シトロエンは、主力コンパクトカーである「C3」をフルモデルチェンジし発売を開始した。

SUV?5ドアハッチバック?微妙なデザインの新型シトロエンC3


シトロンC3
新型シトロエンC3は、このモデルで3代目。2代目2010年、2代目は2002年に登場している。C3は、Bセグメントに属しシトロエンを支える基幹車種だ。従来のC3は、一般的な5ドアハッチバックのスタイルを踏襲してきた。

ところが、新型シトロエンC3は、SUVなのか普通のハッチバックなのか区別が難しいクロスオーバーモデルとして登場した。パッと見た目は、ややSUV色が強いモデルに見える。 フロントフェイスは、日産ジュークをオマージュしたようなデザインをもつ。

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デザインのキー・シグネチャーとなる可能性が高いエアバンプ

シトロンC3そして、サイドビューは、なかなか個性的。ドアモールを大型化したようなデザインは、エアバンプ(Airbump)と呼ばれる。この装備は、すでに登場しているC4 カクタスでも話題になった。

エアバンプは、エア封入の軟素材でボディをキズから守る機能を併せ持つ。凹凸が付けられたデザインは、6つの空気入りカプセルから作られている。
こうした素材は、経年劣化で白っぽく変色する傾向がある。しかし、エアバンプは強化されたポリウレタン素材で作られていて、紫外線や降雨、経年劣化、キズなどに対しても高い耐性を誇る。このエアバンプは、機能とデザイン性を両立しており、これからのシトロエンデザインのキー・シグネチャーとなる可能性が高い。

全長は国産でCX-3やヴェゼルがライバル


シトロンC3C3のボディサイズは、3,995×1,750×1,495mm。全幅はやや広い。この広さがどっしりとした安定感を出している。全長ベースでは、Bセグメントのコンパクトカーとなる。

意外なのは全高で、1,495㎜しかない。この全高は、CX-3の1,550㎜より100㎜も低く、一般的なコンパクトカー並み。ところが、最低地上高は160㎜もあり、SUV車としてラフロードも十分に対応できるレベルにある。この160㎜という最低地上高は、CX-3と同じだ。全体的に背の低いクロスオーバーSUV的ルックスになっているのがC3ということになる。

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インテリアは、高級素材を使わず質感の高さを上手く表現


シトロンC3C3のインテリアは、水平基調のシンプルなデザインをベースとしている。細部デザインは、エクステリアデザインと同じく全体的に丸みを帯びているのが特徴。
さすがシトロエンと思わせるポイントは、インテリア素材。高級素材を使っているわけではないのに、質感の高さを上手く表現している。
使い勝手面では、荷室の容量が300Lとなった。このクラスでは、平均的なスペースといっていいだろう。とくに広いというわけではない。

ドライブレコーダーのような機能をもつコネクテッドカムシステム

シトロンC3
C3には、新たに自動車史上初となる「シトロエン・コネクテッドカムシステム」が搭載されている。やや大げさなのだが、この機能はドライブレコーダーのようなものだ。国内のアフターマーケットでは、一般的な機能でカメラとGPSセンサー、16GBメモリーを内蔵した207万画素のフルHDカメラをフロントウィンドー中央部に装着。画角120のレンズを通して景色を録画。広画角ため、ドライバーがフロントウィンドー越しに見た視野に近いのが特徴だ。

事故などで衝撃を感知した場合、自動的に記録モードに

そして、本体のボタンを押すことで写真として残すことができ、ボタンを押し続ければ20~60秒の動画撮影可能となっている。保存されたデータは、無料のスマートフォン・アプリを使ってアクセスできるなどなかなかの拡張性を誇る。

最も重要なドライブレコーダー機能は、事故などで衝撃を感知した場合、システムは自動的に記録モードとなり、衝撃の前30秒、後60秒の動画を記録する。また、GPSセンサーが捕捉する位置情報は、アプリを使って取得できるため、車から離れた後も車両位置を知ることができる

ついに、レベルの高い安全装備が標準装備!


そして、遅れていた歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防装備も装備され、高いレベルに達した。さらに、エアバック類も充実。サイド&カーテンエアバックも標準装備化されている。国産Bセグメントのコンパクトカーと比べると、かなりレベルの高い安全装備が標準装備化されており高く評価できる。

出力重視のガソリンエンジン!


シトロンC3C3には、1.2L直3ターボエンジンが搭載された。これに、6速ATが組み合わされており、110ps&205Nmという出力を誇る。C3の車重は1160㎏なので、なかなか力強い走りが楽しめる。



燃費は不十分、ハイオク仕様のみ

ただし、C3の燃費性能は、18.7㎞/L。国内で1.2Lスーパーチャージャーを搭載する日産ノートの燃費が26.2㎞/L、1.2Lターボのフォルクスワーゲン ポロが22.2㎞/L。燃費性能は、良くない。これは、やや出力重視にした結果。そのため、C3の方が出力は大きくパワフルだ。

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ただ、燃費は物足りない上に、燃料は高価なハイオク仕様となると、燃料費を気にする日本マーケットでは厳しい戦いになる。日本マーケットは、車両費そのものより燃料費などのランニングコストを気にする傾向が強い。そう考えると、車両価格は多少高くなっても燃料が安いディーゼルモデルの投入が重要だ。ディーゼルモデルなら、エコカー減税にも十分対応できるという節税メリットも顧客に提示できる。

シトロエンC3の選び方


シトロンC3シトロエンC3の選び方は簡単だ。エンジンは、1.2Lターボの1種類で、グレードは2タイプとシンプル。装備差で選べばいいだけだ。


C3 FEELは安全装備が充実

グレードは、C3 SHINEとC3 FEELの2タイプが用意されている。C3 SHINEの価格は239万円。C3 FEELは216万円で価格差は23万円。国産Bセグメント車に比べると価格はやや高めに見えるが、安全装備が充実している分高めといった印象だ。
装備差は、バックカメラやブラインドスポットモニター、バイトーンルーフ 、コネクテッドカム、スマートキー/エンジンスタートボタン、16インチアルミホイールなど。この装備差で23万円アップというのは、まぁ、妥当なところといった印象。バックカメラやブラインドスポットモニターは、毎日のように使う頻度の高い安全装備。今時、スマートキーくらいは欲しい。

オシャレな雰囲気が希望なら上級グレードのC3 SHINEがおすすめ

また、よりオシャレな雰囲気になるバイトーンルーフも欲しい装備のひとつだ。こうなると、おすすめは上級グレードのC3 SHINEとなる。装着を考えたいオプションは、パノラミックガラスルーフやナビ程度となる。

気を付けるポイントはリセールバリュー

気を付けないとならないのは、リセールバリューだ。シトロエンは、総じてリセールバリューがそれほど高くならない。短期での売却は、負担が大きくなる。長期間乗るつもりで選ぶといいだろう。

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シトロエンC3価格


シトロエンC3の価格は以下の通り。

・C3 SHINE 239万円
・C3 FEEL 216万円

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執筆者プロフィール
クルマ評論家 CORISM代表
大岡 智彦 氏

CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。

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