「シリーズハイブリッドのe-POWER搭載で勝負！」日産セレナe-POWER新車購入ガイド

この記事の目次 CONTENTS: ハイブリッドシステム「e-POWER」を搭載！; ノートe-POWERは爆発的に売れた！; 「初代か新型か？」どちらのモーターが重要？; e-POWERのシステムの進化に期待が！; セレナe-POWERに「キャプテンシートを採用！」

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡智彦氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車＆中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

ハイブリッドシステム「e-POWER」を搭載！

東京モーターショーで、日産は人気ミニバンであるセレナにシリーズハイブリッドシステムとなるe-POWERを搭載した新型日産セレナe-POWERハイウェイスターを出展した。

e-POWERとは、エンジンで発電した電気でモーター駆動で走るシリーズハイブリッドシステムだ。日産は2016年11月に、コンパクトカーのノートに搭載した。このe-POWERに使われているモーターは、電気自動車（EV）の初代リーフのものを流用。254Nmという大トルクを誇り、とても力強い加速力をもつ。

ノートe-POWERは爆発的に売れた！

この強力なモーターのトルクが、他社のパラレルハイブリッド車とは明確に異なる走行フィールであったことがヒットの要因となり、ノートe-POWERは爆発的に売れた。

さらに、コスト面で協調回生ブレーキを備えていないことを逆手に取り、アクセルペダルをオフにしたときの回生ブレーキを緻密にコントロール。アクセルペダル操作だけで、停止までできるe-POWERドライブと呼び、新たな技術として提案。すでに、電気自動車のBMW i3がこうした仕組みを使っていたが、アクセルとブレーキの踏み換え操作が少なくなることから疲労の少なくなるというメリットを提示。これも、ライバル車にはないドライブフィールをもつことから、ノートe-POWERが売れた理由のひとつとなった。

「初代か新型か？」どちらのモーターが重要？

日産はノートe-POWERのヒットで、e-POWERシステムが売れる仕組みであることに自信をもった。そこで、国内専用車であるセレナに搭載することを決めた。

今のところセレナe-POWERのシステムの内容は公開されていない。ただし、ノートe-POWERのようにリーフのモーターが使われることは想像できる。そこで、重要なのが初代リーフの254Nmモーターか、新型リーフの320Nmモーターかというのが重要になる。

というのも、セレナは1,700㎏弱の重量をもつ。254Nmのモーターでもガソリンエンジンと比べれて十分なトルクといえるが、ノートe-POWERのようにライバルを圧倒するような爽快な加速感は得られないだろう。それでは、e-POWERを搭載する意味が無くなるし差別化もできない。

しかし、モーターが2代目リーフの320Nmモーターとなれば、5ナンバーミニバンとは思えない力強い加速力が魅力となる。日産がどちらを選択したかというのも注目される。

e-POWERのシステムの進化に期待が！

さらに、e-POWERのシステムそのものも進化していることに期待したい。

ノートe-POWERは、ある意味簡易型のシリーズハイブリッドシステム。エンジンは、ただ発電するだけのために存在する。とにかくモーターだけで走るのだが、モーターよりエンジンで走ったほうが効率的な部分も多い。

そのため、ノートのe-POWERシステムは、低速域となる市街地ではライバルのハイブリッド車より燃費が良いが、速度域がやや上がるとライバル車に負けてしまう。ノートは、コンパクトカーなので、市街地での走行が多いのでこうした選択もありだろう。ただし、セレナは多人数乗車で高速道路などを使い遠出するクルマとしての価値が問われる。現状のe-POWERのままでは、高速道路などでの効率が悪く、低燃費になりにくい。

こうならないようにするためには、エンジンの出力を駆動力に変えるという仕組みが必要になる。この仕組みだと、アウトランダーPHEVと同じようなシステムが必要になる。三菱は日産の関連会社になったので、アウトランダーPHEVの仕組みを流用できれば解決できるが、現状ではまだ早過ぎるといった印象だ。セレナe-POWERには、どんな新しい技術が投入されるのかというのにも注目したい。