直3 1.5Lと直4 2.0Lと、2タイプのクリーンディーゼルを用意。1.5Lクリーンディーゼルの燃費は23.9㎞/L!


ミニ ミニミニの3ドアと5ドア、そしてクラブマンに待望のクリーンディーゼルモデルが投入された。クリーンディーゼルが搭載されたモデルは、ミニの3ドアと5ドアが4グレード、クラブマンが2グレード。ミニ クーパーSD5ドアのみ、やや遅れて2016年9月以降の納車になる予定だ。

現行の3代目ミニは、7年ぶりに2014年にフルモデルチェンジした。3代目もボディを拡大。全長で95㎜、全幅で40㎜も拡大している。ボディサイズは大きくなり続けているものの、愛嬌のあるミニデザインは健在。あまりに変わらないため、オーナーでもない限り、ひと目では世代の区別がつかないほどだ。

3代目ミニの特徴は、5ドアモデルが追加されたこと。ホイールベースを70㎜も延長し、居住性や利便性を高めた。日本マーケットにおいて、この5ドアは圧倒的な支持を得る。3ドアがまったく売れない日本マーケットにおいて、今までミニは異例だった。つまり、圧倒的なブランド力を背景に、顧客の嗜好にあまり合わない3ドアでさえ売れたのだ。とはいえ、ミニが欲しいと思っていても3ドアだからと、購入を見送っていた潜在的なミニファンもいた。ミニ5ドアが追加されたことで、こうした潜在顧客などを含め、新たな顧客を呼び込むことに成功し、ミニのブランド力はより強固なものへとなっていった。

ミニの新顧客層の取り込みは、2015年フルモデルチェンジしたクラブマンで、さらに加速する。クラブマンも先代に対して、大幅にボディサイズを拡大し、完全にひとクラス上のボディサイズとなった。ライバルをフォルクスワーゲン ゴルフやメルセデス・ベンツAクラスなどがしのぎを削るCセグメントに参入したのだ。ミニのブランド力で、激戦Cセグメントの顧客を奪い、新たな顧客を獲得する狙いだ。

ミニ ミニミニの3ドアと5ドア、そしてクラブマンは、ミニブランドの中核ともいえるモデル。2014年にミニは、クロスオーバーにミニ初となるクリーンディーゼルエンジンを搭載した。デビュー当時、ガソリン車との価格差は20万円。ハイオク仕様のガソリン車と軽油を使うディーゼル車の燃料費は30円/L前後もある。さらに、燃費はディーゼル車が上回る。そのため、ある程度距離を走る人にとっては、燃料費差で20万円が回収できるレベルになっている。さらに、クリーンディーゼル車はエコカー減税でもガソリン車より有利なので、税金面での負担も小さくなり、20万円の価格差は容易に回収できるレベルになっていきている。

そんなこともあり、主力モデルのミニ3ドアと5ドアにも、クリーンディーゼルが待望されていた。そして、今回ようやく投入されたことになる。投入されたクリーンディーゼルは、4タイプ。ミニ クーパーD3ドアと5ドアに投入された1.5L直3クリーンディーゼルエンジンは、最高出力116PS(85kw)/4,000rpm、最大トルク270Nm/1,750-2,250rpmを発揮。6速ATと組み合わされ燃費は23.9km/Lを誇る。

ミニ ミニミニ クーパーSD3ドアと5ドアに投入されたのは2.0L直4クリーンディーゼルエンジンは、170PS(125kw)/4,000rpm、最大トルク360Nm/1,500-2,750Nmを発揮。6速ATと組み合わされ、燃費は23.8km/Lとなっている。

ミニ クーパーDクラブマンに搭載される2.0L直4クリーンディーゼルエンジンは、150PS(110kw)/4,000rpm、最大トルク330Nm/1,750Nmを発揮し、8速ATと組み合わされ燃費は22.0km/Lとなる。

ミニ クーパーSDクラブマンに搭載される2.0L直4クリーンディーゼルエンジンは、かなり力強い仕様となっていて、190PS(140kw)/4,000rpm、最大トルク400Nm/1,750-2,500Nmを発揮し、8速ATと組み合わされ燃費は22.7km/Lとなっている。

ターボエンジンなので、出力違いは制御系でいかようになるにしても、1.5Lが1種類、2.0Lは3タイプも用意されている。

ミニの選び方は、まず3ドアか5ドアという選択からだ。3ドアと5ドアは、ホイールベースも異なり、走りのフィーリングもやや違う。使い勝手重視ではなく、最もミニらしいゴーカートフィール重視というのであれば、3ドアということになる。逆に、家族がいたり後席にゲストを乗せたりする機会が多い人は、やはり5ドアがいい。

ミニ ミニドア数の選択が終わったら、次はエンジンの選択だ。エンジンの選択は、排気量選びの前にガソリンかディーゼルかを選ぶことになる。ガソリン車とディーゼル車の価格差は20万円。この差であれば、前述のように十分に燃料費差で回収できる範囲。長距離を走る人は、逆にクリーンディーゼル車の方がお得になるだろう。そのため、あとは好みの問題。今時普通のガソリン車は、今後、少なくなっていくことを考えれば、燃費が良く大トルクを誇るクリーンディーゼルがお勧めだ。

2.0Lのガソリン車とディーゼル車も同様だ。とにかくパワーを重視、燃費よりも走りを楽しみたいというのであればガソリン車よい。ガソリン車の0-100km加速6.9秒と、立派にスポーツカーレベルを誇る。クリーンディーゼルもやや遅いが7.4秒を誇る。ただ、クリーンディーゼルの360Nmという大トルクは捨てがたい魅力がある。街中や高速道路などでの中間加速などでは、非常にレスポンスが良く乗りやすい。それでいて、燃費値は23.8㎞/Lなので、速さと低燃費を両立している。こちらも価格差は20万円なので、よほど速さにこだわるという人でなければ、お勧めはやはりクリーンディーゼルということになる。

ミニ ミニクリーンディーゼルの場合、1.5Lにするか2.0Lにするかという難しい選択が迫られる。1.5Lと2.0Lの燃費値はほとんど変わらないので、燃費で1.5Lを選択する理由はそれほどない。そうなると、出力と価格が選択のポイント。1.5Lと2.0Lの選択で重要なのは、エンジンの出力よりも予算面も大きなポイントになる。価格差は、なんと64万円もあるのだ。予算が青天井なら問題ないが、限られた予算の中では64万円差は大きい。考え方としては、基本的に1.5Lでも十分な動力性能なので、パワフルさにこだわらなければ、1.5Lで十分。予算に余裕があれば、より個性的なオプションや豪華オプションを選ぶほうがいいだろう。ガンガン走りたい、もしくは余裕あるトルクでロングツーリングを楽しみたいというのであれば、やはり2.0Lだ。この大トルクは、癖になる過激さを秘めている。

また、ミニは高いリセールバリューを誇るモデルでもある。短中期の乗り換えなら、高値で下取りもしくは買取りしてくれるので、安心して乗れるモデルでもある。

■ミニクリーンディーゼル車価格

・MINI Cooper D 3 Door ¥ 3,000,000
・MINI Cooper SD 3 Door ¥ 3,640,000
・MINI Cooper D 5 Door ¥ 3,180,000
・MINI Cooper SD 5 Door ¥ 3,820,000
・MINI Cooper D Clubman ¥ 3,640,000
・MINI Cooper SD Clubman ¥ 4,040,000