バンパーとは?役割や修理目安を整備士が解説

バンパーとは?役割と修理の目安

バンパーは思わずぶつけてしまうと、傷や凹みがつきやすい部品です。どういった傷や凹みだとプロの修理が必要なのか、交換がした方が良いのかについて費用目安も含めて整備士が解説します。

バンパーとは?役割と箇所について

バンパーは、車両の前後についている樹脂製の部品で、フロントバンパーとリヤバンパーに分けられます。

バンパーには事故の際に車体への衝撃を和らげる役割があります。
また、近年では安全装置の普及でバンパーの裏にセンサーが配置されている車が増えました。そのためバンパーをぶつけた衝撃でセンサーが損傷すると、バンパーの修理・交換で済まない場合もあります。

バンパーの修理費用-傷、凹みなど各症状ごとの目安

バンパーの修理費用の目安について今回はセンサー費用を含まずに、バンパー単体での修理費用として解説します。
また、修理可能な範囲は店により異なりますが、損傷範囲を平均的に20×20(cm)程度までと想定します。それ以上の損傷サイズはバンパー交換を推奨とします。

バンパーの割れ修理費用の目安

バンパー割れの修理費用は3万円〜6万円程度です。
バンパーが割れてしまった場合は、パテを盛って形を整え、その上から塗装をおこなう必要があります。

しかし、割れの範囲やバンパーの割れ箇所によって修理の難易度や所要時間が大きく異なるので、まずは概算見積もりを取ることをおすすめします。
凹みや傷の修理と比較すると、修理に時間を要します。

バンパーの凹み修理費用の目安

バンパーの凹みは、塗装に問題がなければヒートガンで温めて押し出すことで、完全とまではいかなくても、気にならない程度に直ることもあります。 きちんとバンパーの凹みを修理する場合の費用は2万円〜5万円程度です。

バンパー傷の修理費用の目安

バンパー傷の修理費用は補修範囲によって金額が定められています。
修理範囲が10×10(cm)以内で小さいものだと15,000円ほどで修理できます。
修理範囲が大きいものだと50,000円程度になることもあります。 

バンパーに傷がある場合は、部分的に磨いて再塗装をして修理することができます。日帰り作業できるメニューとして用意している整備工場もあります。

バンパーの交換費用の目安

バンパー交換費用はおおむね5万円〜10万円程度です。注意したいことは部品代、交換工賃共に車種によって大きく異なる点です。
金額幅がある理由は以下の2点が考えられます。

  • バンパーが複数の部品で構成されている。
  • 近年はグリルの大型化や、加飾パーツが増加している。

これらの部品も損傷していれば、バンパーと合わせて交換が必要です。
再使用可能であれば、付け替えが可能なこともあります。

交換費用の補足として、軽自動車であれば上記金額より安くなることもあります。一方で高価格帯の車だと、上記の倍の費用がかかる場合もあります。

バンパーのかすり傷を自分で直す方法

バンパーのかすり傷を目立たなくするために自分で直す方法があります。
小さい傷かつ狭い範囲であれば、タッチアップペンで筆塗りすることで目立たなくなります。
タッチアップペンはカー用品店やディーラーで1,000円前後で販売されています。
車のボディカラーは似たような色でも種類が異なるので、カラーコードを把握したうえで購入します。
傷の範囲が広ければ、スプレー缶を使用して塗装することも可能です。
カー用品店で、補修用に以下のようなスプレーが購入可能です。

  • 下地処理用のプライマースプレー
  • プラサフスプレー
  • カラースプレー
  • クリアスプレー

ただし、仕上がりは個人の技術の差が大きく出るので、場合によってはやらない方が良かったことになりかねません。

バンパーの傷を気にしない、そのままにしててもいいの?

バンパーの傷は、見た目が気にならなければそのままにしていても問題ありません。 ただし以下の場合は修理をおすすめします。

  • 下側をぶつけてしまい、めくれて地面に擦ってしまってるようなときや、放置していて傷が拡がる恐れのある場合
  • 傷が安全装置に支障をきたすような場合

とくに、バンパーの傷が安全装置に支障をきたすような場合は、バンパーの修理または交換を強くおすすめします。なぜなら、自動ブレーキやBSM(ブラインドスポットモニター)などのシステムへの影響が考えられるからです。
また、損傷が大きく鋭利な突起状になっている場合は、危険なうえに保安基準不適合となり車検に通らない可能性もあります。

バンパーに傷がつかないように注意する方法

バンパーに傷がつかないように注意する方法は、慎重かつ安全に運転するのが1番の予防策です。
特に駐車場でバンパーに傷をつけてしまうドライバーが多いです。
バンパー下側を擦ったり、引っ掛けて損傷させないためにも、バンパー下端部までの縁石や輪止めの高さに注意します。

また、車の機能を活かすことも有効な手段です。
純正で採用されている機能から、後付けできる機能までさまざまなものがあります。

  • フロントカメラ
  • サイドカメラ
  • バックカメラ
  • アラウンドビュー(360°)モニター
  • コーナーセンサー
  • コーナーポール(左前)

上記のような機能を活かして、運転席からだと死角になるところを目視したり、アラームによって障害物への接近を把握することができます。

バンパーについて整備士のまとめ

小さい範囲の傷の場合以外だと、バンパーは修理するよりも新品に交換するほうが、お手軽かつお手頃で確実にきれいになることが多いです。
また、見た目はそこまで大きな損傷でなくても、バンパー裏にあるセンサーが損傷していて、そちらの修理費用の方が高くつく恐れもあります。

バンパーの修理に関しては一度、整備工事に相談するのが良いでしょう。
もしバンパーの傷を自分で補修する場合は、タッチアップペイントで筆塗りできる程度のもので留めておくことをおすすめします。

Supervised by 整備士 ヒロ

ヒロ 2級整備士

保有資格:2級整備士。国産ディーラー整備士、輸入車ディーラー整備士の経験がある、現役の整備士。 整備士経験は10年以上で過去にはエンジニアとして全国規模のサービス技術大会に出場。 車の整備に関する情報をtwitterで発信している。