この記事の目次 CONTENTS
新型フィット登場前の国内ホンダを支えられるか?
親しみやすさと洗上品さを兼ね備える
熟成された予防安全装備「ホンダセンシング」を全車に標準装備
ホンダ フリードの選び方
ホンダ フリード価格
ホンダ フリード クロスター スペック

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

ホンダは、コンパクトミニバンのフリードとフリード+をマイナーチェンジし発売を開始した。

フリードは、扱いやすい5ナンバーサイズのミニバン。マイナーチェンジでは、内外装デザインを刷新。さらに、人気が高まっているSUVのテイストをプラスしたクロスオーバー車である新グレード「クロスター」を新設定した。

新型フィット登場前の国内ホンダを支えられるか?

国内ホンダの基幹車種のひとつであるフィットが東京モーターショーでデビューした。

本来、すでに発売されている予定だったが、一部部品のトラブルにより発売が大きく遅れ2020年2月頃になるという。
新型フィットが発表されているため、しばらくの間現行フィットの販売は期待できず、国内ホンダの販売は非常に厳しい状況下にある。

それだけに、マイナーチェンジしたフリードの役割は多きい。
フリードは2019年度上期登録車販売台数ランキングで10位。ホンダ車で唯一10位以内に入ったモデルだからだ。

対して、フリードのライバルであるトヨタ シエンタは絶好調。
2018年9月にマイナーチェンジし、2019年度上期では55,602台を販売した。登録車新車販売台数ランキングでは3位となっている。

マイナーチェンジしたフリードはシエンタとの差を縮め、新型フィットが出るまでの間、国内ホンダの販売を支える大きな役割を担っている。国内ホンダ営業の実力が試される状況だ。

親しみやすさと洗上品さを兼ね備える

フリードのマイナーチェンジでは、デザインが若干変更された。
従来モデルの「親しみやすさ」を継承しながら、さらに洗練されたものとなった。

フロントまわりはフード、グリル、バンパーやロアグリルなどに変更を加えられ、スッキリとした顔立ちになり、高級感も若干アップしている。

内装は、より落ち着いた雰囲気にまとめられた。
木目調パネルをウォールナットのデザインに変更。シート表皮も刷新し、心地よく、くつろげる空間に仕上げている。

新設定されたSUVテイストのクロスターは、専用のフロントグリルや前後バンパー、LEDフォグライト、ルーフレール、アルミホイール、専用色のドアアウターハンドルやドアミラーを採用。
ファミリーカーのイメージが強いフリードをアウトドアシーンにも映えるクロスオーバースタイルへと変身させている。
多くのモデルがこうしたSUVとのクロスオーバー車を設定していることから、クロスターも人気グレードとなる可能性が高い。

インテリアもクロスター専用とした。
プライウッド調パネルや汚れの目立ちにくいデジタル柄を使い、アウトドアでの使い勝手を向上させている。

熟成された予防安全装備「ホンダセンシング」を全車に標準装備

フリードの予防安全装備は、歩行者検知式自動ブレーキを含む「ホンダセンシング」が全車に標準装備された。
さらに、このホンダセンシングには、新たに後方誤発進抑制機能を追加。全車速先行車追従式ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)は、加減速時によりスムーズなフィーリングとなるよう熟成されている。

さらに、走行時の制御として、ブレーキ操作ステップダウンシフト制御が加わった。
この制御は、一定のブレーキ操作をするとシフトレバーを操作することなく、シフトダウンする。
エンジンブレーキを併用することで、よりスムーズな減速が行えるもの。ステップダウンシフト制御は、ホンダのミニバンでは初採用となった。

ホンダ フリードの選び方

ホンダ フリードの価格は、ベースグレードBのガソリン車がホンダセンシングを採用しながら200万円を切る水準に設定されている。
最上級グレード、ハイブリッドのクロスター4WDは、300万円をわずかに超えている。
フリード+は、Gがベースグレードで218万円台からの設定だ。

フリードかフリード+かという選択は、それほど難しくない。
多人数乗車重視ならフリード、荷物重視ならフリード+ということになる。

悩むポイントは、ガソリン車かハイブリッド車かという選択だ。

ハイブリッドのほうが40万円ほど高価になっている。
この価格差を燃費差による燃料費で取り戻すのは、かなりの距離を走るような人でないと難しい。

予算重視なら、ガソリン車で十分。ハイブリッド車は、新型フィットに搭載される新ハイブリッドシステムが搭載された次期新型フリードを狙うべきだろう。
もはや、旧型になってしまうハイブリッド車を今選ぶ理由はあまり見当たらない。

おすすめグレードは、フリードのガソリン車G。7人乗りが218万2400円で、6人乗りは216万400円だ。
Gであれば、両側パワースライドドアも標準装備されているので満足度も高い。

フリードは、予防安全装備「ホンダセンシング」が標準装備されているが、なんとサイド&カーテンエアバッグはオプション設定。
これでは、安全面で不安なのでサイド&カーテンエアバッグをオプション選択する必要がある。
これに、カーナビ+オーディオなどのオプションを選択すると、車両価格はざっと250万円台くらいになる。

ホンダ フリード価格

■フリード/フリード クロスター価格

  • HYBRID CROSSTAR Honda SENSING FF 6人乗り:2,781,900円/4WD 6人乗り:3,018,400円
  • HYBRID G Honda SENSING FF 7人乗り:2,583,900円/6人乗り:2,561,900円/4WD 6人乗り 2,798,400円
  • CROSSTAR Honda SENSING FF 6人乗り 2,380,400円/4WD 6人乗り 2,616,900円
  • G Honda SENSING FF 7人乗り:2,182,400円/6人乗り:2,160,400円/4WD 7人乗り:2,418,900円/6人乗り:2,396,900円
  • B Honda SENSING FF 6人乗り:1,997,600円

■フリード+/フリード+クロスター価格

  • HYBRID CROSSTAR Honda SENSING FF 5人乗り:2,803,900円/4WD 5人乗り:3,040,400円
  • HYBRID G Honda SENSING FF 5人乗り:2,583,900円/4WD 5人乗り:2,820,400円
  • CROSSTAR Honda SENSING FF 5人乗り:2,402,400円/4WD 5人乗り:2,638,900円
  • G Honda SENSING FF 5人乗り:2,182,400円/4WD 5人乗り:2,418,900円

ホンダ フリード クロスター スペック

代表グレード:フリード ハイブリッド クロスター ホンダセンシング FF

全長×全幅×全高(mm) 4.265×1,695×1.710
ホイールベース(mm) 2,740
最小回転半径(m) 5.2
車両重量(kg) 1,430
乗車定員(名) 6
JC08モード燃料(km/L) 27.4
WLTCモード燃費(㎞/L) 20.8
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(L) 1.496
最高出力[NET](kW (PS) / r.p.m.) 81(110)/6,000
最大トルク[NET](N・m (kgf・m) / r.p.m.) 134(13.7)/5,000
モーター最高出力(kW (PS)) 22(29.5)/1,313-2,000
モーター最大トルク(N・m (kgf・m)) 160(16.3)/0-1,313
トランスミッション 7速DCT