オイルフィルター交換しないとどうなる?交換時期・頻度を整備士が解説

車のオイルフィルター交換

エンジンオイル交換の時、車屋さんに「オイルフィルターの交換はどうしますか?」と聞かれた覚えはありませんか?
「本当に交換する意味があるのか」よくわからないままに、言われるがままの人も多いでしょう。
この記事では現役の整備士が、オイルフィルター交換の必要性についてわかりやすく解説します。

オイルフィルターを交換しないとどうなる?

「エンジンオイルさえ交換して新しくしていれば、フィルターなんてそのままでも大丈夫じゃないの?」そんな考えはNGです!エンジンオイルの役割について解説します。

エンジンオイルの汚れをろ過する重要な役割がある

エンジン内部は高温・高負荷の過酷な環境です。
エンジンは、使用過程においてスラッジなどが発生してオイルに混じってしまうので、オイルフィルターで汚れの含んだエンジンオイルをろ過してあげることが大切です。
エンジンオイルはエンジンにとって血液のようなものなので、少しでも良い状態のエンジンオイルを循環させてあげることが、エンジンの健康にとって重要です。

オイルフィルターは消耗品

オイルフィルターを交換しないと、フィルターは蓄積した汚れで目詰まりを起こしてしまい、本来のろ過性能を発揮できなくなります。
すると、しっかりと汚れをろ過できなかったエンジンオイルが、再びエンジン内部を循環し続けることになります。
また、せっかくエンジンオイルを交換してもフィルターの交換を怠っていると、新しいエンジンオイルの劣化も早まります。
よって、オイルフィルターを定期的に交換した場合と比較すると、フィルターを交換してない場合ではエンジンへの負担が大きくなることは明白です。
オイルフィルターの交換を怠ることは、エンジンの健康寿命を縮めることにつながります。

オイルフィルター交換の頻度はエンジンオイル交換の2回に1回

定期的なエンジンオイル交換時期を守っている場合のオイルフィルター交換は以下のような目安になります。

  オイルフィルターの交換目安
交換頻度 エンジンオイルの交換2回のうち1回
交換走行距離 6,000㎞~10,000km
交換期間※ 1年~2年毎

※車の使用環境によっては交換期間が目安。

それぞれの交換目安について解説します。

基本的に交換頻度は2回に1回

エンジンオイル交換2回に1回がオイルフィルターの交換頻度です。
フィルターの劣化具合から考えても毎回、交換する必要はありません。
ただし、エンジンオイルの交換を怠っている場合は、オイルフィルターの汚れがその分進行しているので、この限りではありません。

交換時期は走行距離1万kmまでが目安

エンジンオイルの交換時期は「3,000〜5,000km」です。
オイルフィルターの交換頻度がエンジンオイル交換の2回に1回なので、おおむね「6,000km〜1万km」がオイルフィルターの交換目安時期です。

オイルフィルターの交換頻度を高めた方が良い場合

交換頻度を高めた方が良いのは、車の使用環境が過酷な場合です。

以下のような場合は車の使用環境が過酷といえます。

  • 走行距離が延びなくても普段からアイドリング時間が長い
  • チョイ乗り頻度が多い

車の使用環境が過酷な場合、エンジンオイル・オイルフィルターの交換時期は走行距離ではなく、期間を目安設定することがベストです。エンジンオイルの交換は半年〜1年ごと」、オイルフィルターは「1年〜2年ごと」に交換をすると良いでしょう。


また、これまでエンジンオイルの交換を大きく怠ってきた場合は、エンジンオイル交換後も通常よりフィルターの劣化スピードが早いので、毎回の頻度でオイルフィルターの交換を提案されることもあるでしょう。

オイルフィルター交換は自分でできる?

エンジンオイルおよびオイルフィルターを自分で交換することはおすすめしません。
基本的には自分でやらずに、お店に依頼するのがベストです。

オイルフィルターを単体で交換することは基本的にありません。
エンジンオイル交換とセットで行います。
つまり、交換後は新しいエンジンオイルの注入が必須で、廃油の受け・処理も確実に行う必要があります。
プロの自動車整備士と同等レベルの知識と技術があればDIYできないこともありませんが、個人でやる場合は道具を揃えるコストがかかりますし、何より必要以上に時間もかかってしまいます。
こぼれるオイルを清掃する手間や廃オイルの適切な廃棄等、オイルフィルターひとつ交換するだけでも面倒なことや気を付けることは、意外にもたくさんあります。

オイルフィルター交換について整備士のまとめ

オイルフィルターは劣化する消耗品です。
エンジンオイルをきちんと交換していても、オイルフィルターは劣化するので(オイル交換2回に1回の)交換は必須です。
また、自分で交換することは簡単なことではありません。
行きつけの信頼できる整備工場にエンジンオイル・オイルフィルターの交換や管理はお任せするのがよいでしょう。

 

オイルフィルターをはじめとした消耗品の交換は費用を安くしたいからと自身で交換したり、交換頻度を少なくしたいと考える人もいるでしょう。交換がうまくいかなかったり交換を怠ったりすると車に悪い影響を与えてしまいます。以下の記事では、車の維持にあたって交換が発生しやすい消耗品の交換時期と「自身で交換できるのか?」「整備工場に頼んだ方が良いのか?」についてまとめているので参考にしてみてください。

Supervised by 整備士 ヒロ

ヒロ 2級整備士

保有資格:2級整備士。国産ディーラー整備士、輸入車ディーラー整備士の経験がある、現役の整備士。 整備士経験は10年以上で過去にはエンジニアとして全国規模のサービス技術大会に出場。 車の整備に関する情報をtwitterで発信している。