラつきがありますが、軽ハイトワゴンの中でトップの低燃費です。
なお、カスタムZのHYBRID ZTとスティングレー(HYBRID T)にはターボエンジンが搭載されています。そのため、他のモデルより燃費が悪いです。
ワゴンRの実燃費は19~23km/L程度か
実燃費は、道路状況や電装品使用などからカタログ燃費より数値が下がります。
実燃費が概ねカタログ燃費の8~9割の数値と考えた場合、推定値は以下の通りです。
- FX(CVT、2WD)…約19~22km/L
- HYVRID FX-S(2WD)…約20~23km/L
ただし、ワゴンRの場合は郊外を走る人が多いのか「カタログ燃費と大差ない」という声が多いです。2WD車やMT車では23~25km/L程度といった意見もあります。
【ワゴンRの利用者口コミ】
カラーはブルーを購入。オシャレでアクティブな印象が醸し出されていて、若い世代にも支持されるんじゃないでしょうか。燃費も25前後を維持しており、大満足です。(後略)(30代男性)
ワゴンRの口コミをもっと読む|中古車のガリバー
Q. 1000km走行時のガソリン代目安は?
たとえば標準モデルのHYVRID FX-S(2WD車、WLTC燃費25.2km/L)で1,000km走行する場合、レギュラーガソリン価格を174円/Lとすると、燃料代は約6,700円です。
以下のページでは、他のモデルについてもガソリン代目安をご紹介しています。
Q. ワゴンRハイブリッド車の燃費は悪いって本当?
ワゴンRのマイルドハイブリッド車は、同じサイズ感のライバル車種と比べて群を抜いて燃費性能が優れています。他方で、ワゴンRの純ガソリン車との燃費は殆ど変わりません。
マイルドハイブリッド車の性能自体が悪い訳ではありませんが、同じワゴンRの中で燃費を比較すると、その効果は限定的です。
ワゴンRとライバル車の燃費を比較
車種・グレード | WLTC燃費 | 新車価格 ※参考 |
---|---|---|
スズキ「ワゴンR」 (HYBRID FX-S / 2WD) |
25.2km/L | 146.3万円 |
スズキ「アルト」 (HYBRID S / 2WD) |
27.7km/L | 121.9万円 |
ダイハツ「ムーヴ」 (X SAⅢ / 2WD) |
20.7km/L | 129.8万円 ※生産終了 |
日産「デイズ」 (ハイウェイスターX / 2WD) |
23.3km/L | 169.8万円 |
ホンダ「N-WGN」 (L / 2WD) |
23.2km/L | 144.8万円 |
※それぞれ最も燃費が良く、且つワゴンR HYBRID FX-Sと同程度のグレードのモデルを抽出
ワゴンR以上にコンパクトなロール―フ系の軽自動車「アルト」と比べると、燃費はさすがに劣ります。
しかし、同じ軽ハイトワゴンのムーヴやデイズ、N-WGNと比較すると、ワゴンRの燃費性能は優れています。
ライバル①スズキ「アルト」
【HYBRID S(2WD)の場合】
- 新車価格:121.9万円
- WLTC燃費:27.7km/L
車両価格の安さと燃費の良さで群を抜いているのが、同じスズキから販売されているアルトです。コスト面だけを考えるなら、アルトを選択した方が良いでしょう。
ただし、アルトは全高が低く、車内が狭いです。背が高い人や、大人3~4人で移動する場合にはお勧めしません。
ライバル②ダイハツ「ムーヴ」
【X SAⅢ(2WD)の場合】
- 新車価格:129.8万円(生産終了)
- WLTC燃費:20.7km/L
ワゴンRとともに軽ハイトワゴンのけん引役だったムーヴ。燃費を比べるとワゴンRの圧勝ですが、車両価格を見ると、ムーヴはさらに安価なモデルがありました(2024年11月現在は販売休止中)。
近距離移動が多く、燃費以上に車両価格の安さが重要であれば、ムーヴを中古で購入しても良いでしょう。
ライバル③日産「デイズ」
【ハイウェイスターX(2WD)の場合】
- 新車価格:169.8万円
- WLTC燃費:23.3km/L
デイズも独自のハイブリッドシステムを搭載していますが、ワゴンRの方が燃費がより低燃費で、車両価格も安いです。
ただし、デイズは様々な先進機能を搭載したモデルがあり、安全性能も優れています。高速道路の利用が多いなど、長距離での運転機会が多い人にはデイズがおすすめです。
ライバル④ホンダ「N-WGN」
【L(2WD)の場合】
- 新車価格:144.8万円
- WLTC燃費:23.2km/L
N-WGNも、燃費性能は決して悪くありません。デイズとほぼ同レベルです。また、N-WGNの場合はグレードによる安全装備の違いが殆どありません。
車両価格もワゴンRのHYBRID FX-Sと同程度なので、装備や見た目の違いも踏まえて検討すると良いでしょう。
Q. 先代ワゴンRの燃費は?
2017年2月に販売を終了した先代ワゴンR。最終モデルの最高燃費は33.0km/L(JC08燃費)でした。
そもそもWLTCモードと表記方法が違うので両者を比べにくいところですが、現行ワゴンRで最も燃費の良いHYBRID FX-SのJC08モードでの燃費は31.0km/L。そのため、多少計測条件などにズレがあったとしても、先代ワゴンRも充分に燃費が良いと考えられます。
ワゴンRの燃費が悪いといわれる理由
総じて燃費の良いワゴンRですが、「燃費が悪い」といった検索ワードも出てきます。ここでは、その理由について解説します。
理由①過去のモデルの話をされている
質問・相談系のサイトや口コミサイトでは、そもそも投稿日時が古かったり「低年式のワゴンRを買ったが燃費が悪い」といった相談があったりします。
年式によっては、現行モデルほど燃費性能が優れていない可能性があります。また、経年劣化によって燃費は少しずつ悪くなるものです。
理由②走行環境による影響
実燃費は走行環境によっても大きく変わります。たとえばストップ&ゴーの多い市街地では燃費が悪くなりやすく、高速走行も燃費が悪化します。また、夏場でエアコンを頻繁に使うようになれば、燃費は悪くなります。
理由③走り方や整備状況が良くない
実燃費は走り方や整備状況によっても変わります。たとえば急発進や急ブレーキなど「急操作」が続けば、燃費が悪くなります。また、タイヤの空気圧が下がっていても燃費は悪化します。
Q. ワゴンRの燃費を良くする方法は?
少しでも燃費良く走りたい場合は、以下の点を意識しましょう。
- 不要な荷物を下ろす
- 「急」のつく運転をしない
- アイドリングを控える
- エアコンの使用を最小限にする
- 小まめにメンテナンスする
なお、以下の記事では燃費悪化の原因が改善に向けてできることを詳しく解説しています。
【関連記事】車の燃費が悪くなった?原因や良くする方法を整備士が解説
ワゴンRの魅力
ワゴンRは、基本的にコストパフォーマンスが高い車です。コストに加えて使い勝手も踏まえるなら、ワゴンRを積極的に検討すると良いでしょう。
魅力①軽ハイトワゴンNo.1の低燃費
ここまででもご紹介しているようにワゴンRは軽ハイトワゴンの中でもトップの低燃費車です。車両価格もライバル車と比べて特別高い訳ではないので、コスト面を考えれば非常に優れた一台といえます。
魅力②軽ハイトワゴンNo.1の車内の広さ
実は、ワゴンRは軽ハイトワゴンの中でもトップの全長を誇ります(2024年11月時点)。「スーパーハイトワゴンほど広くなくて良い」「少し安くて、でも広い車が欲しい」という人に打ってつけです。
魅力③MT車も選択可能
ワゴンRには、今や新車販売では殆ど購入できないMT車の選択肢があります。MT車は、実はAT車(CVT車含む)より燃費性能が良く、さらに売却時のリセールバリューも高いのが一般的です。
MT車で操作感を味わいたい人は、ワゴンRが非常に良いパートナーとなるでしょう。
ワゴンRは中古も検討の余地あり
ワゴンRはコストパフォーマンスの高い一台です。新車購入も良いでしょうが、さらに費用を節約したいなら中古車も検討しましょう。長年人気があるからこそ中古車市場でも流通台数が多く、相場価格は高くありません。
中古で自分に合った一台がないか、ぜひ探してみてください。