輸入車(外車)は、個性的でとても魅力的なモデルが多いが、価格が高価なため、そう簡単に手を出せない人も多い。しかし、車種によっては中古車であれば、非常に魅力的な価格になっているのも特徴だ。ただ、年式が古くなれば国産以上に故障などのリスクが大きくなるため、初めて輸入車を買うのであれば慎重に選びたい。
そこで、初めての輸入車選びではどんな注意が必要か?どんなクルマがお得か?をレポート。輸入車の購入を迷っている方の後押しをする記事だ。

この記事の目次 CONTENTS
1.輸入車初心者は絶対避けたい!故障リスクのあるクルマ
2.輸入車を選ぶ!走り・デザイン編
3.輸入車を選ぶ!中古車らしいお買い得感編
4.購入時は保証期間の長さをチェック
5. 初心者でもできる試乗でのチェックポイント
6.走行に大きく影響するタイヤのチェックポイント
7.お手頃な値段でも避けるべきクルマとは
8.様々な輸入中古車を試せるサービス「NOREL」

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

1.輸入車初心者は絶対避けたい!故障リスクのあるクルマ

一昔前まで、故障している輸入車が多かった。最近ではそのリスクも減ってきているが、低年式のものだと細かい故障も含めた場合、国産車以上にリスクは高くなる。このリスクを回避するには低年式や過走行車は避けた方がよい。

修理費用が高価なレア車も避けるべき

また、流通量が少ないレア車なども避けるべきだろう。どうしても、このモデルでなければダメというのであれば、修理代などを支払うために金銭面での余裕が必要だ。多くの輸入車の部品代や工賃はいまだに国産車より高価になるケースが多いからだ。

2.輸入車を選ぶ!走り・デザイン編

初めて輸入車を選ぶときに無難なのは、高年式のコンパクトカー。価格も手軽で、個性的なモデルが多い。選択肢が豊富だということは、より自分好みのモデルに出会える確率が高くなる。

完成度や走りがおすすめのドイツ車

購入後の故障リスクやメンテナンスなどを考えると、販売店の多いドイツ車を中心に選ぶことをおすすめする。
輸入コンパクトカーの中でもフォルクスワーゲン ゴルフやポロなどは、世界の自動車メーカーがベンチマークとしているモデルだけあり、その完成度はピカイチ。初めての輸入車にピッタリといえる。コンパクトカーでは数少ないFR(後輪駆動)車であるBMW1シリーズならより爽快な走りが楽しめる。

デザイン重視ならばおすすめはフランス車

デザイン的に個性的なモデルというのであれば、フランスのプジョー308や208、SUVなら3008や2008と意外と選択肢がある。同様に、ルノーもメガーヌやルーテシア、SUVならキャプチャーも魅力的だ。
また、安全性を重視するのであれば、ボルボV40という選択肢もよい。

3.輸入車を選ぶ!中古車らしいお買い得感編

フォルクスワーゲンやメルセデス・ベンツ、BMWなどといったドイツ車は、販売店も多くアフターサービス面でも安心だ。ただ、ドイツ車は人気も高くリセールバリューも高い。リセールバリューが高いと、中古車価格も高めとなるので、中古車らしい買い得感はあまりない。

コスパ重視ならばプジョーやルノー、ボルボがおすすめ

中古車の魅力のひとつはコストパフォーマンスだ。コスパ重視で選ぶと、プジョーやルノー、ボルボなどがおすすめだ。
ドイツ車以外の輸入車は総じてリセールバリューが低いので中古車価格も下がりやすく、新車より中古車のほうがコスパは高くなりやすい。

例えば、世界トップレベルの予防安全装備を誇るV40の場合、2014年式で120~140万位の予算があれば上質な中古車が選べる。新車価格は300~400万円だった高級車だ。

隠れた名車でさらにお得に購入

ドイツ車には、非常に高いパフォーマンスを持つものの、あまり人気が無いため抜群のコスパを誇るモデルがある。
フォルクスワーゲン パサートは、その典型的な例だ。当時、新車価格で330~460万円程度という高級車ながら、2015年式という高年式で160~200万円台前半の良いモデルが手に入る。
ディーラー系中古車店はやや割高傾向にあるため、掘り出し物を見つけるなら一般的な中古車店がよいだろう。
新車では人気が無くても、クルマの完成度は超一級品という隠れた名車をリーズナブルに乗れるというのも、輸入中古車選びの醍醐味でもある。

10年落ち程度であれば高級輸入車も手に入れられる

例えば、メルセデス・ベンツのフラッグシップであるSクラスがある。先代であるW221型Sクラスは、2005年から2013年まで発売された。約10年落ち程度の2008~2009年式であれば、200万円程度の予算があれば手に入れることができるだろう。新車当時は1,000万円を超えていたモデルのため、かなり割安感がある。

4.購入時は保証期間の長さをチェック

購入時は保証期間の長さをチェックしたい。新車継承の保障以外は中古車店が独自に設定していることが多い。国産車と比べると修理費が高くなりやすい輸入車では、保証期間を長く設定しておくことをおすすめする。

商談時に保証のサービスについて交渉しておく

中古車店の中には、一定の料金を支払うと保証期間が延びるサービスをしているお店がある。金額にもよるが、こうしたサービスがあれば検討してみるのもよい。商談時に有料保証サービスを無料、もしくは値引きサービスしてもらうなどの交渉もありだ。

5. 初心者でもできる試乗でのチェックポイント

お気に入りのクルマが見つかったら見積りをもらう前に試乗しよう。初心者でもできるチェックすべきポイントをまとめた。

クルマ各部に異音がないかチェック

重要なことは違和感がないかどうか。クルマの各部から出る音に耳を澄ませて、異音が無いかチェックしたい。このときラジオなどを鳴らすのは禁物だ。

走行性能に違和感がないかチェック

エンジン周りのチェックも同じく重要。エンジンは高回転までスムースに回るか、ブレーキのフィーリングに違和感が無いか、ステアリングはスムースに回るか、AT車は変速時にショックがないか、などをチェックする。

オイル漏れがないか展示場所をチェック

クルマが展示されていた場所もチェックしたい。オイル漏れなどがあればクルマを動かした際、アスファルトにオイルのシミが残っていることがある。気になるところがあれば店員に相談しよう。

6.走行に大きく影響するタイヤのチェックポイント

タイヤの状況によってクルマのフィーリングは大きく変化する。まずチェックしたいのは溝の残りだ。溝が無い場合、購入時に新品と交換しなければならない。そしてタイヤの片減りもチェックしたい。片減りしてしまうとサスペンションなどの整備が必要になる。

タイヤの古さが分かるサイドウォールのチェック

また、タイヤのサイドウォールも非常に重要なチェックポイントだ。細かいひび割れがあれば、タイヤの溝が残っていても要交換。タイヤが古くなっていて、ゴムが硬化している可能性が高い。乗り心地が悪くなるだけでなく、雨の日にタイヤをグリップしにくくなる。さらにタイヤノイズも大きくなってうるさく感じるだろう。最悪の場合、タイヤがバーストすることも考えられる。
車種にもよるが、タイヤ4本を交換すると10万円前後の費用が発生する。新品タイヤへの交換サービスを要求するか、値引きしてもらうように交渉したい。

7.お手頃な値段でも避けるべきクルマとは

クルマの骨格部分にも及ぶ大きな修理をした車両は修復歴ありと書かれ、価格は大幅に下がる。修理が軽微な場合もあるため見極めるのは非常に困難であるが、修復歴のある車両は避けたい。

修理を受けても万全の状態であるかは分からない

骨格部分を損傷し修理を受けたとはいえ、万が一事故を起こした場合、通常の骨格と同等の衝突エネルギーを吸収し分散できるかはわからない。同様に、修理前と同等レベルの走行性能を確保できない可能性もあるだろう。

8.様々な輸入中古車を試せるサービス「NOREL」

魅力的な輸入中古車だが、注意すべき点があるのも事実である。それでも色々試してみたい人におすすめなのが、中古車のガリバーが提供する「NOREL(ノレル)」というサービス。定額料金で3ヶ月毎にさまざまな車を乗り換えできる。
気になる輸入中古車をチェックしてみて、お気に入りの1台を見つけるというのもいい。保険料も含まれているため、事故をした場合のリスクもなく安心だ。(※)
こうしたサービスを利用し、興味のある輸入中古車を借りて楽しんでみるといいだろう。

※車両保険は含まれておりません。

条件次第でBMWとミニの新車に乗り続けることが可能

NORELには、BMWとミニの新車または、登録済未使用車を選べるサービスもある。加入から走行距離5,000㎞、または10カ月継続という条件をクリアしなければならないが、乗ってみたいという人にはピッタリのサービスといえるだろう。(※)

※走行距離が5000kmに満たない状態で返却された場合は、走行距離精算金が発生いたします。

修理費用なし、保険や税金も含めた月額設定

月額料金79,800円からと、やや高価に見えるかもしれない(※)。しかし、通常故障による修理費用も発生しないうえ、保険や税金も含まれているので、こうしたコストまで考えるとリーズナブルといえる。

※メンテナンス、消耗品はお客様負担となります。また、車両保険には免責(10〜60万円)がございます。