車のガラスコーティングはしない方がいい?した方がいい場合、おすすめ商品を整備士が解説

大切な愛車を守るために大切なボディコーティング。最近の主流は持続性もあるガラスコーティングで、新車時に施工するパターンも多いです。
決して安くないだけに、ガラスコーティングは実際にやったほうが良いのか?どうなのか悩んでいる方も多いでしょう。
そんな疑問に現役の整備士がお答えしていきます。

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車のガラスコーティングのメリット

ガラスコーティングの主なメリットは以下のとおりです。

  • ボディの塗装面の保護
  • ボディに艶感が出る
  • 汚れのつきにくさ
  • 洗車のしやすさ
  • コーティングの持続性がある(※ほかのコーティングと比較)
  • 撥水性・親水(疎水)性など、好みのタイプを選べる

比較する機会がないとなかなか実感しにくいものばかりですが、日々さまざまな車に接してる私たち車屋からすると、何もしていない車と比較するとその違いは歴然です。
今や、車を長くキレイに乗り続けたい人にとっては必須となっています。

ガラスコーティングをしない方がいい場合、した方がいい場合

車のガラスコーティングはしない方がいい?した方がいい場合、おすすめ商品を整備士が解説

魅力的なメリットばかりに目が行きがちですが、ガラスコーティングをしない方がいい場合もあります。
当てはまるかどうかチェックしてみてください。

しない方がいい人(場合)

ガラスコーティングをしない方がいい人の特徴は以下のとおりです。

  • 車の汚れを気にしない、車にお金をかけたくない
  • 普段、洗車をしない

「普段、洗車をしない」という点は意外に感じる方も多いでしょう。
むしろ、普段から洗車をしないからこそコーティングを施工したいと考えている方は実際に多いです。
しかし、この考え方はNGです。
ガラスコーティングは、イオンデポジット(水道水や雨水のシミ)がつきやすくなるという性質を持っています。
マメに洗車・メンテナンスできる人でなければ、せっかく施工したコーティングが早期劣化してしまい、ボディがむしろくすんだ(汚い)状態になってしまいます。
わたし自身も実際にこうした事例をたくさん目にしており、むしろコーティングしなかった方がボディの見た目をきれいに維持できたはずだと思うことがあります。

した方がいい人(場合)

ガラスコーティングをした方がいい人は以下のとおりです。

  • 車にお金をかけても大丈夫
  • とにかく愛車をキレイに維持したい
  • 定期的に洗車・メンテナンスできる
  • (カーポートやガレージがあるとなお良い)

特に、しない方がいい人とは対照的な「定期的に洗車・メンテナンスできる」というポイントは大切です。
しっかり日々のメンテナンスをすることで、ガラスコーティングの良さを最大限活かして、愛車を長くキレイな状態で維持することができます。
汚れるたびに洗車をすることは結構な労力となるので、雨風を凌げるカーポートやガレージがあるとメンテナンスは格段に楽になります。

ガラスコーティングをした車の洗車は?

ガラスコーティングを施工した車の洗車をするときには、どういった点に気を付けていけば良いのかを解説します。

施工後、いつから洗車できる?

ガラスコーティングの商品やお店によって、いつから洗車をしても良いかの説明は異なります。
施工後少なくとも1日は雨も含めて水がかかることを避けてください。
また、洗車そのものはコーティング成分が完全にボディに密着するまでの「1週間〜1ヶ月」は避けることが推奨されています。
1ヶ月以内にどうしても洗車する場合は普段よりも慎重に優しく、あまりボディをスポンジでこすらないように気を付けて実施します。

シャンプーの使用は大丈夫?

カーシャンプーの使用は、ガラスコーティング専用品を使用すれば問題ありません。
もっとも安全なのは、ガラスコーティングのメンテナンスキットに付属しているシャンプーや、コーティング剤と同じメーカーから販売されているシャンプーを使うことです。
シャンプーの種類を気にせずに使うと、コーティングの被膜を傷めてしまう可能性があるので注意しましょう。
また、洗車時にかならずシャンプーを使わなければいけないわけではなく、普段の洗車は水洗いを推奨されていることもあるので、しっかりと普段のメンテナンス方法を確認しておきましょう。

洗車機に入れるのは大丈夫?

洗車機の使用は個人によって判断が異なります。
「絶対にNG」という意見もあれば「問題ない」と考えるひともいるのが実情です。
NG派の意見の方には、以下のような理由があります。

  • ブラシによる洗車傷がコーティングを傷める
  • ブラシに付着した・または洗車機のコーティングによって、本来のコーティング性能を低下させるおそれがある

結論から言うと、とことんボディの状態にこだわりたい方は洗車機を避けてください。
程々にキレイを維持できればokという方であれば、洗車機の水洗いコースであれば利用okです。

車のガラスコーティングの値段の目安

車のガラスコーティング費用は2万円~10万円程度です。ガラスコーディングは性能や持続性によってかなり幅広いメニューがあり、値段にも大きな違いがあります。
また同じコーティングメニューでも、施工面積の狭い軽自動車よりもミニバンなど大きい車になればなるほど値段は高くなります。
「とりあえず興味があるからやってみようかな?」という方には、そこまで高額ではないもので試してみるのをおすすめします。
高額でない入門タイプのガラスコーティングの費用は2〜5万円が目安です。コーティングの持続性は約1年程度です。
3年以上の耐久性を求める場合は、軽自動車でも5万円以上が目安で、大型ミニバンになれば10万円前後になります。
また、新車かそれ以外かでも下地処理の手間が大きく異なるので値段が変わってきます。
新車時の施工がもっとも安くできます。

車のガラスコーティングは自分でできる?

ガラスコーティングそのものは、DIYで自分で施工することも可能です。
ただし、下地処理を含めるとまとまった時間が必要となるので、余裕のあるときにチャレンジすることをおすすめします。(丸一日は洗車・コーティングに時間を使うつもりで)

コーティングムラを防ぎ、失敗しないコーティングのためにも、自分でやるときは以下の点について注意します。

  • 日陰や屋内でやる(直射日光は避ける)
  • 水道水(ホースリール)の使える場所の確保
  • 下地処理が大切!しっかり時間をかける
  • コーティングの施工は一回でやりきる
  • コーティングの重ね塗りはしない
  • コーティングの塗布は均一に向きを揃えて

また、ハンドライトがあればボディを照らすことで、施工したコーティング剤の拭き残しやムラを見つけやすくなります。

車のガラスコーティングのおすすめ商品

自分でガラスコーティングをするのに、おすすめの商品をいくつか紹介します。

筆者も愛用している本格的だけど手軽にできるコーティング

こちらのガラスコーティングセットは、下地処理剤も付属している点と、コーティングの完全硬化までの時間が非常に短時間である点から、はじめてDIYでチャレンジする人には非常におすすめの施工のしやすさがウリの商品です。(筆者も愛車に使用しています)
防汚性が高い点もおすすめの微撥水タイプで、3年耐久を謳っています。

手軽な施工でコーティングを実感したい

次に紹介するのは、洗車グッズで有名なシュアラスターのコーティング剤です。
時間を掛けてやるほどではないけど、洗車ついでに手軽にコーティングってどんなものなのか試してみたい人におすすめです。
洗車後にボディにスプレーして拭き上げるだけの簡単施工のガラス系特殊シリコーン撥水タイプのコーティング剤で、約半年間の耐久性を謳っています。
わたしも、手軽にできるスプレータイプのコーティング剤を使いますが、簡単にサッとできる割にボディはしっかりヌルテカになるので、おすすめです。

スプレータイプの2液本格的コーティング

手軽なスプレータイプでありながら、本格的なコーティング剤によくある2液タイプのコーティング剤です。3年間の耐久性を謳っています。
また、下地処理に便利な脱脂も兼ねたシャンプーもセットになっています。
重ね塗りok、ボディの樹脂部分にも施工できるので、ハードルの高いガラスコーティングのDIY施工に対して、神経質にならずにできる点が魅力的です。

整備士のまとめ

「普段から洗車はしないけど、それなりに車はキレイな方が良いからコーティングしておこう」
コーティングを依頼する人のなかにはこうした考え方の方が少なくありませんが、この考え方は正しくないということがもっとも伝えたいことです。
特に高額なガラスコーティングほど、キレイの維持のためには日々の洗車とボディメンテナンスが大切です。
イオンデポジットができてしまっては、せっかくのコーティングも台無しで、除去するためには時間もお金もかかります。
車の維持は必ずしもコーティングに拘らなくても、簡単に洗車機で構わないのでマメに車をキレイにさえしていれば十分です。

Supervised by 整備士 ヒロ

ヒロ 2級整備士

保有資格:2級整備士。国産ディーラー整備士、輸入車ディーラー整備士の経験がある、現役の整備士。 整備士経験は10年以上で過去にはエンジニアとして全国規模のサービス技術大会に出場。 車の整備に関する情報をtwitterで発信している。