本格派オフローダーであるジープラングラーが約11年振りにフルモデルチェンジし発売を開始した。
- この記事の目次 CONTENTS
- 11年振りにフルモデルチェンジしたジープラングラー
- ジープの歴史を感じさせる本格派オフローダーがラングラー
- 冒険に出かけたくなるデザイン
- ラングラー史上初となるフルタイムオンデマンド4×4を採用
- ついに低燃費の直4 2.0Lターボへ
- 8速AT搭載で、より高速クルージングが快適に!
- 歩行者検知式自動ブレーキくらいは装着してほしい
- より多くの人が楽しめる本格派オフローダーに
- ジープラングラーの価格、スペックなど
11年振りにフルモデルチェンジしたジープラングラー
今回、日本で発売される新型ジープラングラーは3グレードとなった。ボディは2タイプ用意され、ショートホイールベースの2ドアである「Sport」(受注生産)と4ドアの「Unlimited」だ。2ドアの「Unlimited Sport」と4ドアの「Unlimited Sahara Launch Edition」には、改良型のV6 3.6Lエンジンを搭載。4ドアの「Unlimited Sport」には、新開発の直4 2Lターボエンジンを搭載した。
ジープの歴史を感じさせる本格派オフローダーがラングラー
世界中で、SUVが高い人気を誇っている。ほとんどの自動車メーカーが新型SUVを投入。激しいシェア争いの真っただ中だ。本格派オフローダーのイメージが強いジープブランドも同様だ。多くのSUVをマーケットに投入。SUV専門ブランド的なイメージを確立している。
そんな中、ジープブランドだがラングラーは、オフロードでの走破性を重視したクロスカントリー4WDとして独自の道を歩んでいる。しかし、世界的にクロスカントリー4WDは、少数派のモデルとなっている。
ジープ「CJ-5」の血統を受け継ぐジープラングラー
今もなおジープブランドのDNAとなっているモデルが、1955年に誕生した民間用ジープ「CJ-5」。圧倒的な走破性とタフネスさをベースにしながら、愛着がわくデザインを持っていた。そんな、ジープ「CJ-5」の血統を受け継いでいるモデルがジープラングラーなのだ。
冒険に出かけたくなるデザイン
伝統の7スロットグリルに台形ホイールアーチなど、基本スタイルは先代ラングラーとそれほど大きな変化はない。ひと目でジープラングラーと分かるデザインだ。
そのスタイルは、洗練されたSUVとは大きくかけ離れており、泥臭く武骨だ。この泥臭さや武骨さが、今時のSUVデザインに慣れたこともあり、逆に新鮮で心地よいし、なぜか、ジープラングラーを見ていると心が揺さぶられ、どこか冒険に行きたくなるようなデザインだ。
もちろん、細かいディテール部分は洗練されていて、新しさも感じる。装備類では、ヘッドライトおよびフォグライト、テールランプ、デイタイムランニングライトのすべてをLED化され、先進感もプラスされた。
インパネには最新機能が、ボディには大幅な軽量化が施された
インパネデザインは、タフネスさを感じる水平基調のダッシュボードが採用された。外観と同様に、シンプルで力強いデザインだ。装備類は、Apple CarPlay、Android Autoに対応した最新世代のUconnectを全車に搭載。スマートフォンをベースとした便利機能は、最新モデルと遜色ない。「Sport」と「Unlimited Sport」には、7インチの大型ラジオディスプレイ、「Unlimited Sahara Launch Edition」には8.4インチナビゲーションシステムを装備している。
新型ジープラングラーのボディは、大幅な軽量化が施された。ドアパネルやフェンダー、ウインドシールドフレームにはアルミを採用。スイングゲートの骨格部分や内側パネルには、軽量なマグネシウムを使用。大幅な軽量化が施された。
ラングラー史上初となるフルタイムオンデマンド4×4を採用
新型ジープラングラーのウリである走破性を支える重要な4WDシステム。この4WDシステムもフルモデルチェンジで大幅に進化した。
従来のパートタイム4x4に加え、ラングラー史上初となるフルタイムオンデマンド4×4システムが採用された。この4×4システムは、「4H AUTO」モードが加わったのが特徴だ。いわゆるオートモードなので、刻々と変化する路面や運転状況に応じて自動的に最適な前後駆動配分を行う。便利なだけでなく、突如変化する路面にも瞬時に対応できるので、より安全・安心だ。過酷なフロード以外は、ほとんど4H AUTOで対応できる。
劣悪なオフロードにも対応可の「4L」も設定
もちろん、新型ジープラングラーは本格派のオフローダーなので、劣悪なオフロードでも強力な駆動力を得ることができる「4L」も設定されている。「4H」から「4L」へパートタイムモードに切り替えや、センターデフロックも当然可能だ。
ついに低燃費の直4 2.0Lターボへ
新型ジープ ラングラーには、新開発の直4 2.0Lターボエンジンが用意された。いわゆるタウンサイジングターボエンジンで、優れた燃費性能を誇る。出力は、272ps&400Nm。V8 4.0L級の最大トルクを誇り、パワフルさもアピール。当然、アイドリングストップ機能も装備されていて、JC08モード燃費11.5㎞/Lを達成。2トン超と重い車重ながら、そこそこ良い燃費値となった。
今回のモデルは燃費向上で経済的
従来型のV6 3.6Lエンジンも改良され低燃費化されている。出力は284ps&347Nm、燃費は9.2㎞/Lとなった。先代ジープラングラーの燃費が7.5㎞/Lだったので、大幅に燃費が向上。
この2タイプのエンジンは、どちらもレギュラーガソリン仕様。輸入車としては珍しい。ハイオクガソリンよりも安いので、日本で使う上では経済的だ。
8速AT搭載で、より高速クルージングが快適に!
低燃費化されたエンジンと組み合わされたミッションは、8速ATとなった。このミッションも、低燃費化に貢献している。
また、高速クルージングでのエンジン回転数が下がり静粛性も向上。今時のSUVに近い快適なクルージングができるようになった。
使い勝手は向上したが街中ではまだ扱いにくい
こうしたクロスカントリー4WDは、悪路の走破性は抜群でも街中では扱いにくい部分もあった。今回のフルモデルチェンジでは、最小回転半径を6.2mとした。最小回転半径は、狭い道や駐車場での取り回しの良さを表す指標だ。
従来のモデルが7.1mだったので、0.9mも小回りが可能になったので、かなり扱いやすくなっている。しかし、6.2mという数値は、街中で扱いやすいと感じる数値ではない。同じオフローダーでもあるトヨタ ランドクルーザーでさえ5.9m。ホイールベースが3m級の大型ミニバン、アルファード/ヴェルファイアでも5.8m前後だ。
歩行者検知式自動ブレーキくらいは装着してほしい
新型ジープラングラーの予防安全装備は物足りない。日本では軽自動車でも当たり前になっている歩行者検知式自動ブレーキが装備されていない。
車重が重い程ほど予防安全装備が必要に
オフローダーにそうした装備は必要無いという考え方を持つオーナーもいるが、同じ道路を使うクルマである以上、事故回避ができる予防安全装備は、扱い方を間違えると人を殺すことがあるクルマを製造し販売する自動車メーカーが負わなければならない責任である。歩行者だけでなく、対クルマに対しても2トン超級の重い車重をもつジープラングラーが小型車に衝突すれば大きな事故になる可能性が高い。早急な装備が必要だ。
より多くの人が楽しめる本格派オフローダーに
従来のジープ ラングラーは、本格派オフローダーということもあり、かなり限られたユーザー向けのモデルだった。一般道などでは、快適性や使い勝手面では、最新のSUVにはかなわないので、ジープブランドに共感できても選びにくい面があった。
今回のフルモデルチェンジでは、より低燃費化されたエンジンや8速ATの装備により、経済性や快適性が大幅に向上。今までジープラングラーが気になっていたが、二の足を踏んでいた人も、新型ジープラングラーなら、それほど不満なく使えるようになったといえるだろう。
ジープラングラーの価格、スペックなど
ジープ ラングラー価格とスペックは以下の通り。
ジープ ラングラー価格
グレード名 | 価格 |
---|---|
Sport | 4,590,000円 |
Unlimited Sport | 4,940,000円 |
Unlimited Sahara Launch Edition | 5,300,000円 |
ジープ ラングラー アンリミテッドSportのスペック情報
全長×全幅×全高 | 4,870×1,895×1,845mm |
車両重量 | 1,950kg |
最高出力 | 272ps(200kW)/5,250rpm |
最大トルク | 400N・m(40.8kg・m)/3,000rpm |
種類 | 直列4気筒DOHCターボ |
総排気量 | 1,995cc |
JC08モード燃費 | 11.5km/リットル |
最小回転半径 | 6.2m |
トランスミッション | 8速AT |
ジープ・ラングラーのカタログ情報
- 平成30年11月(2018年11月)〜令和5年9月(2023年9月)
- 新車時価格
- 459.0万円〜799.0万円
ジープ・ラングラーの在庫が現在1件あります
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