中国、北京モーターショーで世界初公開されたマツダCX-4。クーペとのクロスオーバーさせた低全高のSUVだ。
すでに、マツダはほぼ国内専用車となるミニバンから撤退し、SUVに注力していくことを発表している。そうした姿勢を明確にしたのが、中国で開催された北京モーターショーで世界初公開したCX-4ということになる。この新型CX-4は、中国国内で生産され2016年6月に中国での発売が予定されている。
新型マツダCX-4は、「Exploring Coupe(エクスプローリング・クーペ)」というコンセプトのもとに既存の概念・枠組みを越えることを目指し開発されたSUV。全体的なスタイリングを見ている限りで、中国に特化したというより十分にグローバルでも戦える洗練されたものとなっている。
マツダは、意外とSUV好きで国内で販売されているCX-3とCX-5の他に、大型で3列シートのCX-9を北米で発表済み。日本では発売終了となったがCX-7もあり、SUVのCXシリーズは、CX-4で5車種目となる。
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新型マツダCX-4のボディサイズは全長4,633×全幅1,840×全高1,535㎜(一部1,530㎜)、ホイールベースは2,700㎜。この数値を見て驚くのは、やはり全高。なんと、1,535㎜しかない。この数値は、CX-3よりさらに15㎜も低く、全長が4,680㎜と同等サイズのクーペスタイルのSUVであるBMW X4と比べても90㎜も低い。かなり思い切ったデザインが採用されていることが分かる。X4やX6といったモデルでも、かなりルーフが低いため、注意していないと前席や後席ともルーフに頭をぶつけることもあるくらい。これだけ低いと、どんな乗降性になっているのか気になるところだ。また、ルーフは後方に向けて、さらに低くなっていて、リヤドアの窓もかなり小さい。頭上スペースなどは、どうなっているのかも含め気になるクルマだ。
ホイールベースの2,700㎜という数値から分かることは、CX-4は基本的にCX-5やアクセラと同じプラットフォームが使われている。CX-3もホイールベースを変えずデミオと同じプラットフォームを使って、上手に作り分けている。メーカー側の視点では、生産性は高まり効率も上がり利益も出る。しかし、モデル毎の使い勝手や居住空間、走行性能など、どうしても妥協せざる負えない部分も出てきてしまう。こうしたことをどう解決しているのかも重要なポイントだ。
インテリアも外観デザインと同様に、クーペを意識したスポーティで艶やかなものとなった。SUVのインテリアデザインは、クルマの性格を表す意味でも、センターコンソールを太くし、ダッシュボードも厚みを持たせるなど、タフで力強い印象にするパターンが多い。だが、CX-4のインテリアは、細くシャープな造形でまとめられていて、まるでスポーツカーのような印象を与えている。
気になるパワーユニットは、中国向けには2つのガソリンエンジンが用意された。2.0LがFFで6速ATと6MT。2.5LはAWDで6ATの組み合わされている。
さて、新型マツダ CX-4の日本導入時期や価格を予想してみた。公式な発表は、今のところ未定。CX-4は中国で生産し、中国で販売される。中国生産のクルマが、日本に導入される可能性は、ほとんど無いだろう。そうなると、国内で生産され日本に導入されることになる。ベースとなるプラットフォームはCX-5なので、導入はそれほど難しくはない。ただ、世界中でCX-5は人気で、国内での生産が追いついていない状況と言われている中で、どうやって生産工場の折り合いを付けるかが、CX-4の国内販売するために重要とされている。逆にいえば、折り合いさえつけばいつでも国内販売できるということになる。CX-4の国内販売は、年末もしくは、来年早々に行われるのではないだろうか。
また、CX-4の価格も予想した。こうしたクーペとのクロスオーバー車は、他社の例をみてもCX-5より価格をアップさせ、よりプレミアム感を出してくると思われる。CX-5でもディーゼルを選択すると300万円を超える価格帯になるので、そう価格を上げることはできないだろう。そうなると、20~30万円アップ程度が妥当ではないかと予想。CX-5のエントリグレード20Sの価格は約245万円。20Sと同等のCX-4だと、価格は265~275万円程度ということになりそうだ。搭載されるエンジンは、中国には無いクリーンディーゼルも用意されると予想した。CX-4のディーゼルで4WDという選択をして、最上級グレードを選ぶと400万円近いSUVになりそうだ。
しかし、基本的にはCX-5ベースのモデル。生産効率が高まりコストダウンが、より可能になるのならCX-5より安くとは言わないまでも同等の価格で販売してほしいものだ。
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新型マツダCX-4は、「Exploring Coupe(エクスプローリング・クーペ)」というコンセプトのもとに既存の概念・枠組みを越えることを目指し開発されたSUV。全体的なスタイリングを見ている限りで、中国に特化したというより十分にグローバルでも戦える洗練されたものとなっている。
流行のクーペとのクロスオーバー車とは?
マツダは、難しいコンセプトでデザインを定義しているが、端的に言えば流行のクーペとのクロスオーバー車だ。すでに、こうしたモデルは、プレミアムブランドのモデルを中心に話題となってきている。この系統のデザインでは、BMWがパイオニア的な存在。X6やX4などを用意し、SUVのラインアップを強化している。Xシリーズの偶数モデルは、クーペとのクロスオーバー車として位置付けられている。また、メルセデス・ベンツも同様のスタイリングをもつGLEクーペを投入。このタイプのSUVは、ルーフが後方に向けて低くなっていくことから、後席が狭くなるのが難点でもある。マツダもすでに、CX-3で全高が低くクーペ的なルーフラインをもつモデルを投入している。ただ、CX-3はクーペルックとしたというより、国内での使い勝手を重視し、立体駐車場の高さ制限1,550㎜に対応できる機動性重視のSUVとしての位置付けになっている。マツダは、意外とSUV好きで国内で販売されているCX-3とCX-5の他に、大型で3列シートのCX-9を北米で発表済み。日本では発売終了となったがCX-7もあり、SUVのCXシリーズは、CX-4で5車種目となる。
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ホイールベースの2,700㎜という数値から分かることは、CX-4は基本的にCX-5やアクセラと同じプラットフォームが使われている。CX-3もホイールベースを変えずデミオと同じプラットフォームを使って、上手に作り分けている。メーカー側の視点では、生産性は高まり効率も上がり利益も出る。しかし、モデル毎の使い勝手や居住空間、走行性能など、どうしても妥協せざる負えない部分も出てきてしまう。こうしたことをどう解決しているのかも重要なポイントだ。
スポーツカーのような印象のデザイン
インテリアも外観デザインと同様に、クーペを意識したスポーティで艶やかなものとなった。SUVのインテリアデザインは、クルマの性格を表す意味でも、センターコンソールを太くし、ダッシュボードも厚みを持たせるなど、タフで力強い印象にするパターンが多い。だが、CX-4のインテリアは、細くシャープな造形でまとめられていて、まるでスポーツカーのような印象を与えている。
気になるパワーユニットは、中国向けには2つのガソリンエンジンが用意された。2.0LがFFで6速ATと6MT。2.5LはAWDで6ATの組み合わされている。
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CX-4の価格予想
また、CX-4の価格も予想した。こうしたクーペとのクロスオーバー車は、他社の例をみてもCX-5より価格をアップさせ、よりプレミアム感を出してくると思われる。CX-5でもディーゼルを選択すると300万円を超える価格帯になるので、そう価格を上げることはできないだろう。そうなると、20~30万円アップ程度が妥当ではないかと予想。CX-5のエントリグレード20Sの価格は約245万円。20Sと同等のCX-4だと、価格は265~275万円程度ということになりそうだ。搭載されるエンジンは、中国には無いクリーンディーゼルも用意されると予想した。CX-4のディーゼルで4WDという選択をして、最上級グレードを選ぶと400万円近いSUVになりそうだ。
しかし、基本的にはCX-5ベースのモデル。生産効率が高まりコストダウンが、より可能になるのならCX-5より安くとは言わないまでも同等の価格で販売してほしいものだ。
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執筆者プロフィール
クルマ評論家 CORISM代表 大岡 智彦 氏CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。