フロントガラスの傷消し!線傷などにおすすめのグッズを整備士が解説

フロントガラスの傷消し!線傷などにおすすめのグッズを整備士が解説

知らぬ間に、フロントガラスに引っかき傷や擦り傷のような線傷が入っていることは珍しくありません。一度目に入ると気になってしまい、なんとか簡単に消せないかと考えるものです。
この記事では軽度なフロントガラスの線傷ができる原因と、その消し方や日常でできる予防法について、現役の整備士が解説します。

フロントガラスの傷消しは軽度の線傷ならセルフでも対応は可能

フロントガラスにできた線傷は、その程度によって自分でも対処できる場合と、車のことは車のプロに任せた方が良い場合があります。
傷消しを依頼するかは光の当たり具合で気づく程度なのか、手でなぞった際の感触などで判断します。

プロに依頼したほうが良いガラスの傷

フロントガラスにできた傷の傷消しはボディの傷を消すことよりも、自分で対処することのハードルが高いです。
指先などでなぞって分かるレベルの傷は傷も深いことが多く、基本的にはプロに依頼しましょう。
また、傷だと思っていたが実はひび割れだった…といったパターンも多いです。
この場合は整備工場やガラスショップに相談して、判断するようにしましょう。

【関連記事】フロントガラスに飛び石の傷、どこまで大丈夫?修理すべきかを整備士が解説

セルフでもできるガラスの傷

セルフでも傷消しができるガラス傷の目安は、光を当てると分かるような、洗車傷のような軽度なものが主です。
また、指先でなぞると分かりにくいですが、爪先でなぞると引っ掛かりのあることが分かる程度の浅い線傷であれば、セルフで試してみてもよいかもしれません。

フロントガラスに軽度の線傷ができる原因

フロントガラスに軽度な線傷ができる原因は、主に以下の2つのパターンが考えられます。

  • メンテナンス状態の悪いワイパーの使用(ガラスの汚れが酷い…も含む)
  • コンパウンドでの磨きが適切でなかった

ワイパーが原因の傷

メンテナンス状態が悪い、または適切な状態ではないワイパーを使用することでガラスに傷がいくことがあります。
よくあるのは、ワイパーゴムが劣化しても交換せずに放置し、ゴムが千切れたり外れてもそのまま使い続けた結果、ワイパーアームやブレード部分が、直接フロントガラスの上を動くことで、傷がつく場合があります。
そうなると深い傷が広範囲に及ぶこともあるので、セルフで傷消しするのは困難になります。

コンパウンドで磨くことで線傷・すり傷ができる

「フロントガラスをきれいにしたい」、「コーティングのための下地処理をしたい…」といった理由で、フロントガラス用のコンパウンドを使用したことがある人もいるはずです。
用法を守って使用する分には当然問題ありませんが、ガラスが砂埃で汚れているのにコンパウンドを使用して磨いたり、長く放置したコンパウンドが付着したスポンジを使って再度、磨いたりしてしまうと、フロントガラスに軽度な線傷やすり傷ができてしまうことがあります。
ワイパーによる傷と比べると傷そのものは浅いかもしれませんが、広範囲に拡がるおそれがあります。

フロントガラスの線傷消しにおすすめのグッズ3選

傷消しでよく使われるコンパウンド、セリウム系のものを中心に、セルフでできるフロントガラスの線傷消しに適したおすすめのグッズをそれぞれ紹介します。

ガラスの傷消しにおすすめのコンパウンド

3M ガラス磨きコンパウンド ミニ 5532M 150mL

3M ガラス磨きコンパウンド ミニ 5532M 150mL

  • 3Mガラス磨きコンパウンド
Amazon

3Mのカー用品は、車屋さんで愛用されていることも多いので安心できます。
3M「ガラス磨きM」は、灯りや太陽に照らすと分かるような微細な傷を消すのにおすすめです。容量が150mlと個人で使うのにちょうど良い小ぶりなサイズです。

セリウム系でおすすめのガラセリウム

ヤナセの「ガラセリウム」はAmazonでのレビュー件数も多く、実際に使ってみた方の声を参考にしながら使えるので安心です。
セリウムは、ガラスを研磨するだけでなく化学作用により微細な凸凹をなめらかにする特性があるので、フロントガラスの傷消しに適しています。
ペースト状の高純度の酸化セリウムで素人にも扱いやすく、気になっていた傷も消えたという声が多く聞かれる商品です。

すぐ使える!酸化セリウム配合のコンパウンド

コンパウンド塗布用の、ガラスを傷つけにくい専用のスポンジが付属している、酸化セリウムが配合されたコンパウンドです。
お試し用サイズも展開されいて、気軽に手に取って試しやすいのでおすすめです。
微細なガラス表面の傷が気になる場合に、試していただきたい用品です。

フロントガラスの傷消しに歯磨き粉は有効?

フロントガラスの傷消しに、歯磨き粉を使う方法があります。
傷消しに有効なのは研磨剤が含まれている歯磨き粉で、この研磨剤がコンパウンドなどと同様の働きをします。
専用品ではないのであくまで応急的に、家にあるものを使って手軽に自分で傷消しを試してみたい場合におすすめです。
ただし、逆に細かい傷ができる原因になることもあるので、目立たないところで試しに使ってみてから状況判断してください。

ワイパー傷が付きにくくする予防方法

ワイパーによってフロントガラスに傷が付くのは、いくつかの原因が考えられますが、そんなトラブルを予防するための方法をお伝えします。

ワイパー傷の原因は日常的な車の手入れを怠った結果

すでに解説したように、ワイパーゴムの交換を長らく怠ると、ゴムの劣化が進むことで千切れたり、最悪の場合はゴムがワイパーブレードから外れてしまうことがあります。
その結果、ワイパーブレードがガラスに直接当たってしまい、傷が付くおそれがあります。
ワイパーブレードは一部、金属製のものもあるのでその場合は特に傷のリスクが高まります。
また、フロントガラスが汚れている状態、もしくはワイパーゴムにも汚れが付着している状態でワイパーを動かしたときにも、傷が付くリスクがあります。
いずれも、日常的な車の手入れを怠った結果、招いてしまうトラブルです。

定期的なメンテナンスでワイパー傷を予防する

ワイパーゴムは年に一度の交換が推奨されています。
そこまで頻繁でなくとも、拭き取りが悪くなれば早めに交換することで、良好な視界の確保はもちろんのこと、ガラスに傷が付くリスク予防にもなります。
また車は乗りっぱなしにせずに、洗車は難しくともせめて窓ガラスだけでも定期的に拭くようにしましょう。
ワイパーゴムやガラスについた汚れの中には、砂埃なども含まれています。
これらを確実に取り除くことで、ワイパーを動かしたときの傷付きを予防することができます。

整備士のまとめ

フロントガラスについた傷は、ボディについた傷よりも傷消しが難しく、消す場合にも根気が必要です。
そのためには、第一に傷が付かないように予防することが大切です。
日頃から良好な視界を確保するために、ガラスをきれいにして、ワイパーも定期的に交換しましょう。
万が一、傷が付いてしまってセルフで傷消しをする場合は、気にならない・目立たない場所でコンパウンド等の使用感を試してみてから、チャレンジすることをおすすめします。
心配な場合には、ガラス専門業者や整備工場に相談してプロに依頼するようにしましょう。

Supervised by 整備士 ヒロ

ヒロ 2級整備士

保有資格:2級整備士。国産ディーラー整備士、輸入車ディーラー整備士の経験がある、現役の整備士。 整備士経験は10年以上で過去にはエンジニアとして全国規模のサービス技術大会に出場。 車の整備に関する情報をtwitterで発信している。