ホンダは、ハイブリッドセダンである新型インサイトを発売した。前モデルと比べてグレードアップしている機能や、性能を詳しく解説している。3つのグレードのうち、選択肢から外した方がいいグレード、購入をおススメできるグレードについても紹介した。
- この記事の目次 CONTENTS
- 1.3代目となったハイブリッドセダン「インサイト」
- 2.1クラス上のボディサイズをもつ高級セダンへ
- 3.開発コンセプトは「PRIME」、高級車らしい風格をもつデザイン
- 4.実用性の高いトランクをもつ新型インサイト
- 5.1.5LにダウンサイジングされたSPORT HYBRID i-MMDを搭載
- 6.高級セダンに相応しい予防安全装備だが・・・
- 7.ホンダ インサイトの選び方
- 8.ホンダ インサイトの価格、スペック
1.3代目となったハイブリッドセダン「インサイト」
新型インサイトは、今回のフルモデルチェンジで3代目となる。
3代目インサイトは、2代目インサイトからボディサイズが1クラスアップされた。
全長4,675㎜というボディサイズを持つため、中型セダンに分類される。
パワーユニットは、ダウンサイジングされた1.5Lのハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD」を搭載している。
JC08モード燃費は、34.2㎞/Lと低燃費を実現した。
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2.1クラス上のボディサイズをもつ高級セダンへ
3代目ホンダ インサイトは、2代目インサイトに対し、大幅にサイズが拡大された。
3代目インサイトのボディサイズは、全長4,675×全幅1,820×全高1,410mmとなる。
なんと、2代目インサイトに対して285mmも大きい。
このサイズのボディをもつ国産セダンは、意外と少ない。
レクサスISやメルセデス・ベンツCクラスなどと同等になる。
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同じプラットフォームの新型インサイトとシビック
3代目インサイトのボディサイズは、少し前に登場したシビックに近い。
なぜなら、新型インサイトには、基本的にシビックと同じプラットフォームが採用されているからだ。
シビックにはガソリンエンジンのモデルしかないが、プラットフォームが同じということは、3代目インサイトはシビックのハイブリッド版と言うことができる。
セダン強化で顧客を取り戻したいホンダ
ホンダの国内セダンマーケットは、瀕死状態と言えなくもない。
そこに新型セダンを続々と投入するには訳がある。
ホンダは今まで、セダンが売れないことを理由に、セダンマーケットからほぼ撤退していた。
そのため、以前いたホンダのセダン顧客は他メーカーに流出した。
既存顧客数の減少は、新車販売に大きな影響をもたらす。
セダンの販売台数は少なくても、次もホンダ車に乗り替えてもらうためには、セダンラインアップを強化しなくてはならないのだ。
セダンの重要性を熟知し顧客を守り続けてきたトヨタ
トヨタは、こうした営業面でセダンの重要性を熟知しているのではないだろうか。
販売台数が少ないのなら、モデルライフを長くしコストを抑え、セダン顧客の受け皿となるモデルを用意し続けてきた。
結果、顧客流出を抑えられているのがトヨタだ。
3.開発コンセプトは「PRIME」、高級車らしい風格をもつデザイン
新型インサイトの開発コンセプトは「PRIME」となっている。
「シンプルでありながら上質で、時代に流されない本質的な魅力を持つクルマ」であることを目指している。
エクステリアデザインは、「品格」がテーマだ。
ホンダのデザインは、同じプラットフォームを使っているシビックのように、ロボットのようなデザインが特徴となっている。
若々しくはあるが、中高年層から見ると少々子供っぽく見えるかもしれない。
しかし、新型インサイトでは、シビックとは全く異なるデザインが採用されている。
全体的に、高級感や上質感があり高級車らしい風格がある。
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迫力や存在感をプラスした特徴的なフロントフェイス
フロントフェイスは最も特徴的だ。
水平基調のグリルデザインが採用されており、ワイド感が強調されている。
組み合わされているクロームバーには、高級感がある。
やや睨みの効いた迫力もプラスされており、高級セダンらしい存在感となっている。
リヤ周りのデザインは、Cピラーに大きな傾斜をつけたクーペルックのルーフデザインだ。
スタイリッシュさをアピールするだけでなく、空力も意識したものだ。
4.実用性の高いトランクをもつ新型インサイト
新型インサイトのインテリアデザインは、「美しい花と甘美な蜜」がイメージされている。
少々、難解なデザインイメージだが、インパネデザインは機能的にまとめられている。
ドライバーを中心に整然と配置された数々の操作系パーツ類は、機能美を感じさせる。
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少々気になる部分として挙げるなら、センターコンソール中央に設置された8インチモニターだ。
画面サイズそのものは十分だが、設置場所が今ひとつといった印象がある。
最近では、視認性向上のため、ダッシュボード上部に設置するクルマが多い。
これは、ドライバーの視線をなるべく前方から外さないようにし、より安全運転できるようにするための配慮だ。
インサイトはセンターコンソールに配置されているため、視線がやや下がり、運転時の安全面に関し万全とは言えない。
実用性に優れたトランク容量を確保
新型インサイトは、トランクの実用性を高めるために、IPU(インテリジェントパワーユニット)をリヤシート下に搭載している。
これによって、実用性に優れたトランク容量を確保できた。
最近では、デザインが重視される傾向が強く、どのクルマもトランク容量がドンドン小さくなっている。
例えば、同じクラスのセダンだと、メルセデス・ベンツCクラスが455L、BMW3シリーズが480Lというトランク容量だ。
しかし、新型インサイトは519Lと、優れた実用性もつ。
また、重量物であるIPUをリヤシート下にすることで、前後重量バランスや重心高を下げるメリットもあり、走りの質も高めることができる。
5.1.5LにダウンサイジングされたSPORT HYBRID i-MMDを搭載
新型インサイトに搭載されたパワーユニットは、1.5Lのハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD」だ。
アコードハイブリッドに搭載されているものと基本的に同じだが、熟成を重ね1.5Lにまでダウンサイジングされている。
この1.5Lエンジンは、最大熱効率40.5%を達成しており、世界トップレベルとなる。
さらに、ハイブリッドシステムに使用されるモーター磁石の重希土類フリー化や、PCU(パワーコントロールユニット)の小型化も実現している。
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世界トップレベルの燃費値を達成した新型インサイト
1.5LのSPORT HYBRID i-MMDがあることによって、新型インサイトの燃費はJC08モードで34.2㎞/L、WLTCモードで28.4㎞/Lを達成している。
当然、このクラスでは世界トップレベルの低燃費となる。
6.高級セダンに相応しい予防安全装備だが・・・
新型インサイトは、歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備「ホンダセンシング」が全車に標準装備されている。
ホンダセンシングの機能には、以下の機能がセットになっている。
・衝突軽減ブレーキ<CMBS>
・誤発進抑制機能
・歩行者事故低減ステアリング
・路外逸脱抑制機能
・渋滞追従機能付ACC<アダプティブ・クルーズ・コントロール>
・LKAS<車線維持支援システム>
・先行車発進お知らせ機能
・標識認識機能
・後方誤発進抑制機能
・オートハイビーム
また、サイド&カーテンエアバッグも標準装備されている。
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安価な予防安全装備でさえも標準装備なし
安全性能面は高級車に相応しいレベルとなっているが、多少物足りない部分もある。
それは、後側方から接近する車両に対して注意・警告する「ブラインドスポットインフォメーション」が、エントリーグレードのLXには標準装備されていない点だ。
「ブラインドスポットインフォメーション」は、比較的安価な予防安全装備と言える。
今は、コンパクトカーのマツダ デミオにも似た装備が標準装備されている時代だ。
エントリーグレードのみであっても、この機能が装備されていないとなると、物足りないと言わざるを得ない。
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クルマは、扱い方を間違えれば人を殺す凶器になる。
このような製品を売っている以上、安価な装備である「ブラインドスポットインフォメーション」は、標準装備化されて当たり前だろう。
とくに、新型インサイトのように300万円を超えるような高級車なら、こういった装備は標準装備化していほしいものだ。
7.ホンダ インサイトの選び方
新型インサイトのパワーユニットは、1.5Lのハイブリッドのみとなる。
しかも、グレードは3つだけなので、それほど選択肢も多くない。
そのため、欲しい装備の有無で選ぶといいだろう。
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安全装備がオプションでも選択できないグレード、LX
まず、選択肢から外してほしいのは、エントリーグレードのLXだ。
「ブラインドスポットインフォメーション」が標準装備化されていないのは前述の通りだが、オプションでも選択できないのだ。
これでは、高級車としての安全装備としては物足りない。
また、豪華装備では、パワーシートもない。
300万円を楽々超える高級車なのだから、この2つの装備は欲しいところだ。
スタイリング重視ならEX・BLACK STYLEがおすすめ
残るグレードは、EXと、EX・BLACK STYLEという2つだ。
この2グレードには、ほとんど装備差が無い。
グレードの差は、ほとんど外観・内観の差となる。
EX・BLACK STYLEの外観には、専用のブラッククロームメッキフロントグリル/ブラッククロームメッキリアバンパーロアーガーニッシュが装備されているのだ。
しかしこれによって、精悍さが増したルックスになっているのは間違いない。
EX・BLACK STYLEは、EXと比べて内装素材が少し豪華になっている。
本革×ウルトラスエード&ブラック加飾のシートが装備されているのだ。
新型インサイトEXの価格は、3,499,200円となっている。
対して、EX・BLACK STYLEは、129,600円アップの3,628,800円だ。
より質感の高さと迫力あるスタイリングを重視するのなら、EX・BLACK STYLEを選ぶといいだろう。
リセールバリューを踏まえると中古車という選択も
セダン人気はそれほど高くないため、リセールバリューはあまり期待できないだろう。
ただし、新型インサイトはハイブリッド車なので、極端に価値が低くなることも考えにくい。
リセールバリューがあまり高くならないということは、中古車価格も高くならないということだ。
購入時のコストを重視するのであれば、2~3年待って、中古車という選択も賢い購入の仕方といえる。
8.ホンダ インサイトの価格、スペック
ホンダ インサイトの価格は以下の通り。
グレード名 | 価格 |
---|---|
インサイトLX | 3,261,600円 |
インサイトEX | 3,499,200円 |
インサイトEX・BLACK STYLE | 3,628,800円 |
ホンダ インサイトのスペック
ホンダ インサイトEX・BLACK STYLEのスペック情報は以下の通り。
全長×全幅×全高 | 4675×1820×1410mm |
ホイールベース | 2700mm |
車両重量 | 1390kg |
最小回転半径 | 5.3m |
エンジン | LEB-H4型 直4DOHC 1496cc |
エンジン最高出力 | 80kW(109ps)/6000rpm |
エンジン最大トルク | 134N・m(13.7kgm)/5000rpm |
モーター最高出力 | 96kw(131ps)/4000-8000rpm |
モーター最大トルク | 267N・m(27.2kgm)/0-3000rpm |
トランスミッション | 電気式無段変速機 |
JC08モード燃費 | 31.4km/L |
WLTCモード燃費 | 25.6km/L |
インサイトのカタログ情報
- 平成30年12月(2018年12月)〜令和4年12月(2022年12月)
- 新車時価格
- 326.2万円〜372.9万円
インサイトの在庫が現在5件あります
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