車のガラスにできたウロコは、水垢と違ってとても頑固で簡単には取れません。
しかし、ウロコの発生は見映えや視認性にも影響を及ぼすことから、どうにかしてきれいでスッキリしたガラスを取り戻したいですよね。
この記事では現役の整備士がウロコの取り方や、おすすめのウロコ取りグッズを紹介します。
- 車のガラスにウロコができる原因
- 車のガラスにつくウロコの取り方
- 【補足】ウロコ取りは家庭にあるもので代用できる？
- 最強おすすめのウロコ取り対策グッズ3選
- ウロコ取りは業者に任せた方がいい？
- 整備士のまとめ
車のガラスにウロコができる原因
マメにきちんと洗車をしていれば影響は受けづらいですが、洗車をほとんどしなかったり洗車後に拭き取りを怠ると、ウロコが発生する原因となります。
車を普段使っているなかで、水道水に含まれるカルキ成分や、酸性雨に含まれる不純物が水分が蒸発した後も残ってしまうと、ガラスにイオンデポジットやウォータースポットができた状態になります。それを放置することで固着し、簡単に取れなくなることでウロコになります。
水道水のカルキ成分や雨はミネラルを含んでおり、ミネラルとガラスは共に無機質です。
無機質同士はくっつきやすいという特性があるので、ウロコは一度できてしまうとしつこく、簡単に取れなくなってしまうのです。
車のガラスにつくウロコの取り方
車のガラスについてしまったウロコの取り方はシンプルです。
まずガラスの汚れを綺麗に拭き取ります。このとき、油膜取りを事前にしておくとウロコ取りもやりやすいです。
その後ウロコ取り専用のクリーナーを使用してガラスを磨きます。専用のクリーナーを使うことがポイントで、取り扱い方法を誤らなければ初心者でもトライすることは可能です。
ウロコが取れたか確認するには、その度にガラスを拭いて水分が付着していない状態で見るのが、もっともガラスの状態を把握しやすいです。
また、余裕があればガラスの周囲（例：ガラスの下のワイパーアーム等がついている、カウルトップと呼ばれる樹脂パーツ部分など）をマスキングテープで養生できればベストでしょう。これは関係のない場所を誤って磨いてしまっても傷がつかないようにしたり、クリーナーの飛散からボディを保護するためです。
【補足】ウロコ取りは家庭にあるもので代用できる？
ウロコ取りで有効なものとして、クエン酸や重曹などが挙げられることがあります。家庭内の掃除のために常備しているという方もいらっしゃるでしょう。
油のような酸性のものに対して効果を発揮する重曹には研磨効果もあるので、車のガラスに付着したウロコの除去に代用できる可能性があります。
クエン酸はアルカリ性に有効です。水道水に含まれるカルキはアルカリ性ですが、クエン酸のみだと研磨効果がないので車のガラスのウロコ取りにはあまり向いていません。ウロコが発生して間もない、極めて軽症な状態だと取れる可能性はあります。
いずれにしても、とりあえず試してみるのは良いかもしれませんが過度な期待や無理はせずに、ここはやはり車のガラスのウロコ取り専用クリーナーを使用するのがベストでしょう。
また、メラニンスポンジを使えばウロコもよく取れそうなイメージがあるかもしれませんが、メラニンスポンジは絶対に使わないようにしてください。
メラニンスポンジの研磨力でガラスに傷がつく恐れがあるためです。
最強おすすめのウロコ取り対策グッズ3選
車のガラスについたウロコ取りグッズは、ネットやカー用品店、ホームセンターなどで簡単に購入できます。
そのなかから、おすすめのグッズを3つご紹介します。
これ1本で手軽にウロコ取り
グリップボトルタイプなので、ガラスを磨くためのスポンジやクロスを別途用意する必要がありません。（塗布後の拭き取るクロスは必要です）
手も汚れにくく手軽にウロコ取りにチャレンジできるのがポイントですが、ウロコ取りの実力も申し分ありません。
フロントガラス専用のウロコ取り
安心安全の日本製、中性洗剤を使用したフロントガラス専用のウロコ取りです。
容量は少ないですが、プロも使用している酸化セリウムと呼ばれる研磨剤が含まれており、気軽に本格的なウロコ取りを試すことができます。
サイドガラス専用のウロコ取り
ウロコを研磨剤を使って落とすのではなく、独自開発の「溶解浸透剤」によって、溶かして落とすウロコ取りです。
フロント・リヤガラスはワイパーによる目に見えない細かい傷があり、傷に浸透剤が入るとガラスが白っぽく濁ってしまうので、この商品はサイドガラス専用品なので注意が必要です。
発生初期のウロコであれば、塗るだけで簡単にウロコを落とすことができます。
ウロコ取りは業者に任せた方がいい？
市販で多くのウロコ取りクリーナーが販売されていますが、どんな商品にも「ウロコが取れない」「期待はずれ」という低評価レビューが散見されます。
一定のラインを超えたより頑固なウロコを、素人が市販品で除去することは困難です。決してこれらの商品が悪いわけではありません。
自分自身で試してウロコがどうしても取れないときは、整備工場やコーティング・洗車業者に相談して任せることをおすすめします。
業者にウロコ取りを依頼した場合の費用相場はフロントガラスで1万円前後、サイドガラス１枚あたり5,000円～が目安です。
整備士のまとめ
ウロコは一度ガラスについてしまうともたらされるデメリットが多く、簡単にきれいにすることも難しくなります。ウロコが付着した初期の頃であれば、市販品を使ってセルフでウロコ取りもできますが水垢とは違って磨く根気も必要です。確実にきれいにしたい場合は業者に相談するのがベストです。
また、まずはウロコの原因となる水垢などを放置しないことが大切です。
そのためには、こまめな洗車をしたりカーポートやガレージを活用して、ボディだけではなくガラスについた汚れを長時間・長期間放置しないようにしましょう。
car-topicsでは車のメンテナンス、ケアについて情報を発信しています。以下のような記事も参考にしてみてください。
【関連記事】ヘッドライト黄ばみを除去！整備士が教える磨き方、防止法
【関連記事】ガラスコーティングをした方がいい場合、おすすめ商品紹介
- Supervised by 整備士 ヒロ
-
保有資格：２級整備士。国産ディーラー整備士、輸入車ディーラー整備士の経験がある、現役の整備士。 整備士経験は10年以上で過去にはエンジニアとして全国規模のサービス技術大会に出場。 車の整備に関する情報をtwitterで発信している。
