1. 目次
  2. ■ コンパクトSUVのパイオニアでもある三菱RVRの歴史
  3. ■ 歩行者検知式自動ブレーキを用意し、競争力をアップ
  4. ■ よりSUVらしさを強調した内外装デザイン
  5. ■ オレンジが鮮やかな特別仕様車アクティブギア
  6. ■ 三菱RVRの選び方


 

コンパクトSUVのパイオニアでもある三菱RVRの歴史

 

三菱RVR三菱は、コンパクトSUVの「RVR」に歩行者検知式自動ブレーキなどを用意するなど一部改良を施し発売を開始。同時に、特別仕様車「ACTIVE GEAR(アクティブギア)」を新設定した。

現行のRVRは3代目となる。初代、2代目ともにやや背高のボディにスライドドアを組み合わせた個性派クロスオーバーモデルだった。今でこそコンパクトSUVがブームだが、RVRは1990年代から、こうしたモデルをマーケットに送り続けたパイオニア的存在だ。

 

SUVらしさが増した3代目

2010年に登場した3代目RVRは、スライドドアをやめ、ややSUV的なデザインを採用。RVRのボディサイズは、全長4,365×全幅1,770×全高1,630mmとなっていて、ホンダ ヴェゼルやマツダCX-3がライバルになる。全幅もなかなかワイドで、全高も高めなので近くで見ると意外と大きく見える。

RVRは、モデル途中でマイナーチェンジや一部改良が施されている。搭載されるエンジンは、1.8LエンジンでCVTと組み合わせ。改良を加えてきたと言っても、2010年に登場したモデルなので設計がやや古い。そんなこともあり、最新モデルでさえ燃費は15.4㎞/Lと少々物足りない。同様に、自動ブレーキの装備も遅れ、ライバルに対して競争力があるとはいえない状況だった。

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歩行者検知式自動ブレーキを用意し、競争力をアップ


三菱RVRやや競争力に欠けるRVRなのだが、そのハンデを補うべく今回の改良では歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備である「e-Assist(イー・アシスト」を上級グレードのGに標準装備。エントリーグレードのMには、オプション設定。せっかく用意した安全装備を全車標準装備化しなかった点は物足りない。

とはいえ、コンパクトカーの中には、未だ対車両のみの簡易型自動ブレーキしか用意していないなどのメーカーがある。こうしたことを踏まえれば、積極的に歩行者検知式自動ブレーキを用意した点は評価できる。また、このe-Assistは、その他に車線逸脱警報(LDW)やオートハイビーム(AHB)機能をもつ。

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スマートフォン連動のオーディオも用意



装備面では、今では必須といえるディスプレイオーディオにスマートフォンとの連携機能を追加したスマートフォン連携ディスプレイオーディオ(SDA)をオプション設定した。このSDAは、7インチ画面のタッチスクリーンで、FM/AMラジオやBluetooth接続による音楽再生やハンズフリー通話ができる。

スマートフォン連動なので、AndroidスマートフォンやiPhoneをUSBポートにつなぐことで、Android AutoとApple CarPlayに対応したアプリケーションが使用できる。この機能があれば、スマートフォンのナビ機能が使えるようになるので、あえて車載ナビを購入する必要がないのもメリットだ。

ただ、SDA+6スピーカー+ステアリングオーディオリモコンスイッチ&シフトノブがセットでオプション設定で、価格は140,400円。車載ナビが十分に買えてしまう価格なので、コストパフォーマンス面ではやや微妙な装備となる。
 

 

よりSUVらしさを強調した内外装デザイン


三菱RVRRVRは、2017年2月に三菱の共通デザインとなっているダイナミックシールドを採用。今回の改良では、エクステリアデザインがさらに変更されている。フロントバンパーとフロントグリル、リヤバンパーのデザインを変更し、テールゲートにメッキガーニッシュを採用した。全体的に、よりSUVらしい力強い精悍さがプラスされている。

装備面では、LEDデイライトを上級グレード「G」に標準装備された。

インテリアでは、センターパネル、シフトポジションインジケーターパネル、フロアコンソールのデザインを変更。フロアコンソールニーパッドも追加されている。そして、スマフォ時代に対応し、フロアコンソール前方へ取り外し可能なスマートフォントレイを装備。インパネ下部に充電用に使えるUSBポートを装備。車内でスマートフォンの充電を用意にしている。

シート記事には、心地よい手触りのスエード調人工皮革を座面及び背もたれ面に採用した合成 皮革とのコンビネーションシートを、上級グレードの「G」にオプション設定。赤いステッチを施し、オシャレな雰囲気を演出している。

 

 

オレンジが鮮やかな特別仕様車アクティブギア


三菱RVRこの改良されたRVRをベースとし、オレンジのアクセントカラーがにした特別仕様車「ACTIVE GEAR(アクティブギア)」が新設定された。アクティブギアという特別仕様車は、すでにデリカD:5に設定されている。このデリカD:5アクティブギアが、大ヒットした。この流れを受けて、RVRにもアクティブギアが設定された。いわゆる二匹目のどじょう狙いでもある特別仕様車だ。デリカD:5も同様だったが、色見の変更だけでこれほど新鮮に見えるというのはなかなか面白い。

style_img_3特別仕様車の外観は、LEDデイライトカバーとウインカー付電動格納式リモコンドアミラーをオレンジとした。フロントスキッドプレートと17インチアルミホイール、ベルトラインモールをブラックで統一。また、メーカーオプション設定していたルーフレールを標準装備化している。テールゲートには「ACTIVE GEAR」専用デカールを装着した。

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アクセントカラーが映える仕上がりに

ボディカラーには、チタニウムグレーメタリック、ホワイトパール(有料色)、ブラックマイカの3色が設定されている。ダーク系のボディカラーの方が、オレンジのアクセントカラーがより映えて見える。

三菱RVR特別仕様車のインテリアは、ステアリングホイール、シフトノブ、センターアームレスト、フロアコンソールニーパッド、パーキングブレーキレバーにオレンジのステッチを施した。また、ヒーターコントロールダイヤルをオレンジに変更し、オレンジのアクセントカラーを上手く使用。特別感のある仕上がりになっている。

シート生地も変更されている。標準車ではメーカーオプション設定としていたスエード調人工皮革のコンビネーションシートを標準装備し、ステッチをオレンジとシルバーに変更した。また、ドアトリムに合成皮革を採用し、上質感を演出している。

 

充実した装備・専用パーツ


この特別仕様車RVRアクティブギアの装備は、なかなか充実しているのが特徴だ。メーカーオプション設定としていたスマートフォン連携ディスプレイオーディオ(SDA)や、フロントシートヒーター、運転席パワーシートを標準装備。満足度の高い仕様としている。

三菱RVRさらに、RVRアクティブギアの魅力をアップする専用パーツも用意。専用パッケージオプションとして設定されている。これは、「ACTIVE GEAR コンプリートパッケージ」として、ディーラーオプション設定となった。価格は115,841円。

装備の内容は、[1]「ACTIVE GEAR」ロゴのアルミホイールデカール、[2]サイドデカール(オレンジ)、[3]リヤアンダーガーニッシュ(オレンジ)、[4]大型テールゲートスポイラー(ブラック)、[5]専用のフロアマット(ブラック&オレンジ)となる。

オプション設定とはいえ、アクティブギアを選んだ瞬間からこのオプションの選択は必須ともいえる。このACTIVE GEAR コンプリートパッケージを装備しないと、RVRアクティブギアの魅力が半減するように見えるからだ。

 

三菱RVRの選び方


三菱RVRの選び方は、もはやアクティブギア一択しかない状況になっている。エンジンは1.8Lのみなので、選択は不要。後はFFか4WDという選択くらいだ。4WDは25万円ほど高価になる。積極的にウインタースポーツしているとか、降雪地域に住んでいるなどでなければFFで十分だろう。

また、アクティブギアでは、スマートフォン連携ディスプレイオーディオ[SDA]がオプションとなっている。約14万円と高価なオプションなのだが、スマートフォンとの連携は何かと便利なので積極的に選びたいオプションといえる。

 

リセールバリューは期待できない

購入時に注意したいのが、RVRのリセールバリューだ。RVRのリセールバリューは、ほとんど期待できない。そのため、短期の乗り換えに向くクルマではないので、乗り潰すつもりで購入したい。その上で、よりコストパフォーマンスを上げるには、しっかりとライバル車と競合させて、値引きを引き出すことも重要だ。

また、こうしたこともあるので、RVRは短期の乗り換えには向かない。また、三菱ディーラーでは、下取り車の再販能力も期待できないので、高値がつきにくいだろう。そのため、必ず買取り店に行き査定しておいて、より高いところへ売ることを考えておこう。

■三菱RVR価格
・M 2WD 2,058,480円/4WD 2,295,000円
・G 2WD 2,304,720円/4WD 2,541,240円
・特別仕様車 ACTIVE GEAR 2WD 2,520,720円(SDA装着)/2,455,920円(SDA非装着)
・特別仕様車 ACTIVE GEAR 4WD 2,757,240円(SDA装着)/2,692,440円(SDA非装着)

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執筆者プロフィール
クルマ評論家 CORISM代表
大岡 智彦 氏

CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。


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