人気中古車 高級セダン おすすめランキング2016秋

コリズム編集長で車評論家の大岡氏に、この秋おすすめの中古車・高級セダンを聞きました。
しかも今回は、中古車選びの醍醐味でもある「知名度が低く新車では人気薄のため、実は非常に良いクルマなのにお買い得!」な安くて良いクルマも、「裏車種」として厳選してもらいました。

セダンとは?
今でこそミニバンやコンパクトカーが主流となっていますが、以前は乗用車といえばセダンを指すほどの定番車種でした。走りの良さや快適性など、クルマとしてのバランスが取れているのが魅力です。
コンパクトカーのように価格が手ごろなものから、高級感をウリにしたもの、スポーツタイプなど、細かいバリエーションも豊富に用意されています。それぞれに特長があり、ある意味選択肢が多いジャンル(車種)といえるでしょう。
  • RANKING BEST 1日産 スカイラインハイブリッド

    日産 スカイラインハイブリッド

    2014年に登場したスカイラインハイブリッド。北米の高級車ブランドであるインフィニティのエンブレムを装着してデビューした。国内ではスカイラインと呼ばれるが、クオリティはインフィニティレベルだ。スカイラインハイブリッドは、3.5L V6エンジン+1モーター2クラッチ方式のハイブリッドシステムを搭載。圧倒的なハイパワーと低燃費を両立している。FR(後輪駆動)ということもあり、なかなかスポーティな走りも魅力的。ただ、このクラスのセダンは日本では人気がない。そのため、中古車価格は買い得感がかなり出てきており、中古車としておすすめの1台だ。

  • RANKING BEST 2フォルクスワーゲン パサート

    フォルクスワーゲン パサート

    パサートは、2015年にデビューしたばかりのモデル。フォルクスワーゲンのセダン&ワゴンの中で、フラッグシップとなる高級車だ。エンジンは1.4Lターボのみを搭載。20.4㎞/Lというこのクラスではトップレベルの低燃費性能を実現している。また、自動ブレーキ関連の安全装備やエアバック類も高いレベルのものが装備され、クルマの総合力は非常に高いが歴代パサートは人気がない。そのため、中古車になった途端、価格は急激に落ちている。クルマの性能は超一級なので、中古車としてはかなり魅力的なクルマといえる。

  • RANKING BEST 3ボルボ S60

    ボルボ S60

    S60は流通量が少ないため、裏3位とした。S60は、2011年のデビュー当時から歩行者検知式の自動ブレーキが用意されており、世界トップレベルの安全装備を得ていた。ボルボの歩行者検知式の自動ブレーキ「ヒューマンセーフティ」は、デビュー当時、一部オプション設定だったが、後に全車標準装備されている。この装備は、今でもトップレベルの実力。搭載されるエンジンは、当初1.6Lターボがメインだったが、その後何度か改良され1.5L&2.0Lターボや2.0Lクリーンディーゼルが用意されている。非常に高い安全性能をもつS60だが、ボルボは全般的にリセールバリューが低いため、中古車価格も安い。コストパフォーマンスに優れた中古車になっている。

中古車オススメランキングの3台を比較

燃費・経済性
  • スカイラインハイブリッド

    V6 3.5Lという大排気量エンジンにハイブリッドシステムをプラスすることで、18.4㎞/Lという燃費を実現している。この数値は、輸入車の2.0Lターボエンジンを搭載したPHEV車のハイブリッド燃費より優れている。自然吸気の3.5Lエンジン車と比べると、倍近い燃費となっていて、経済性は高い。ただし、ハイオク仕様となりガソリン代がやや高くなるのが残念なポイントだ。なかなか優れたクルマだが、スカイラインハイブリッドの人気は今ひとつ。リセールバリューも高くないこともあり、中古車は安い。新車価格で500万円以上するモデルが、2015年式の高年式モデルでも350万円程度の予算があれば良質な中古車が選べる。わずか1年で150万円くらい値落ちしている計算になり、お買い得な1台といえる。

  • パサート

    パサートは割り切った仕様で、エンジンは1.4Lターボの1タイプしかない。燃費は20.4㎞/Lで、このクラスではトップレベルの低燃費を誇る。新車価格はエントリーグレードのトレドラインが329万円からと、輸入車としてはリーズナブルな価格設定。売れ筋グレードになるコンフォートラインは359万円。パサートは、クルマの実力は一流なのだが新車・中古車ともあまり人気がない。そのため、中古車価格はかなりのバーゲンプライスとなっている。2015年式のコンフォートラインで270万円程度から売られていて、1年で90万円程度安くなってきている。新車価格414万円のハイラインも320万円程度から狙える状態。上手く商談すれば、更なる値引きも期待できるので買い得度は増す。なんといっても、まだ出たばかりの新型車なので見栄えも良い。

  • S60

    S60の燃費は、デビュー直後の1.6L車で、10・15モード燃費12.6㎞/L。モデル途中で改良され、JC08で13.6㎞/Lまで燃費を向上したが、それでも微妙な数値だ。最新の1.5Lエンジンは16.5㎞/Lまで燃費を向上させている。燃費面で注目したいのは、最新のディーゼルエンジン。このエンジンは20.9㎞/Lという低燃費を誇る。ボルボ車は、全般的にリセールバリューが高くない。ボルボといえばワゴンというイメージが強いので、セダンはなおさらリセールバリューが低くなる。2013年式のT4で、すでに170万円くらいから選べるようになっている。新車価格は約380万円だったので3年で200万円以上落ちた計算になる。この価格で世界トップレベルの安全装備だった歩行者検知式の自動ブレーキ「ヒューマンセーフティ」が付いているのであれば、かなりお買い得といえるだろう。

装備・使い勝手
  • スカイラインハイブリッド

    スカイラインハイブリッドには、自動ブレーキ関連の安全装備「エマージェンシーブレーキ」が装備されている。ミリ波レーダーを使っているので、前走車追従式のクルーズコントロール機能もあるが、歩行者検知式ではないのが、とても残念なポイントだ。その他の機能としては、後側方衝突防止支援システム、車線逸脱防止支援システムなどもあるので一定のレベルはクリアしている。使い勝手面では、ハイブリッド用のリチウムイオン電池をトランク内に設置しているため、トランクがやや狭い。ゴルフバックなど荷物を多く積むことがあるのなら、自分の用途に合うかチェックしておきたい。また、スカイラインハイブリッドは、FR(後輪駆動)なのに小回りが苦手。最小回転半径は、5.6mと大きいのだ。これはミニバン並みの数値なので、狭い駐車場や道では扱いにくい面がある。メルセデス・ベンツCクラスなどは5.1mである。

  • パサート

    歩行者検知式の自動ブレーキ関連安全装備や、エアバッグ類は、どのグレードを選んでも高いレベルにあるので安心だ。エントリーグレードのトレンドラインは、純正ナビやリヤビューカメラが装備できない。スマートエントリーがないなど、装備面ではやや貧弱。コンフォートラインからが狙い目となる。使い勝手面では、586Lという広大なトランクスペースをもっている。このスペースは、メルセデス・ベンツCクラスワゴンより広く使い勝手は抜群だ。狭いところでの取り回しの評価になる最小回転半径は5.4m。このクラスの標準的な数値といえる。

  • S60

    S60のウリである高い安全装備である歩行者検知式の自動ブレーキ「ヒューマンセーフティ」は、デビュー当時、オプション設定だった。年式の古い車両は、ヒューマンセーフティが装備されているか確認する必要がある。この装備が無いのであればS60を買う理由が無くなるほどだからだ。モデル途中から名称が「インテリセーフ10」に変更され、全車に標準装備され高く評価されている。T6 AWD系は、最小回転半径が5.8mとなるので、狭い駐車場などでは苦労する。

走行性能
  • スカイラインハイブリッド

    とにかくスムースで速いという印象が強い。アクセルを踏んだ瞬間にモーターのトルクがクルマを押し出し、やや遅れてエンジンのパワーがついてくる。モーターの効能で、アクセル操作に対してレスポンスが良く、とても気持ちの良い走りが楽しめる。通常走行時では、アクセルを戻すと積極的にエンジンを停止。クルージングや低速時にEV走行し燃費向上を図る。走りを楽しみたい時と低燃費走行時のメリハリがある。また、モデル途中からステアリングと前輪が機械的につながっていない世界初のダイレクト・アダプティブ・ステアリングが装備された。このフィーリングにやや好き嫌いが出るが、高い直進安定性とスポーティなハンドリング性能は魅力的だ。

  • パサート

    エンジンは1.4ターボで、150ps&250Nmを発揮。速いというクルマではないが、車重が軽いこともあり十分な動力性能をもつ。走りの質感は、さすがフォルクスワーゲンといったところで、快適さと軽快さを併せ持つフットワークを披露。高い直進安定性など、ロングドライブでも疲労をあまり感じさせない安定感がある。

  • S60

    S60のエンジンは、総じてパワフル。1.6Lターボも、燃費というよりパワー優先という感じで180psを発揮。2.0Lターボ車も、245ps&350Nmという出力をもち、ラフにアクセルを踏むと、トラクションコントロールがすぐに作動するほど。さらに、3.0Lターボになると306ps&400Nmにもなる。このエンジンを搭載したモデルは4WD化されているので、ある程度パワーを上手く使えるが、そのフィーリングはなかなか豪快。速いエンジンを積んだS60だが、パワーはゆとりある走りのためと考えた方がよい。足回りやブレーキは、それほどハードな走りに適しているとは言えないからだ。

デザイン
  • スカイラインハイブリッド

    日産 スカイラインハイブリッド

    複雑な曲面を組み合わせた、流麗さを感じるシルエットをもつスカイラインハイブリッド。北米向けのクルマなので、日本人の好みではやや好き嫌いが明確にでるかもしれない。インフィニティのエンブレムが、グリル内に大きく入れられているが、まったくスカイラインであることを無視している訳ではない。スカイラインのDNAは生きていて、リヤのコンビネーションランプは、往年のスカイラインをイメージさせる丸4灯をイメージしたデザインが採用されている。国内のスカイラインファンも、少しは納得できるデザインとなっている。猛禽類の鋭い目つきを連想させるヘッドライトが個性的だ。

  • パサート

    フォルクスワーゲン パサート

    フォルクスワーゲンのデザインは、良くも悪くも質実剛健といったもので、エモーショナルテイストは少ないものの高い完成度を誇っている。パサートも同様。水平基調のグリルは、最近のフォルクスワーゲンデザインと共通。薄くややツリ目のヘッドライトは、睨みの効いた精悍さをアピール。先代モデルと比べると、かなり強面になったが、こうしたテイストは、日本マーケットでも好評。全体のシルエットも伸びやかで、高級車らしい。

  • S60

    ボルボ S60

    ドイツや日本車にはない洗練されたデザインが、S60の魅力。迫力&威圧系重視のデザインが多い中、これほどスタイリッシュなデザインは異彩を放ち独自の存在感がある。まさに、スカンジナビアンデザインといった印象で、素直にキレイなクルマである。人と同じクルマは嫌、という個性派にピッタリだ。

中古車値引き交渉術

スカイラインハイブリッドは価格も高いので、クラウンハイブリッドやメルセデス・ベンツCクラス、BMW3シリーズ、アウディA4などの中古車と競合させてみるといいだろう。こうしたライバル車は、人気が高いので競合させられると厳しいので、一定の値引きに応じてくれる可能性が高い。あくまで、先にライバル車の見積りを取っておくことが重要。スカイラインハイブリッドが本命だと分からないように商談したい。

フォルクスワーゲン パサートは、まだ流通量が少なくディーラー系中古車店。パサートも、クラウンハイブリッドやメルセデス・ベンツCクラス、BMW3シリーズ、アウディA4などと競合させることが基本。簡単に売れるほど人気が高いモデルではないので、ジックリと時間をかけて商談するといい。あくまで価格次第というスタンスで、相手が値引きせざる負えない状況に持ち込もう。また、値引きが限界となったら、ディーラー系中古車店には有料の1年延長保証がある。こうした保証を無料でサービスしてもらうなどの交渉もおすすめだ。
一方、ボルボS60は、流通量そのものは少ないのだが、その中でも未使用車が占める割合は高い。その未使用車が安いので、多少無理してでも未使用車がおすすめだ。ディーラー系中古車店以外だと、新車価格より100万円以上安く売られている車両もある。ディーラー系中古車店で買いたいのなら、こうした激安未使用車と、やや高めのディーラー系未使用車を競合させて値引き額を引き出してみるのもいいだろう。パサート同様、そう簡単に売れる車種ではないので、クラウンハイブリッドやCクラス、3シリーズなどとジックリと競合させるのも効果的だ。

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クルマ評論家 CORISM代表 大岡智彦 氏
クルマ評論家 CORISM代表
大岡智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

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