
2011年にホンダの軽自動車の総称Nシリーズ第1弾としてN-BOXはデビューした。Nシリーズは、ホンダ軽自動車の立て直しを図るためのブランドだ。そのため、かなり気合の入った開発がされた。気合いが入っているのには訳があった。2011年当時、日本は超円高状態で、日本生産モデルを海外へ輸出すれば、とにかく大きな赤字になるような状況。ホンダも円高対策のため、現地生産化を加速させた。しかし、ホンダの基幹工場ともいえる鈴鹿工場の稼働率が落ち、雇用を維持できない状況になっていた。
そこでホンダは、鈴鹿の多くの仲間を失わないために、軽自動車を再生し鈴鹿工場で生産すること決める。軽自動車は、日本専用車であることから輸出することが無い。つまり、為替レートの変動は受けないからだ。すでに、軽自動車の人気は高まっており一定の生産台数は確保できる見込みもあった。当時、軽自動車のヒットモデルは、約17万台/年という販売台数を誇っていたのだ。しかし、ホンダの最も売れていた軽自動車ライフは約6.5万台。人気モデルの半分以下である40%ほどしか売れていなかったのだ。つまり、ホンダから見れば、魅力的な軽自動車をリリースすれば、まだまだ伸びしろがあるということになる。
そこで生まれたのがN-BOXだ。全高は1,770mm、ホイールベース2,520㎜と、当時は最も背が高くクラストップの室内スペックを誇った。これは、ホンダのM・M(マン・マキシマム、マシン・ミニマム)思想を体現するセンタータンクレイアウトを採用するなどし実現している。この広大な室内スペースが評価され、N-BOXはイッキに人気モデルとなる。
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N-BOXは、すでに6年目に入りモデル末期となっている。しかし、モデル末期でありながらダイハツ タントと激しい販売戦争を繰り広げ、2015年度販売台数ナンバー1となった。この販売台数には、N-BOXの派生車であるN-BOX+やN-BOXスラッシュなども含まれているので、タントよりやや有利な状況。もはや、軽自動車の定番商品化されたといってもいい。軽自動車の多くは、4年前後でフルモデルチェンジするケースが多い。すでに6年目のN-BOXは、すでに初期投資分は楽に回収済みであることが予想できるので、かなりの高収益を上げているだろう。
さらに、販売台数を伸ばし2016年度も販売台数ナンバー1を狙うために投入されたのが、特別仕様車「SSパッケージ」だ。SSとは鈴鹿スペシャルの略。SSパッケージは、人気装備をプラスし、ややお買い得な価格設定としている。燃費面では勝負にならない部分や、多少古くなってきたこともあり、価格競争力をより磨き販売台数を伸ばす作戦だ。
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最も安い価格設定となっているのがG特別仕様車SSパッケージで146万円。標準仕様のG・Lパッケージグレードは137万円なので、9万円も高という設定だ。しかし、この9万円で、ディスチャージヘッドライト、パワースライドドア(リア右側)、シートヒーター、など多彩な装備がプラスされている。装備内容を考えると、ややお買い得といった印象。全般的に、N-BOXを買うのなら特別仕様車だね、という仕様になっている。
ただし、安全装備は物足りない状況だ。歩行者検知式の自動ブレーキが用意されていないだけでなく、低速域の簡易型自動ブレーキさえもオプション設定のままだ。当然、G特別仕様車SSパッケージもオプション設定という残念な状態。燃費や自動ブレーキ関連の安全装備では、ライバルに大きく遅れをとっているのだから、せめて標準装備にしてほしいところだ。オプションで用意されているのは、30㎞/h以下で作動する簡易型の自動ブレーキとサイド&カーテンエアバッグをセットにしたあんしんパッケージ。このあんしんパッケージは、必ず装備したい。
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裏技的な商談手法となるが、タントの未使用車の見積もりもとっておきたい。ダイハツは、N-BOXとの販売戦争でかなり自社登録したようで、中古車マーケットに未使用車が大量発生中。未使用車は、登録しただけなので、ほぼ新車コンディション。これが、新車を買うのがバカバカしくなるほど安いのだ。また、N-BOXはそれほど多くないが未使用車も売られている。こうした届出済み未使用車の見積もりも同時に取って商談すれば、一定の値引き額が引き出せる可能性が高い。「新車もいいけど、未使用車の価格は魅力的」というようなスタンスで商談するといいだろう。
N-BOXを最大限に値引く方法は?N-BOXの新車情報・値引き攻略の特集記事はこちら▶︎▶︎
N-BOXは、人気車ということもありリセールバリューは高め。とくにカスタム系は、より高いリセールバリューが期待できる。ただ、N-BOXは、いつフルモデルチェンジしてもおかしくないので、すぐに旧型になる可能性もある。フルモデルチェンジしてしまえば、リセールバリューはイッキに落ちるので注意が必要だ。
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ホンダN-BOX/N-BOXカスタム
■N-BOX
・G特別仕様車SSパッケージ FF 1,460,000円/4WD 1,590,000円
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・G特別仕様車ターボSSパッケージ FF 1,620,000円/4WD 1,750,000円
■N-BOXカスタム
・特別仕様車SSパッケージ FF 1,645,000円/4WD 1,775,000円
・特別仕様車ターボSSパッケージ FF 1,750,000円/4WD 1,880,000円
■N-BOX 2トーンカラースタイル
・G特別仕様車SSパッケージ FF 1,519,400円/4WD 1,649,400円
・G特別仕様車ターボSSパッケージ FF 1,679,400円/4WD 1,809,400円
■N-BOXカスタム2トーンカラースタイル
・特別仕様車SSパッケージ FF 1,704,400円/4WD 1,834,400円
・特別仕様車ターボSSパッケージ FF 1,809,400円/4WD 1,939,400円
■N-BOXカスタム
・特別仕様車SSブラックスタイルパッケージ FF 1,645,000円/4WD 1,775,000円
・特別仕様車ターボSSブラックスタイルパッケージ FF 1,750,000円/4WD 1,880,000円
ホンダ N-BOX特別仕様車、主な特別装備内容
1.N-BOX G特別仕様車 SSパッケージ/ターボSSパッケージ
(G・Lパッケージ/G・ターボLパッケージの装備に加えて)
・ディスチャージヘッドライト
・パワースライドドア(リア右側)※2
・オートリトラミラー
・チップアップ&ダイブダウン機構付スライドリアシート
・運転席&助手席シートヒーター※3
・シートバックテーブル
・親水/ヒーテッドドアミラー+フロントドア撥水ガラス※3
・LEDルームランプ(フロントマップ/ラゲッジルーム)
・あんしんパッケージ※4、5(SSパッケージはメーカーオプション)
2.N-BOX Custom特別仕様車 SSパッケージ/ターボSSパッケージ
(G・Lパッケージ/G・ターボLパッケージの装備に加えて)
・エアコンアウトレットダブルリング
・パワースライドドア(リア右側)※2、5
・チップアップ&ダイブダウン機構付スライドリアシート
・運転席&助手席シートヒーター※3
・シートバックテーブル
・親水/ヒーテッドドアミラー+フロントドア撥水ガラス※3
・LEDポジションランプ※5
・LEDフォグライト/フォグライトガーニッシュ※5
・あんしんパッケージ※4(SSパッケージはメーカーオプション)
3.N-BOX G特別仕様車
SSパッケージ2トーンカラースタイル/ターボSSパッケージ2トーンカラースタイル
(G・Lパッケージ 2トーンカラースタイル/G・ターボLパッケージ 2トーンカラースタイルの装備に加えて)
・ディスチャージヘッドライト
・パワースライドドア(リア右側)※2
・オートリトラミラー
・チップアップ&ダイブダウン機構付スライドリアシート
・運転席&助手席シートヒーター※3
・シートバックテーブル
・親水/ヒーテッドドアミラー+フロントドア撥水ガラス※3
・LEDルームランプ(フロントマップ/ラゲッジルーム)
・あんしんパッケージ※4(SSパッケージ 2トーンカラースタイルはメーカーオプション)
4.N-BOX Custom特別仕様車
SSパッケージ 2トーンカラースタイル/ターボSSパッケージ 2トーンカラースタイル
(G・Lパッケージ 2トーンカラースタイル/G・ターボLパッケージ 2トーンカラースタイルの装備に加えて)
・エアコンアウトレットダブルリング
・パワースライドドア(リア右側)※2、5
・チップアップ&ダイブダウン機構付スライドリアシート
・運転席&助手席シートヒーター※3
・シートバックテーブル
・親水/ヒーテッドドアミラー+フロントドア撥水ガラス※3
・LEDポジションランプ※5
・LEDフォグライト/フォグライトガーニッシュ※5
・あんしんパッケージ※4(SSパッケージ 2トーンカラースタイルはメーカーオプション)
5.N-BOX Custom特別仕様車
SSブラックスタイルパッケージ/ターボSSブラックスタイルパッケージ
(G・Lパッケージ/G・ターボLパッケージの装備に加えて)
・オールブラック14インチアルミホイール(ターボには15インチを適用)
・黒塗装フロントグリル
・エアコンアウトレットダブルリング
・パワースライドドア(リア右側)※2、5
・チップアップ&ダイブダウン機構付スライドリアシート
・運転席&助手席シートヒーター※3
・シートバックテーブル
・親水/ヒーテッドドアミラー+フロントドア撥水ガラス※3
・LEDポジションランプ※4
・LEDフォグライト/フォグライトガーニッシュ※5
・あんしんパッケージ※4(SSパッケージはメーカーオプション)
・ブルーステッチ(ステアリングホイール/合皮コンビシート)※6
※2タッチセンサー/挟み込み防止機構付き、リモコン&運転席スイッチ開閉式
※34WD車は標準装備
※4衝突や発進時における事故被害の軽減と衝突回避支援を行い、安全運転をサポートするシティブレーキアクティブシステム、前席用i-サイドエアバッグシステム+サイドカーテンエアバッグシステム(前席/後席対応)をセットにしたパッケージ
※5ターボSSパッケージ(2トーンカラースタイル/ブラックスタイルパッケージ含む)は標準装備
※6ターボSSブラックスタイルパッケージのみに適用