メルセデス・ベンツGクラスメルセデス・ベンツは、本格派オフローダー「Gクラス」に特別仕様車「G550 4x4²(フォー・バイ・フォー スクエアード)」を設定し発売を開始した。このG550 4x4²は、期間限定の特別仕様限定車。2016年5月31日(火)までの期間限定で注文を受け付け販売される。

圧倒的な走破性と3,510万円というスーパーカー並みの価格

Gクラスは元々軍用車として開発された。その後、1979年に一般向けオフローダーとして発売されて以来、常に進化し続けているモデル。基本的なスタイリングをほぼ変えず存在し続けているボクシィなスタイルは、現在では懐かしさを超越し斬新さを感じさせるほどだ。また、本格オフローダーでありながら、インテリアは泥臭さを感じさせないラグジュアリーな室内空間になっている。この意外性が多くの富裕層のハートをつかんできた。

また、最近のGクラスは、挑戦し続けるモデルでもある。少し前には、オフローダーとしては異例なカラフルで刺激的なボディカラーをもったモデルを投入。また、多くの特別仕様車をリリースし話題を提供している。とくに、最近で話題になったのは6輪車であるG63 AMG 6×6(シックス・バイ・シックス)だ。6輪車という特殊なクルマでありながら、インテリアはラグジュアリーを極めているなどGクラスのブランドイメージをより強調したモデルだ。価格は8,000万円! それでも、あっという間に売り切れた。

インパクトが強烈だったG63 AMG 6×6が登場してから約2年。Gクラスは、再び新たなチャレンジを試みる。それが、G550 4x4²なのだ。このG550 4x4²は、37年におよぶGクラスの歴史において培った特殊車両技術を惜しみなく投入されている。特殊車両技術と呼ばれているものの多くは、軍用車としての技術が多く含まれていると思われる。

今回のモデルも、Gクラスのキャラであるオフローダーとしての悪路走破性を際立たせている。各ホイールに2本ずつ装着されるスプリング/ダンパーストラットと可変ダンパーシステムから構成される新開発のラリー強化仕様ツインサスペンションと、Gクラスの量産ボディと組み合わせた。これらにより砂地、岩場、水溜まりといった悪路に加え、通常モデルと同様に街中でも快適なクルージングを可能とし「あらゆる道」を走破できるモデルに仕上げている。

そして、まさに軍用車のノウハウともいえる「防弾仕様車」の技術をベースにした「ポータルアクスル」を採用。ポータルアクスルは、ホイールハブの中心より上方へ車軸やデフを設置できる技術で最低地上高を上げるための手法。このポータルアクスルにより、最低地上高460mm、渡河深度1,000mmが可能となった。G550が最低地上高235mm/渡河深度600mmなので、倍近い数値を叩き出している。この数値だけでも、いかに走破性が高められているかが分かる。渡河深度1,000㎜といえば、もはやちょっとしたプール並み。まさに、道なき道を進むことが要求される軍用車の技術だ。

一般的にポータルアクスルは、機能が複雑になり信頼性や車重が重くなるなどの弊害もある。しかし、特殊車両ではそう簡単に壊れては話にならない。そうした開発ノウハウが、市販車にも生かされていることが良く分かる。

メルセデス・ベンツGクラスシャーシは、量産Gクラスがベース。足回りは新しい可変ダンパーシステム「ラリー強化仕様ツインサスペンション」が採用されている。各ホイールには、平行する2本のスプリング/ダンパーストラットを搭載しているのが特徴。この2本のダンパーを使い、1本は固定された減衰特性に。もう1本は電子制御可変ダンパーを採用することで、走行状況に応じて減衰特性を変更することが可能となっている。モード切替は、スポーツモードとコンフォートモードが用意されており、センターコンソールのボタンで行う。モードの切り替え時間は、1秒以内という早さで完了する。

搭載されるエンジンは、AMG4.0L V8直噴ツインターボエンジンをベースに新開発されたM176型エンジン。最高出力422PS/310kW、最大トルク610Nmを発揮。車重は2,950㎏と超重量級。これだけ重いと、やはりこれくらいの最大トルクが無いと余裕があるとは言えないだろう。また、さすが環境先進国のドイツ車というべきか、こうした特殊なクルマであってもアイドリングストップ機能が装備されている。燃費性能は公表されていないが、4.0Lの大排気量車であれば、アイドリングストップがあるだけで、燃費性能は大きく変化する。環境時代には絶対に必要な機能と言え、こうした装備をしっかりと装着しているのは、さすがメルセデス・ベンツといったところだろう。

G550 4x4²は、ポータルアクスルにより、トレッドが1,774mm(ノーマル比+229mm)と大幅にワイド化された。さらに、325/55 R22というタイヤサイズがもつメカニカルグリップやスポーツモードを搭載する可変ダンパーシステムの採用で、本格派オフローダーでありながら、オンロードでもダイナミックな走りが可能となった。

残念ながら、少量限定生産モデルということもあり、左ハンドルのみの設定。全幅2.1mという超ワイドなボディサイズで、最小回転半径は6.3mなので、都市部では間違いなく使いにくいだろう。今の日本において、これほどの走破性をもつオフローダーで、どこを走りのか? そんな声が聞こえてきそうだが、どこを走るかというより、オフローダーとしてのパフォーマンスを極めたモデルに乗っているという満足感や希少性がG550 4x4²を所有する理由でもある。

日本で使い勝手が悪いクルマとはいえ、少しでも日本での利便性を高める日本仕様専用装備として、COMANDディスプレイやインストゥルメントクラスター内表示は日本語対応している。さらに、日本の道路事情を考慮し360°カメラシステム、パークトロニックなど本国仕様には存在しない装備も装着。少しでも使い勝手を高める工夫がされている点は、高く評価できる。

また、驚きなのは、これだけ特殊なクルマでありながら、通常販売しているメルセデス・ベンツ車両と同様に 新車購入から3年間走行距離無制限の一般保証(製品不具合の修理)・メンテナンス保証と24時間ツーリングサポートを提供する総合保証プログラム「メルセデス・ケア」が無償で適用されている点だ。

G550の価格は?新車以上の価格での売却もありえる?

メルセデス・ベンツG550 4x4²の価格は3,510万円。G63 AMG 6×6の半額以下とはいえ、もはやスーパーカー並みの価格。これだけ特別な仕様と言うのであれば、それだけの価値はある。まさに、オフロードのスーパーカーだ。ベースとなるGクラスは、リセールバリューが高く、なかなか値落ちがしないモデル。つまり、中古車でも人気が高い。G550 4x4²は、希少性の高いモデルということもあり、中古車マーケットに流出してくれば、もしかすると新車価格を上回る価格が付く可能性もあるだろう。そういう視点でも、買って損の無いモデルと言えるだろう。

■メルセデス・ベンツG550 4x4²(フォー・バイ・フォー スクエアード)価格:35,100,000

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