ブレーキランプが消えずに、つきっぱなしになる不具合が発生していると、とても危険です。「何かが壊れているのか?」「応急処置はできるのか?」「修理代はどれくらい?」「そのまま走行して大丈夫なの?」と疑問が出てくるでしょう。
ブレーキランプが消えないことにお困りの方に向けて、この記事ではこれらの疑問を解決します。
ブレーキランプが消えない原因は?
ブレーキペダルを踏んでいないのにブレーキランプが消えない症状には、いくつかの原因が考えられます。考えられる原因とて主に「ブレーキスイッチの故障」「ストッパーゴムの損傷」「コンピュータの故障」の3つが考えられます。
ブレーキスイッチの故障
ブレーキペダルの根本には、ペダルを踏んでいるのか踏んでいないのかを検知する、ブレーキスイッチが取り付けられています。 ペダルを踏んだり離したりするのに応じて、スイッチ本体のプッシュロッドが出たり入ったりして、中の電気的な接点をON/OFFしています。 このブレーキスイッチ本体の不良によって、ブレーキランプがつきっぱなしになることがあります。 また、逆にブレーキランプがつかない不具合になることがあったり、場合によってはメーター内に警告灯が点灯して、ドライバーに何かしらの不具合が発生していることをお知らせしてくれることもあります。
ブレーキスイッチのストッパーゴムの損傷
ブレーキスイッチのプッシュロッドが当たる、ブレーキペダルのレバー部分に、ストッパーゴムが取り付けられている車があります。 プッシュロッドを傷めないために…といった理由がありますが、系年劣化によりストッパーが粉砕してしまうことがあります。 本来あるべきものが無くなりプッシュロッドの出しろが変わることで、ブレーキペダルを踏んでいなくてもブレーキスイッチがONになり、ブレーキランプが消えない不具合につながります。
コンピュータの故障
いまの車は基本的に、ブレーキスイッチのON/OFF状態をコンピュータが認識し、その情報を元にコンピュータがブレーキランプを点灯させる信号をだします。 このコンピュータ内部で故障・不具合が発生して、ブレーキランプがつきっぱなしになることもあります。 ブレーキランプの故障原因である3つのパターンの中では1番、故障の可能性が低い部品です。 ※コンピュータのことを(BCM=ボディコンピュータなどと言います)
ブレーキランプがつきっぱなしでの走行はNG
ブレーキランプがつきっぱなしの状態で走行することは、後続車に自車の正しい運転状態を伝えることができず、本来のブレーキランプの役割を果たせていないため、保安基準不適合となります。 法令違反および整備不良で、免許証の違反点数と罰金が科せられます。 当然ながら、周囲を走行する車にとっても危険なことなので、早急な修理が必要です。 また、エンジンを切っていてもブレーキランプがつきっぱなしだと、発電していないのにバッテリーの電気が常に消耗されます。 これにより、バッテリー上がりの原因にもなるので注意が必要です。 (一部車を除く。例:輸入車でIG-OFFではブレーキランプに電気が流れないものもある)
ブレーキランプが消えない時の応急処置
ブレーキランプが消えないとき、ストッパーゴムに起因する不具合であれば応急処置ができるかもしれません。 ストッパーゴム分の厚みのあるものが、元々の場所にあれば、ブレーキランプがつきっぱなしになることを防ぐことができます。 たとえば、厚みと硬さのあるクッションテープを貼ることで応急処置ができます。 固定ができて外れて落ちてこないものであれば代用可能です。 ブレーキスイッチは基本的に、運転席足元を覗き込んだブレーキペダルの根元に取り付けられています。 作業時は、窮屈で無理な態勢になりがちなので注意が必要です。 コツが必要なこともあるので、どうしても作業が難しい場合には、整備工場に依頼して対応してもらいましょう。 また、ブレーキスイッチやコンピュータが原因の場合、非分解部品のため応急処置をすることは困難です。
ブレーキランプが消えない時の修理代
ブレーキランプが消えない時の修理代の目安は以下の通りです。
- ストッパーゴム…1,000円〜
- ブレーキスイッチ…5,000円〜
- コンピュータ(BCM)…数万円〜数十万円
ブレーキランプが消えないときの修理代はストッパーゴム<ブレーキスイッチ<コンピュータの順で高額になります。(金額は工賃を含む)
ストッパーゴムやブレーキスイッチの部品交換で済む場合は、作業も比較的短時間で終わることが多く、工賃を合わせても1万円以内で収まることがほとんどです。
稀にコンピュータが原因でブレーキランプが消えないことがありますが、この場合はかなり高額な修理になります。
部品代だけでも数万円〜、高級車や輸入車になると数十万円にもなることもあり、専用の診断機を接続してのデータリセットや学習作業などが必須となることが多いです。
<関連記事>ブレーキランプ、テールランプの交換時期や費用の目安を整備士が解説
整備士のまとめ
ブレーキランプがつきっぱなしになって消えない不具合は、バッテリー上がりの要因になり、走行中は周囲のドライバーを惑わすために非常に危険です。 自分が運転するだけなら何も困ることはないと思わず、異常に気付いた場合は速やかに整備工場などに連絡をして、プロからの指示を仰ぐことをおすすめします。
- Supervised by 整備士 ヒロ
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保有資格:2級整備士。国産ディーラー整備士、輸入車ディーラー整備士の経験がある、現役の整備士。 整備士経験は10年以上で過去にはエンジニアとして全国規模のサービス技術大会に出場。 車の整備に関する情報をtwitterで発信している。