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EUではEV車両化が進行している
クリーンディーゼル車は「減税・免税・補助金」で超厚遇の次世代環境車
燃料費は安くても、購入時の価格が高いディーゼル
ハイオクガソリンを使う輸入車ではさらに早く元が取れる?

日本で人気のディーゼル車だが、欧州では徐々にディーゼル車からEV車へシフトする動きがある。日本で人気になった大きな理由は「お得」だからだ。
日本で買いな理由やメリット・デメリットを紹介する。

EUではEV車両化が進行している

ドイツは2030年までに内燃機関をもつクルマの販売を禁止する決議案を出している。
EU全体もその流れにあり、脱化石燃料化が進むなかでEV化が注目されているのだ。
しかし、急にEVへシフトすることは難しく、しばらくの間は48VのマイルドハイブリッドやPHEVを経由してEV化を行うと予想される。

ディーゼル離れが始まった理由

EUではCO2排出量を減らす目的で、ディーゼル車が大ブームとなった時期があった。
しかし、ディーゼルエンジンへの規制がドンドンと厳しさを増していくなか、フォルクスワーゲンは排ガス規制を逃れるため不正を働いた。
また、旧規制のディーゼルでは環境を悪化させるとのことで、EURO4以前の車両は都市部に入れないなどの制限を行う国もある。
さらに、厳しくなる排ガス規制をパスするには、排ガスの浄化装置に多大なコストをかけなくてはならず、車両価格が高額になる。
価格が重視されるコンパクトカーでは、車両価格が高くなるためディーゼルを使いにくい環境になった。
そんなこともあり、欧州ではディーゼル離れが徐々に始まっている。

クリーンディーゼル車は「減税・免税・補助金」で超厚遇の次世代環境車

そんな欧州だが、日本ではディーゼル天国といった状態で、非常に手厚い免税や減税の恩恵を受けることができる。
クリーンディーゼル車は、日本で次世代環境車として位置付けられ、電気自動車や燃料電池車、天然ガス車、プラグインハイブリッド車に含まれる。

そのため、取得税撤廃前の2019年9月末までの間も取得税は非課税、そして取得税撤廃後に導入される環境性能割も非課税だ。
重量税も1回目の車検と3年後に行う2回目も免税という厚遇だ。

また、自動車税もグリーン化特例により次世代環境車であるクリーンディーゼルは、およそ75%減税される。
さらにCEV(クリーンエネルギー自動車)の対象となっていれば、補助金まで交付されるのだ。

燃料費はハイブリッド並み?クリーンディーゼルの経済性

ディーゼル車のメリットは節税だけではない。燃料費ではハイブリッド車並みになる。

燃費値はハイブリッドが勝るが、ディーゼル車に燃料として使う軽油はレギュラーガソリンよりも20円/L前後安いのだ。

例えば、マツダCX-5の4WDは16.6㎞/L(WLTCモード)だ。
1000㎞走行で約60Lの軽油を消費するため、軽油を120円/Lで計算すると必要な燃料費は7,200円になる。

同じクラスのトヨタRAV4ハイブリッド4WDの燃費は20.6㎞/Lだ。
1000㎞走ると約49Lレギュラーガソリンを消費するため、レギュラーガソリンを140円/Lで計算すると6,860円だ。

340円の差が生まれることになる。

燃料費は安くても、購入時の価格が高いディーゼル

ハイブリッド車並みの燃料費となり経済的なディーゼルだが、デメリットは車両価格が高くなることだ。

これはハイブリッド車も同じで、2.5Lガソリン車の「CX-5 25Sプロアクティブ」の価格は3,029,400円となる。
2.2Lディーゼルの「CX-5 XDプロアクティブ」の価格は3,342,600円なので、ディーゼル車の方が31万円ほど高価だ。

この価格差を燃料費で埋めるのはなかなか難しい。
ガソリン車の燃費は13.0㎞/Lなので、5年で5万㎞走行すると、約54万円のガソリン代となる。
ディーゼル車は約36万円の燃料費だ。
5万㎞走行して18万円もの燃料費差が出るものの、車両価格差31万円を燃料費で埋めるには13万円足りない計算になる。

節税分と付加価値を含めれば、納得できる価格差

こうなると、あまりメリットが無いように感じるかもしれないが、ディーゼルには節税メリットがある。
重量税3万円が1回目と2回目の車検時で計6万円減税され、自動車税が約3万円減税になる。
合計9万円減税されているので、足りなった13万円から9万円を引くと4万円の差が縮まる。

それでもCX-5の場合だと、5年5万㎞の走行では燃料費差で元を取ることができない計算になった。
CX-5の場合、2.5Lガソリン車の最大トルクは250Nmに対して、ディーゼル車は450Nmで、その差は200Nmにもなる。
この差が付加価値だとすれば、納得の範囲といえるだろう。

仮に、8万㎞走行すると、ガソリン車の燃料費は約86万円、ディーゼル車は約58万円になり燃料費差は28万円だ。
ここまで走れば、節税分含めて車両価格差を燃料費差で埋めることができる計算になる。

ハイオクガソリンを使う輸入車ではさらに早く元が取れる?

さきほどはCX-5で試算したが、車種によってはガソリン車とディーゼル車の価格差が小さいモデルもある。

先代のBMW3シリーズでは、ガソリンとディーゼルの価格差が25万円程度、メルセデス・ベンツCクラスなども26万円程度で、CX-5と比べるとその差は少ない。

さらに、輸入車のガソリン車はハイオクを使用するので、軽油との燃料費差は30円/L前後にもなる。

これで計算すると、メルセデス・ベンツC200のガソリン車の燃費は13.6㎞/L(JC08モード)なので、150円/Lのハイオクガソリンを使い5万㎞走行すると、燃料費は約55万円になる。
C220dのディーゼル車の燃費は18.9㎞/Lで、120円/Lの軽油で5万㎞走行すると燃料費は約32万円となる。

ガソリン車とディーゼル車の燃料費差は55-32=23(万円)となる。
車両価格差は約26万円なので、残り3万円まで回収できた計算だ。

この場合だと、ディーゼル車は節税額も考慮するとよりお得になる。

ランニングコスト重視と割り切れれば、クリーンディーゼルはお得

ハイブリッド車も、ガソリン車と比べると価格差が大きく、燃料費差で車両価格差を埋めるのは難しい。
それでもハイブリッド車は売れている。つまり、多くの人は高い車両価格を払っても、高い燃料費を支払い続けるのを嫌がる傾向にあるということだ。
もちろん、先進のハイブリッド車に乗りたいとか、環境に貢献したいという想いもあるだろう。

ディーゼル車にも同じことが当てはまる。
ディーゼル車の強大なトルクは、ガソリン車を大幅に上回るもので、スポーティな走りや余裕ある高速クルージングを楽しめるメリットがある。
こうした付加価値をプラスして考えれば、十分にディーゼル車はお得といえるだろう。