この記事の目次 CONTENTS
バブル期に一世を風靡したパジェロ
国内撤退…苦渋の決断の理由は?
人気オプションをプラスしながら、価格アップを抑えた特別仕様「FINAL EDITION」
買い得感もあり、今後のリセールバリューにも期待大な特別仕様車
三菱パジェロ特別仕様車「FINAL EDITION」価格

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

バブル期に一世を風靡したパジェロ

三菱は、2019年8月をもって、本格派クロスカントリー4WDであるパジェロの国内販売向けモデルの生産を終了する。
それにともない、特別仕様車「FINAL EDITION」を設定し発売を開始した。

この特別仕様車「FINAL EDITION」は、700台の限定販売だ。

パジェロは、三菱のコア技術である4WDシステムの原点ともいえるモデルで、パジェロと共に三菱の4WDシステムは進化してきた歴史がある。
まさに三菱のブランドを支えてきた1台だ。

パジェロの歴史

初代三菱パジェロは1982年に登場した。
優れた悪路走破性を持ちながら、都会的な雰囲気の本格オフローダーとして人気を得た。

一世を風靡したの2代目パジェロは1991年に登場。
フルタイムとパートタイムの両方式の長所をあわせ持つ世界初のスーパーセレクト4WDを採用した。
圧倒的な悪路走破性能を誇り、また都会的なラグジュアリー性を高めたことにより大ヒットする。
まさに、バブル期を象徴した”売れるクルマ”になった。

3代目パジェロは、1999年にデビューした。
ラダーフレーム構造からビルトインフレーム構造のモノコックボディに変更され、軽量化と高剛性化を実現させた。
高い悪路走破性を進化させながら、優れた操縦安定性と乗り心地を両立したのである。

そして、2006年に4代目となる。
定評があったスーパーセレクト4WD-IIに加え、新たにアクティブスタビリティ&トラクションコントロールなどを採用し、さらにパジェロらしい走りへ進化させた。

そして2010年には待望の3.2Lディーゼルが登場し、パジェロの魅力をさらに向上させた。

国内撤退…苦渋の決断の理由は?

度重なる不祥事が起き、三菱のブランドは大きく傷ついた。
国内販売は低迷し、絶大なブランド力を誇っていたパジェロも例外ではなく、ドンドンと存在感を失っていく。

SUVブームもあり、トヨタのオフローダーであるランドクルーザー系は好調な販売台数を誇ったが、パジェロはほとんど売れない状態になってしまった。

それでも、三菱は耐えながらパジェロ復活を信じ販売を続けていた。

しかし、歩行者保護の法規制が厳しさを増していく。
本来なら、パジェロも法規制に対応したいところなのだが、現状の販売台数では法規制に対応するための投資分が回収できない状況にまで陥っていた。
こうしたこともあり、三菱はパジェロの国内撤退を選択するという苦渋の決断をするしかなかったのだ。

人気オプションをプラスしながら、価格アップを抑えた特別仕様「FINAL EDITION」

今回投入された特別仕様車、三菱パジェロ「FINAL EDITION」は限定700台のお買い得な仕様となった。
ベースグレードは人気の「EXCEED」、搭載エンジンは3.2Lのクリーンディーゼルだ。

パジェロ「FINAL EDITION」のエクステリア(外装)は、ルーフレールと電動ロングサンルーフを標準装備した。
ボディカラーは、モノトーンのウォームホワイトパール、ブラックマイカ、スターリングシルバーメタリックに加え、3way 2toneのスターリングシルバーメタリック/アイガーグレーメタリックの4色を設定した。

インテリア(内装)はかなり豪華な仕様となった。
贅沢な本革シートとパワーシート(運転席/助手席)を標準装備し、上質感を演出している。

機能面では、豪雪地帯のオーナーも安心の寒冷地仕様を標準装備した。
極寒地域での利便性を向上させている。

また、パジェロの悪路走破性能をさらに向上させる、リヤデフロックも標準装備し、走破性能面でも隙の無い仕様としている。
さらに、サイドエアバッグ&カーテンエアバッグを標準装備した。

専用ディーラーオプションパッケージもお買い得

専用ディーラーオプションパッケージも、人気ディーラーオプションを組み合わせ、セットでリーズナブルな価格設定とした。
「FINAL EDITIONアクセサリーパッケージ」と呼ばれ、価格は122,752円(税込み:参考取付工賃14,968円)となった。
内容は、リヤデフレクター、スペアタイヤカバー(メッキ)、マッドフラップ(アルミプレート仕様)となっている。

成約プレゼントもあり!

最後の特別仕様車ということもあり、なかなか大盤振る舞い状態。成約プレゼントとして「FINAL EDITION」のロゴ&シリアルナンバーが刻印されたイルミネーション付スカッフプレート、シリアルナンバー入りのオリジナルウォッチ、オリジナルステッカーまで用意している。

買い得感もあり、今後のリセールバリューにも期待大な特別仕様車

特別仕様車三菱パジェロ「FINAL EDITION」の価格は4,530,600円となった。
ベースグレードの「EXCEED」の価格は4,282,200円、約25万円ほど価格がアップしていた。

ザックリ計算しても50万円以上の充実した装備がプラスされている。
しかも成約プレゼントまでプラスされるので、かなりお買い得感のある仕様だ。
最後の大盤振る舞いといった印象を受ける。

新車のパジェロはあまり売れなかったため、中古車の流通量は非常に少ない。
この影響もあり、パジェロのリセールバリューはなかなか良好な状態を維持している。
今後発売されないとなると、徐々にリセールバリューがアップすることも予想できる。

三菱パジェロ特別仕様車「FINAL EDITION」価格

パジェロ特別仕様車「FINAL EDITION」:4,530,600円