ホンダN-ONE新旧比較レビュー!デザイン変更ほぼ無しのフルモデルチェンジ

自動車ニュース / ガリバー

2021.1.2

ホンダN-ONE新旧比較レビュー!デザイン変更ほぼ無しのフルモデルチェンジ

※本記事内に安全装備への言及がありますが、安全装備には作動条件や限界があります。機能を過信せず、安全運転を心がけましょう。

ホンダN-ONE新旧比較レビュー!デザイン変更ほぼ無しのフルモデルチェンジ

ホンダN-ONEの新旧比較レビュー。
大ヒットモデルとなった初代N-BOXから続く、Nシリーズの第3弾モデルとして2012年に登場したN-ONE。
「プレミアムな軽」をキャッチフレーズに、個性的なデザインとクラストップレベルの走行性能や質感の高さを魅力としていた。
そんな初代と外観デザインはほぼそのままに、フルモデルチェンジして2020年に登場したのが2代目N-ONEだ。
今回は初代と2代目を、内装・外装、安全装備面で比較評価する。

この記事の目次 CONTENTS
ホンダN-ONEの歴史・概要
コンセプト&外装デザイン
内装
安全装備
走り、メカニズム
おすすめは初代?それとも、2代目?
新車値引き交渉のポイント
ホンダN-ONEの価格・スペック

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

ホンダN-ONEの歴史・概要

初代ホンダN-ONEは、2012年に登場した。
大ヒットモデルとなったN-BOXから続く、Nシリーズの第3弾となるモデルだ。
N-ONEは、「プレミアムな軽」をキャッチフレーズに、個性的なデザインとクラストップレベルの走行性能や質感の高さをセールスポイントとしていた。
こうした仕様となったのは、上級モデルからダウンサイジングする顧客の受け皿とするためだ。

初代N-ONE

この初代N-ONEは、ホンダ初の市販軽乗用車N360がモチーフ。
ホンダのMM(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)思想を受け継ぎ、小さなボディ内ながら余裕ある空間を生み出している。

そして2代目N-ONEは、初代の発売から約8年後となる2020年11月に登場した。
この2代目、プラットフォーム(車台)は刷新されているが、外観デザインはほとんど変更されていない。
初代と並べても、違いが分からないくらいだ。

2代目N-ONE

それもそのはず。
外板パネルなどは、初代と同じなのだ。
プラットフォームは最新されたのに、外板パネルは初代のまま、という前代未聞のフルモデルチェンジが行われたのだ。

このようなフルモデルチェンジとなったのは、初代のデザインへのリスペクトからだ。
ユニークなデザインを守り続けたいという、ホンダのこだわりである。
ただ、フルモデルチェンジでデザイン変更しないということは、営業面でのリスクはかなり高くなる。
まさにリスクを恐れず攻めながら守る、という前例のない選択だ。

コンセプト&外装デザイン

普遍性を目指した2代目N-ONE

初代N-ONE、2代目ともに、外観デザインはほとんど同じだ。
N-ONEはN360のデザインを継承しており、このスタイルはタイムレスデザインと呼ばれている。
なんともいえない愛らしい顔や、角を丸くした安定感ある台形シルエットなど、今もなお、古さを感じさせない。

初代の外装
初代のフロントフェイス

2代目もあえて外板パネルを同じにするなどして、初代のデザインを継承している。
ホンダは、「時代が変化しても、このデザインは、使う人の心を満たす魅力と価値を秘めている」として、普遍的な存在を目指しているのだ。

2代目の外装
2代目のフロントフェイス

また2代目は、オリジナル、プレミアム、RSと3グレード構成。
グレードにより、それぞれ若干異なるグリルデザインが採用されている。

なお、ボディサイズは少し変更されている。
初代のボディサイズは全長3,395×全幅1,475×全高1,610mm、ホイールベースは2,520mm。
これに対して、2代目のボディサイズは全長3,395×全幅1,475×全高1,545mm、ホイールベースは2,520mmだ。
変更されたのは全高で、65mmも低くなった。
初代は、都市部に多い立体駐車場の「全高1,550mm以下」という制限に合致せず、立体駐車場に入れなかった。
その後、立体駐車場に入れるように全高を下げたローダウンモデルが発売されている。
2代目はこうした反省を受け、FF(前輪駆動)モデルは全車1,545mmになっている。

内装

ややカジュアル感が強くなった2代目N-ONE

外観デザインは、難解な間違い探しのように、初代N-ONEとほぼ同じとなった2代目。
しかし、インテリアはガラッと雰囲気を変えた。

初代は、上級モデルのように重厚な高級感をアピールしていた。
だが2代目は、ややシンプル&カジュアルな印象が強い。
2代目はミニマルデザインを追求し、全体的にスッキリしたインパネデザインとなった。

初代のインパネデザイン
2代目のインパネデザイン

初代のメーターは、中央に大きなスピードメーターを設置した丸形3眼タイプ。
2代目は、異形2眼のシンプルな仕様となっている。

初代のメーター
2代目のメーター

デザイン面では甲乙つけ難いが、質感という面ではやはり2代目が大きく上回る。
最近の軽自動車は大幅に質感が向上してきたこともあり、初代のインパネ周りの質感は、ややチープに感じる。
逆に2代目は、クラストップレベルといえるほど高い質感を誇る。

安全装備

予防安全装備では雲泥の差。2代目はどのグレードでも安心

初代N-ONEのデビューは2012年と古い。
そのため、2代目と安全装備を比べると、雲泥の差となっている。

初代には、約30㎞/h以下で対車両のみの自動ブレーキしか用意されていない。
この機能のほかに、誤発進抑制機能がプラスされた「あんしんパッケージ」がセットで設定されていたが、ごく一部のグレードを除いてほぼオプション設定だ。
中古車を購入する場合、少なくとも「あんしんパッケージ」が装備されているかを確認する必要がある。

対する2代目は、最新の予防安全装備である「ホンダセンシング」が全車標準装備化されている。
どのグレードを買っても安心できるだろう。
このホンダセンシングの機能は軽自動車の中でも高性能で、重要な自動ブレーキは昼間の歩行者・自転車だけでなく、夜間の歩行者にも対応している。
さらに、前後の誤発進抑制など、多くの機能をもつ。
また、運転支援機能では、全車速追従式クルーズコントロールも装備。
渋滞時のストップ&ゴーにも対応する。

走り、メカニズム

見た目は同じでも、初代を圧倒する走行性能を発揮する2代目N-ONE

初代N-ONEには、660㏄の自然吸気直3エンジンとターボエンジンが設定されていた。
自然吸気エンジンの出力は、58ps&65Nm、燃費は28.4㎞/L(FF、JC08モード)。
ターボエンジンの出力は、64ps&104Nm、燃費は25.8㎞/L(FF、JC08モード)だった。

初代のエンジン

2代目では、進化した2世代目のエンジンに切り替わり、自然吸気エンジンの出力が、58ps&65Nm、燃費は28.8㎞/L(FF、JC08モード)。
ターボエンジンは、64ps&104Nm、燃費は25.6㎞/L(FF、JC08モード)となっている。

2代目のエンジン

初代、2代目ともに、エンジンスペックや燃費性能などに大きな差はない。
また、車重もほぼ同等で、加速性能面でもそれほど差はない印象だ。
ただ、2代目はCVTの制御が変更されていて、よりダイレクト感のあるスムーズな走りが可能となっている。

また、2代目のスポーティグレードであるRSには、6速MTが設定された。
カチッとしたシフトフィールで、ダイレクト感ある走りが楽しめる。
ただ、2代目はセンタータンクレイアウトのため、着座位置も高く、重心高もやや高め。
走りに徹したスポーツモデルというより、スポーティな仕様と思っておいたほうがよい。
なお、RSはターボエンジンのみの設定となる。

走行性能については、約8年ぶりのモデルチェンジということもあり、初代と2代目の差は非常に大きい。
乗り心地や静粛性は、2代目の圧勝。
比べ物にならないほどの差だ。

初代も、8年前のデビュー時は比較的上質な乗り心地だった。
しかし2代目は、もはやクラスを超えた、しっかりとした乗り心地を誇る。
大きな凸凹による強烈な衝撃も、強固なボディとしっかりとしたサスペンションでマイルドに変換、安定した走りと乗り心地に貢献している。
カーブでもクルマの傾きは少なく、軽快に駆け抜けていく。

初代の運転席
2代目の運転席

さらに2代目は、アイドリングストップ時からエンジンを再始動する際の、キュルキュル音が非常に小さくなった。
初代は車内に響き渡るくらい大きな音がしていたので、静粛性面でかなり快適になったといえる。
また、エンジンも高回転域では賑やかに感じるが、通常走行時は静粛性が高い。
新旧N-ONEは、外観こそほぼ同じでも、中身はまったく異なるのだ。

おすすめは初代?それとも、2代目?

ほぼ、すべて面で2代目が圧倒。ただし、高価すぎる点がマイナス

初代N-ONEは、2012年に登場したモデルということもあり、設計があまりにも古い。
そのため、2代目と比べると、ほぼすべての面で2代目が大きく勝っている。
走行性能や安全性能を重視するのであれば、2代目という選択になる。

ただし、2代目の外板パネルは初代と同じだというのに、車両価格が非常に高価な設定となっている。
これはマイナスポイントだ。

2代目のエントリーグレード「オリジナル」の価格は、1,599,400円。
これに対して、初代のエントリーグレード「スタンダード」の価格は、1,223,200円だ。
予防安全装備であるホンダセンシングなどが標準装備されているなど、装備は向上しているものの、約38万円アップはかなり高額だ。

とくに、中古車となると価格差はさらに開く。
マイナーチェンジ後の2016年式の中古車相場は、70~120万円程度。
根強い人気があるため、中古車価格は高値維持といった印象だ。
また、当時の最上級グレードとなるプレミアムツアラーの新車価格は1,598,000円。
このプレミアムツアラー系2016年式の中古車価格は、90~130万円位が相場になっている。
この価格では、2代目ならエントリーグレードでさえ、手に入らない。

2代目のプレミアムツアラーの新車価格は1,889,800円なので、初代のプレミアムツアラーの中古車は60~100万円安い計算になる。
2代目が登場したこともあり、初代の中古車価格はさらに下落することが予想できる。
よって、さらにお買い得感は増すだろう。
よりリーズナブルにN-ONEの世界観を得たいのであれば、初代という選択もありだ。

また、2代目の新車価格はかなり高価なので、しばらく待って、高年式の2代目の中古車を狙ってみるのもよいだろう。

新車値引き交渉のポイント

コロナ禍ということもあり、一定額の値引きが期待できる

フルモデルチェンジしたとはいえ、N-ONEはN-BOXのように販売台数が多いモデルではない。
フルモデルチェンジ直後は、N-ONEファンが多く買いに来るものの、半年もすれば落ち着いてくるだろう。
さらにコロナ禍ということもあり、新車販売は低迷中だ。

これらの状況から、「数少ない顧客を逃さず、値引きしてでも売りたい」という販売店が多い。
新型車ではあるものの、ある程度の値引き額は提示されるだろう。

値引きを引き出す基本的なテクニックに、ライバル車との競合がある。
ただ、2代目N-ONEの場合、直接的なライバル車がない状態だ。
そこで、2代目の価格と近いモデルと競合させるといいだろう。
価格的には、スペーシアギアやタントカスタムなどが同等レベルになる。
これらと競合させることで値引きが期待できる。

なお、初代の中古車を購入する場合も、しっかりと値引き交渉したい。
年式やグレード、走行距離など同じような車両を複数見つけて、それぞれ見積りを取るとよい。
最近では、ネット経由で見積りが取れるので、こうした機能を活用するとよいだろう。
各社を競合させれば、ある程度の値引きが提示されるはずだ。

そして、意外と重要なのが下取り車の処理だ。
上手く交渉して、大幅値引きを引き出すことに成功しても、下取り車の処理を失敗すれば元も子もない。
ディーラーなどでは、値引きした分、下取り価格が低くされてしまう、といったこともある。
そんな失敗をしないためには、下取り車の適正価格を知ることが重要だ。
まずは、複数の買取店に行き査定してもらうとよい。
そうすれば、適正価格が分かってくる。
その上で、最も高値をつけたところに売ればよいのだ。

複数のお店で査定する時間がないという人には、中古車大手ガリバーのサイトもおすすめだ。
ここでは、過去半年間のガリバーの買取価格実績が確認できる。
実際に顧客から買い取ったクルマの価格情報を公開しているので、「ざっくりな相場」を確認することができるのだ。
下取りで失敗しないために、これらを上手く活用して、下取り額の適正な価格を把握しておくと良いだろう。

ホンダN-ONEの価格・スペック

  • Original FF:1,599,400円/4WD:1,732,500円
  • Premium FF:1,779,800円/4WD:1,912,900円
  • Premium Tourer FF:1,889,800円/4WD:2,022,900円
  • RS FF(6MT):1,999,800円
代表グレード N-ONE Premium Tourer FF
ボディサイズ 全長3,395×全幅1,475×全高1,545mm
ホイールベース 2,520mm
車両車重 860kg
駆動方式 FF
エンジン S07B型 直3 DOHC 12バルブ
排気量 658㏄
トランスミッション CVT
最高出力 64PS(47kW)/6,000rpm
最大トルク 104N・m(10.6kgf・m)/2,600rpm
燃費 21.8㎞/L(WLTCモード)
採用回転半径 4.8m
タイヤサイズ 165/55R15