レクサスLBXハイブリッド vs 中古80系ハリアーハイブリッド徹底比較!

レクサスLBXハイブリッド vs 中古80系ハリアーハイブリッド徹底比較!

レクサスLBXは、2023年11月に登場した。小さな高級車という価値を提供している車種だ。LBXの新車価格帯は、Bセグメント・コンパクトSUV・ハイブリッド車の場合460~486万円とかなり高価だ。この新車価格は、2クラスも上の中古車80系ハリアーハイブリッド手に入る価格帯。トヨタ80系ハリアーハイブリッドは、大人気ラグジュアリーSUVだ。

そこで、新車LBXと中古車80系ハリアーハイブリッドの燃費性能、価格、機能、デザインなどを徹底比較した。

レクサス LBXの特徴

LBXの車両画像

※上図:LBXの全景

レクサスLBX は2023年11月に登場した。レクサスブランドのエントリーモデルであり、2022年11月まで販売されていたレクサスCTよりもボディサイズが小さい。

レクサスLBXは、「ボディサイズが大きいほど高級で豪華になる」というこれまでの概念を変える次世代レクサスモデルだ。全長約4.2mのコンパクトボディで「クラスレスなコンパクト」という新しいラグジュアリーの価値を提供している。

 

レクサスLBXは、ヤリスクロスにも使用されているコンパクトカー向けのTNGAプラットフォーム(GA-B)をベースに、レクサス専用チューニングを施したプラットフォームを採用している。軽量かつ高剛性、低重心なボディ骨格の接合には短ピッチ打点技術や構造用接着材の採用部位を拡大し、操縦安定性や乗り心地、NV(ノイズ/バイブレーション)性能が向上している。

 

レクサスLBXハイブリッドに搭載されているパワートレインは、1.5L直列3気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムだ。ハイブリッドシステムの駆動用バッテリーには、高い電池出力のバイポーラ型ニッケル水素電池が用いられている。システム最高出力は136㎰だ。新開発したハイブリッドドランスアクスルを採用し、WLTCモードで26.2~27.7km/Lという優れた燃費性能と高い走行性能を両立している。高効率エンジンに新ギヤトレーンと高出力モーターを組み合わせた賜物だ。

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トヨタ 80系ハリアーハイブリッドの特徴

80系ハリアーハイブリッドの車両画像

※上図:80系ハリアーハイブリッドの全景

80系ハリアーハイブリッドは、2020年に販売開始したミドルサイズSUVだ。80系ハリアーハイブリッドの骨格であるプラットフォームにはTNGAプラットフォーム(GA-K)を採用。ボディの高剛性化・低重心化を実現し、ドライバーの感性を重視した乗り心地と走りを両立させている。

80系ハリアーハイブリッドに搭載されているのは、2.5Lハイブリッドシステムだ。システム最高出力はFF(前輪駆動)車が218㎰、E-four(4WD)車が222㎰と、なかなかパワフルである。

駆動方式は2WD(FF)の4WDの2種類。燃費性能はWLTCモードで2WD車が22.3km/L、4WD車は21.6km/Lと差が少ないのが特徴だ。

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燃費はLBXが優位だが、ハリアーハイブリッドも良い

1.燃費性能

LBXの評価は4.5

80系ハリアーハイブリッドの評価は4.0

 

レクサスLBXと80系ハリアーハイブリッドの燃費(WLTCモード)は下記の通り。

 

2WD

4WD

レクサスLBX 1.5Lエンジンパラレルハイブリッド

27.7km/L

26.2km/L

80系ハリアーハイブリッド 2.5Lエンジンハイブリッド

22.3km/L

21.6km/L

LBX、80系ハリアーハイブリッドともに、エンジンを横置きしたFF(前輪駆動)のレイアウトだ。LBXは1.5Lエンジンのハイブリッド。80系ハリアーハイブリッドは2.5Lエンジンのハイブリッドを搭載している。

 

同じハイブリッド同士で比較すると排気量が約1.0Lの差があるものの、燃費性能は約5km/Lの差と、意外と小さい。使用する燃料は全車レギュラーガソリンなので、単純に経済性ではLBXがリードしている。

 

車両重量を比較してみよう。

  • LBXハイブリッド車:1,310~1,390kg
  • 80系ハリアーハイブリッド:1,650~1,750kg

改めて、80系ハリアーハイブリッドの燃費性能は素晴らしい。300kg以上車両重量が重い上、エンジンの排気量が1.0Lも大きいにもかかわらず、燃費性能は20km/Lを超えているからだ。

LBXのエントリーグレードと80系ハリアーハイブリッドの最上級グレードが同価格帯

2.価格比較

LBXの評価は4.0

80系ハリアーハイブリッドの評価は4.5

※中古車相場は、2024年7月調べ

 

LBXのエントリーグレードと80系ハリアーハイブリッドの最上グレードの新車価格と中古車相場を比較したのが下記の表だ。

  • 【新車】レクサスLBX リラックス(FF):460万円
  • 【中古】80系ハリアーハイブリッドZレザーパッケージ(FF)2021年式:2WD 約370万円~410万円、4WD 約400万円~440万円

80系トヨタハリアーは、2020年に販売開始した現行モデルだ。

最も流通台数が多いのは、ハイブリッドZレザーパッケージ(FF)だ。本革シートを標準装備し、快適装備が充実した最上級グレードである。内装色は標準設定のブラックに加えて、ブラウンも用意。レザーパッケージでは、ステアリングヒーターや運転席&助手席に快適温熱シート+シートベンチレーションや、助手席にもパワーシート機能が標準装備となっている。

ディスプレイオーディオプラスが標準装備となり、12.3インチのディスプレイを装着。AC100V/1500Wのアクセサリーコンセントや調光パノラマルーフはオプションだ。

 

対するLBXはプレミアムブランドのレクサスゆえ、エントリーグレードのリラックスグレードでも、高級素材のセミアリニン本革シートを標準装備している。AC100V/1500Wのアクセサリーコンセントは、クールやリラックスではオプション設定となっている。

80系ハリアーハイブリッドの特徴の1つでもある調光パノラマルーフは、LBXには設定されておらず、ガラスサンルーフの設定もない。

また、80系ハリアーハイブリッドZグレードは、運転席、助手席ともに電動のパワーシートを採用しているが、LBXのパワーシートは運転席のみとなっている。この点は小さな高級車としては物足りない。

 

LBXの運転支援機能は、10の機能がパッケージ化されたレクサスセーフティプラスだ。プリクラッシュセーフティ(歩行者[昼夜]・自転車運転者[昼夜]・自動二輪車[昼]検知機能付き衝突回避支援タイプなどが搭載されている。

対する80系ハリアーハイブリッドの最新モデルは、プリクラッシュセーフティの検知対象が自転車運転者は昼のみで、自動二輪車が対象外など、LBXと比べるとやや性能差がある。

 

安全装備は年式が新しいほど機能も充実するので仕方ないが、登場から4年が経過している80系ハリアーハイブリッドでも、一定レベルにはある。助手席にもパワーシートを採用したり、調光パノラマルーフも搭載しているなど、おもてなしの装備が充実しているのは高評価ポイントだ。

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レクサスは基本値引きを「ゼロ」。値引きを期待してはいけない

3.購入時の値引き術

LBXの評価は 1.5

80系ハリアーハイブリッドの評価は 3.5

 

レクサス車は基本的に車両からの値引きが0円なので、下取り車の査定アップやディーラーオプションのサービスや値引きをリクエストしたい。下取り車がレクサス車であると、かなり高査定になるケースが多い。

 

80系トヨタハリアーハイブリッドは中古車での購入となるため、値引きは基本的に0円と考えたい。もし、大幅値引きしますというのであれば、相場よりかなり高額な車両か、車両そのものに何か秘密が隠されているなど、販売店の信用度を疑った方がよいだろう。

両車ともにクーペのようなスタイリッシュな外観デザインを採用

4.デザイン比較

LBXの評価は4.0

80系ハリアーハイブリッドの評価は4.0

ユニファイドスピンドルという新しいフロントマスクを採用

LBXのフロントフェイスの画像

※上図:LBXのフロントフェイス

LBXは、レクサスのアイコンでもあるスピンドルグリルの形状に頼らない表現に取り組んだ。カーボンニュートラル時代に求められる空力性能の向上に挑戦し、空力・操縦安定性に着目。新しいレクサスのフロントマスクであるユニファイドスピンドルを採用している。

 

さらに、LBXはボディサイズを超えた存在感を実現するため、18 インチの大径タイヤを採用した。低重心で安定感がありながら、ボディサイズにとらわれない存在感を感じさせるプロポーションだ。ショートオーバーハングでワイドなスタンスのボディと、コンパクトなキャビンの組み合わせにより実現した。

 

サイドは、安定感ある佇まいを目指し、水平基調のトルソーにキャビンが乗る明快な立体構成で表現している。また、大径タイヤを強調する大胆に張り出すフェンダー造形で走りを予感させるダイナミックさを強調している。

LBXのリヤエンドの画像

※上図:LBXのリヤエンド

リアは、ブランドのコンシスタンシーである「L シェイプ一文字シグネチャー」ランプを踏襲した。バックドア造形に呼応するように配された一文字グラフィックで独自性を表現。また、ターンシグナルランプやバックアップランプの存在感を抑えることで、赤色レンズ部の一文字を強調している。

流麗なルーフラインが特徴のクーペスタイルを採用

80系ハリアーハイブリッドのフロントフェイスの画像

※上図:80系ハリアーハイブリッドのフロントフェイス

80系ハリアーハイブリッドのフロントマスクは、フロントアッパーグリルからヘッドランプへと流れるような連続性により、精悍かつシャープな印象を際立たせた。二重のL字型に発光するデイタイムランニングランプは遠くからでも新型ハリアーとわかる個性と先進性を強調している。

80系ハリアーハイブリッドのリヤエンドの画像

※上図:80系ハリアーハイブリッドのリヤエンド

リアビューは絞り込まれたクーペキャビンと、スポーツカーのように左右に張り出したホイールハウスとの組み合わせにより、逞しさを演出。細く、鋭く、横一文字に光るテールランプによってワイド感と低重心さ、そして圧倒的な存在感を漂わせている。

 

LBXと80系ハリアーハイブリッドは、ともに流麗なルーフラインが特徴のクーペライクのスタイリングだ。どちらもかなり攻めたデザインで注目されている。斬新さではLBX。スタイリッシュさでは、80系ハリアーハイブリッドがおすすめだ。

ボディサイズが大きいため良好な使い勝手となるハリアー

5.室内空間と使い勝手

LBXの評価は3.5

80系ハリアーハイブリッドの評価は4.5

 

レクサスLBXと80系トヨタハリアーハイブリッドのボディサイズ・室内サイズ・荷室容量を比較した。

 

レクサスLBX

全長×全幅×全高

4,190mm×1,825mm×1,545mm

ホイールベース

2,580mm

室内長×室内幅×室内高

1,820mm×1,445mm×1,195mm

荷室容量

330L+2L

(荷室容量:2WD車・後席利用時、2段デッキボード未使用時)

 

80系トヨタハリアーハイブリッド

全長×全幅×全高

4,740mm×1,855mm×1,660mm

ホイールベース

2,690mm

室内長×室内幅×室内高

1,880mm×1,520mm×1,215mm

荷室容量

409L

(荷室容量:後席利用時)

LBXの運転席の画像

※上図:LBXの運転席

LBXの後席内装の画像

※上図:LBXの後席

80系ハリアーハイブリッドの運転席の画像

※上図:80系ハリアーハイブリッドの運転席

80系ハリアーハイブリッドの後席内装の画像

※上図:80系ハリアーハイブリッドの後席

LBXと80系ハリアーハイブリッドのボディサイズを比較すると、全長、全幅、全高すべてにおいて80系ハリアーハイブリッドが上回っている。特に全長は550mmも上回り、ホイールベースも110mm長くなっている。そのため、リアシートの居住性に加えて、ラゲッジスペースの容量で大きく上回る。

LBXの荷室画像

※上図:LBXの荷室

80系ハリアーハイブリッドの荷室画像

※上図:80系ハリアーハイブリッドの荷室

5人乗車時のラゲッジ容量を比べると、現行型レクサスLBXは330L。対して80系ハリアーハイブリッドは409Lとボディサイズの大きさを活かして大きく上回っている。さらに、リアシートを畳めばラゲッジスペースは拡大するので、長尺物やキャンプ道具などの大きなモノを積む際、圧倒的な利便性を誇るのは80系ハリアーハイブリッドだ。

 

ボディサイズが大きく、キャビンスペースの広い80系ハリアーハイブリッドだが、取り回しの良さの目安となる最小回転半径は、5.5~5.7m。対するLBXの最小回転半径は5.2mだ。17~18インチという大径タイヤを装着しているにも関わらず、この数字は立派だ。狭い駐車場での取り回しの良さでは、やはりLBXが上回る。

 

室内空間の広さやラゲッジルームの積載量を考えると、4人乗車でも十分対応できる80系ハリアーハイブリッドがお勧めだ。一方、LBXは4人乗車でアウトドアレジャーなどは少々厳しい。こうした部分は、圧倒的にボディサイズが大きな80系ハリアーハイブリッドが優勢だ。

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最新のLBXが機能面で上回る

6.安全装備&運転支援機能の比較

LBXの評価は5.0

80系ハリアーハイブリッドの評価は4.5

LBXのインパネデザインの画像

※上図:LBXのインパネデザイン

LBXの予防安全装備は、先進の予防安全技術であるレクサスセーフティプラスを全車に標準装備している。

レクサスセーフティプラスは、以下を含む10の機能がパッケージされている。

  • プリクラッシュセーフティ(歩行者[昼夜]・自転車運転者[昼夜・自動二輪車[昼]検知機能付き)
  • レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)
  • ドライバー異常時タイプシステム
  • プロアクティブドライビングアシスト

LBXのメーター画像

※上図:LBXのメーター

さらに高度運転支援技術であるレクサスチームメイトも一部グレードで標準装備するなど最新鋭の装備が充実している。これは渋滞時支援を行うアドバンストドライブと駐車支援を行うアドバンストパークがセットになった機能だ。

80系ハリアーハイブリッドのインパネデザインの画像

※上図:80系ハリアーハイブリッドのインパネデザイン

対する80系トヨタハリアーハイブリッドは、予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を全車に標準装備。歩行者(昼夜)や自転車運転者(昼間)を検知対象に加えたプリクラッシュセーフティなど7つの機能を採用している。

80系ハリアーハイブリッドのメーター画像

※上図:80系ハリアーハイブリッドのメーター

さらに、安全・安心をサポートする装備も充実している。インテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]は、駐車場など低速走行時における衝突緩和、被害軽減に寄与する。

 

2022年の一部改良では、プリクラッシュセーフティに、交差点右折時の対向直進車・左折時の対向方向から横断してくる歩行者を検知する機能を追加した。

 

運転支援機能は、日々進化しているので,登場したばかりのLBXのほうが機能は充実している。しかし、2022年の一部改良後であれば80系ハリアーハイブリッドでも遜色ないレベルだ。

ハリアーの懐の深い乗り味は絶品

7.走行性能の比較

LBXの評価は4.0

80系ハリアーハイブリッドの評価は4.5

 

LBXと80系ハリアーハイブリッドのパワートレインのスペックは以下のとおり。

レクサスLBX

  • 5Lハイブリッドシステム出力:136㎰

80系ハリアーハイブリッド

  • 5Lハイブリッド システム出力:218㎰(FF)/222㎰(E-four)
LBX:クラスを超えた走行性能を実現

LBXのエンジンルームの画像

※上図:LBXのエンジンルーム

LBXは、トヨタヤリスクロスをベースに開発されたモデル。ただし、パワーユニットはLBX用に改良されている。そのため、1.5Lハイブリッドシステムのシステム出力は、ヤリスクロスのシステム出力116㎰から136㎰(+20㎰)へとパワーアップした。

 

レクサスブランドということもあり、直3エンジンながら振動は見事と言っていいほど抑えられ、快適な走りをアシストする。また、ハイブリッド用バッテリーは、高い電池出力を誇るバイポーラ型ニッケル水素電池を採用。EV走行領域の拡大をはじめ、鋭い加速感、そして優れた燃費性能を実現した。

 

駆動方式は2WD(FF)と4WDを用意しているが、どちらの駆動方式でも走行シーンに合わせて加減速を最適化する駆動力制御を行う。

サスペンション形式は、フロントにはジオメトリーを刷新したマクファーソンストラット式を採用した。リアの2WD車は、トーションビーム式だ。4WD車はトレーリングアーム式2リンクダブルウィッシュボーン式を採用。新開発したショックアブソーバーによって、極微低速の減衰力を確保し、操安性・乗り心地を両立させている。

ハリアーハイブリッド:前後のサスが仕事をしてフラットな乗り味を実現

80系ハリアーハイブリッドのエンジンルームの画像

※上図:80系ハリアーハイブリッドのエンジンルーム

80系トヨタハリアーハイブリッドは、システム最高出力222ps(E-Four)と、なかなかパワフル。駆動方式は、2WDとE-Fourという電気式4WDシステムを用いた。E-Fourは、速時や雪道のように滑りやすい路面などで、スムーズに4WD状態に切り替えることにより、発進性、走行安定性を賢くアシストするシステムだ。後輪トルクの出力を増加させ、前後輪トルク配分を100:0から20:80へと高めることにより、より緻密な制御が可能だ。旋回時は思い描いたトレースラインを的確に捉える。車両の挙動が安定するため、降雪時や雨天時における登坂発進時の安心感が向上しているのが特長だ。

 

80系ハリアーハイブリッドのサスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット式、リアがダブルウィッシュボーン式だ。さらに、ハリアーはラグジュアリーSUVらしく、より乗り心地を重視したセッティングとなっている。リアシートも含め、とても快適だ。

快適さを追求したハリアー。スポーティさもアピールするLBX

LBXと80系ハリアーハイブリッドは、共にラグジュアリーさを追求しているモデル。ただし、キャラクターはやや異なる。

LBXは、スポーティなハンドリングにもこだわった。キビキビとしたハンドリングは、ちょっとしたスポーツカー並みだ。それでいて、直進安定性にも優れている。ヤリスクロスベースとはいえ、全く違うクルマに仕上がっている。乗り心地面では、さすがに80系ハリアーハイブリッドには敵わないが、その差は想像より小さい。

高いリセールバリューを誇るハリアー

8.リセールバリュー比較

レクサスLBXの評価は4.5

80系ハリアーハイブリッドの評価は4.5

 

80系ハリアーハイブリッドの中古車相場は、2021年式で約320~450万円とやや幅の広い価格帯になった。新車価格が約358~504万円だったので、新車価格の約89%となっている。

半導体不足の影響で超長期納期化していた頃のように、中古車価格が新車価格越えしていた状態からようやく脱している。とはいえ、高リセールバリューの代表格と言える80系ハリアーハイブリッド。SUVの中でも、高いリセールバリューを維持している。リセールバリューを期待して購入しても、失敗するリスクは低いと予想できる。

 

そんな80系ハリアーハイブリッドで、より高リセールバリューが期待できるグレードは、最上級グレードの調光パノラマルーフ「Zレザーパッケージ」だ。プラス査定が期待できるオプションは調光パノラマルーフくらいだろう。

人気ボディカラーは、黒か白。それ以外のボディカラーだと、逆にマイナス査定になる可能性が高い。

 

一方、LBXハイブリッドの新車価格は460万円~486万円だ。売れ筋グレードのリラックス 2WDは460万円となっている。LBXは新型車なので未来のリセールバリューを予想するのは難しいが、レクサスブランドのSUVなので、高リセールバリューが十分に期待できる。

以下のオプションが装備されていれば、プラス査定の対象となるだろう。

  • 運転支援機能のアドバンスドドライブ
  • 緊急操舵支援+ドライバーモニター連携
  • マークレビンソンプレミアムサウンドシステム

レクサスのSUVは、リセールバリューがかなり高くなる傾向がある。80系ハリアーハイブリッドをわずかに超える可能性もあるので、ややLBX有利かもしれない。

 

ただ、すでに人気SUVポジションを確立し、高リセールバリューで安定している80系ハリアーハイブリッドの中古車は安心感がある。しかも中古車であれば、オプション装着したLBXよりも安価に買える。購入時、ボディサイズの制約が無ければ、コストパフォーマンスが非常に高い80系ハリアーハイブリッドをお勧めしたい。

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人気、実力を兼ね添えた80系ハリアーハイブリッドは優良物件

9.まとめ・総合評価

LBXの登場は2023年、80系ハリアーハイブリッドは2020年だ。わずか3年の差とはいえ、運転支援技術やコネクテッドなどの差は大きい。80系ハリアーハイブリッドもアップデートしているが、LBXに敵わない部分もある。安全装備は、クルマ選びに重要な要素ではあるが、それだけではない。

 

80系ハリアーハイブリッドのような多くの人に支持されるモデルは、人気と実力を兼ね備えている。それが高リセールバリューにも表れているし、購入後の高いオーナーシップにつながるのだ。

一方、LBXは、これまで国産車が何度も挑戦して失敗してきた小さな高級車に挑戦した意欲作だ。助手席のパワーシートが選べないなどの小さな不満点はあるものの、ボディサイズに対する質感の高さは、見事に「小さな高級車」を具現化している。

LBXの新車価格はエントリーグレードでも460万円以上と高額設定だ。子育て卒業の夫婦のように2人しか乗らないというのであれば十分。しかし、4人乗車となるとやや手狭な印象だ。

 

中古車の80系ハリアーハイブリッドなら、LBXと同等レベルの価格で、大人4人が乗っても余裕の室内空間を確保できる。例えば気の合う仲間と荷物をたくさん積みアウトドアレジャーに出かける際には、このボディの大きさがメリットとなる。

ラグジュアリーSUVとしてのブランド力、広く快適な室内と乗り心地など、ボディサイズに制約がないのであれば、中古車80系ハリアーハイブリッドは、魅力的だ。

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  新車LBX 中古ハリアー
総合得点(40点満点) 31.0 34.0
1.燃費 4.5 4.0
2.価格 4.0 4.5
3.購入時の値引きしやすさ 1.5 3.5
4.デザイン 4.0 4.0
5.室内空間と使い勝手 3.5 4.5
6.安全装備 5.0 4.5
7.走行性能 4.0 4.5
8.リセールバリュー 4.5 4.5

レクサスLBXハイブリッド 新車価格

  • クール/リラックス:460万円(FF)/486万円(4WD)

80系ハリアーハイブリッド中古車相場

  • 2021年式:約320~450万円

現行型レクサスLBXスペック

代表グレード

クール2WD

ボディサイズ

4,190mm×1,825mm×1,545mm

ホイールベース

2,580mm

最低地上高

170mm

車両重量

1,310kg

エンジン型式

M15A-FXE

エンジンタイプ

直列3気筒DOHC

総排気量

1,490cc

最高出力

91ps(67kw)/5,500rpm

最大トルク

120N・m(12.2kgm)/3,800~4,800rpm

フロントモーター型式

1VM

モーター最高出力

94ps(69kw)

モーター最大トルク

185N・m(18.9kgm)

システム最高出力

136ps

燃費(WLTCモード)

27.7km/L

駆動方式

前輪輪駆動(2WD)

トランスミッション

電気式CVT

サスペンション型式

前:ストラット 後:トーションビーム

タイヤサイズ前後

225/55R18

最小回転半径

5.2m

80系トヨタ ハリアーハイブリッドスペック

代表グレード

Zレザーパッケージ2WD

ボディサイズ

4,740mm×1,855mm×1,660mm

ホイールベース

2,690mm

最低地上高

190mm

車両重量

1,690kg

エンジン型式

A25A-FXS

エンジンタイプ

直列4気筒DOHC

総排気量

2,487cc

最高出力

178ps(131kw)/5,700rpm

最大トルク

221N・m(22.5kgm)/3,600~5,200rpm

モーター型式

3NM

モーター最高出力

88ps(120kw)

モーター最大トルク

202N・m(20.6kgm)

システム最高出力

218ps

燃費(WLTCモード)

22.3km/L

駆動方式

前輪駆動(FF)

トランスミッション

電気式CVT

サスペンション型式

前:ストラット 後:ダブルウィッシュボーン

タイヤサイズ

前後 255/55R19

最小回転半径

5.7m

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員