<新車では値引きゼロだが、リセールバリューも高いのでコストパフォーマンスは高い>

ミニクーパーコンバーチブルミニは、ミニ3ドアをベースとしたオープンカーであるミニ クーパーコンバーチブルを新設定し発売を開始した。ミニ クーパーコンバーチブルには、3つのグレードが用意されており、エントリグレードのクーパーコンバーチブル、ハイパワー仕様のクーパーSコンバーチブル、すべての走行性能を高めたジョンクーパーワークス コンバーチブルがある。

ベースのミニ3ドアは、2014年にフルモデルチェンジされた。ややボディサイズが大きくなったことが懸念されたが、相変わらず販売面では絶好調。さらに、利便性が高く日本マーケットにも適している5ドアが投入。この5ドアは、さらにボディサイズが大きくなっていて全長4,000×全幅1,725×全高1,445㎜。ミニ3ドアに比べ、全長を165mm、全高を15mm、ホイールベースを70mm拡大させている。

また、ミニ コンバーチブルは、2004年に第1世代、2009年に第2世代が誕生。今回のモデルで第3世代となった。

ミニ クーパーコンバーチブルの外観は、ミニ3ドアとほぼ同じ。ルーフが違う程度という印象だ。ルーフはソフトトップが採用されており、電動式で30㎞/h以下で走行中なら開閉が可能というもの。やはり、電動トップは便利で突然の雨や、前方にトラックなどが走っているとき、渋滞中などにスイッチひとつで開閉できる。電動式なので、やや重くなるという欠点もあるが、プレミアムコンパクトをアピールするミニであるならば、やはり電動式が好ましい。

このソフトトップには、面白い設定がある。通常のルーフをもつミニには、ユニオンジャック模様を貼り付けるオプションがあった。シール状のものを張り付けるだけなので、よくあるパターンのオプションだ。しかし、ミニ クーパーコンバーチブルのソフトトップには、シール状のものを貼るのではなく、ユニオンジャックの模様を、なんとソフト・トップの生地に織り込んだものが用意されているのだ。よく、ソフトトップの色を数色用意してボディカラーに合わせるようなモデルはあったが、生地にデザインを織り込むという手法はとてもユニーク。オープンモデルでありながら、リーフを閉めている状態でも個性を発揮できるアイテム。こうした装備がミニをより魅力的に見せている。

ミニクーパーコンバーチブルまた、オープンモデルは、ルーフが無いので横転した場合に乗員を守るロールバーが付けられている。このロールバーは、スポーツカーならば、より存在をアピールしてレーシングカーのようにスポーティ印象を与えるアイテムとして使える。しかし、ミニはそうしたクルマではないため、ロールバーは控えめな存在であるべきだろう。そこで、このモデルでは、車両横転時に展開する事で後席乗員を保護するロールオーバープロテクションシステムを、よりボディデザインに溶け込ませている。こうすることで、リヤエンドまで伸びやかで解放感ある美しいスタイリングになった。

ベースとなるミニ3ドアがフルモデルチェンジで、ボディサイズを拡大した。その結果、ミニ クーパーコンバーチブルの積載性や使い勝手も、さらに向上している。基本的に4人乗りのモデルではあるが、2人乗りと割り切って使えば後席を荷室として使えた。今回、トランク容量は、先代モデルに比べ約40L拡大。同時に、スルーローディングシステムの開口部も拡大させ積載性も向上させている。広くなったとはいえ、実際に4人乗りで遠出の移動というの非常に厳しいものがあるが、短距離で荷物が少ないのなら対応できるようになってきている。

そして、ミニ クーパーコンバーチブルに用意されたパワーユニットは3タイプ。エントリーグレードのクーパーコンバーチブルには、1.5L直3ターボが搭載され136PS&220Nmを発揮。1,320㎏の車重には必要十分といったところ。燃費は16.7km/Lとなっておりエコカー減税対応モデルだ。1.5Lなので、自動車税も2.0Lに比べて年間5,000円安くなるのも魅力だ。

クーパーSコンバーチブルには、2.0L直4ターボが搭載。192PS&280Nmを発生する。燃費は16.3㎞/Lとなっている。この小さなボディにV6 3.0L車並みの最大トルクを誇るエンジンを搭載していることもあり、0-100㎞/h加速は7.1秒となかなか俊足だ。価格と走りのバランスに優れているグレードだ。

最も走りに特化したモデルがジョンクーパーワークスコンバーチブル。231PS&320Nmを発揮。このハイパワーを生かすため、ハンドリング性能を向上させるエレクトロニック・ディファレンシャル・ロック・コントロール(EDLC)、パフォーマンス・コントロールを備えたダイナミック・スタビリティ・コントロール(DSC)を標準装備。また、他のモデルとの差別化も図られ専用エアロやホイール、ステアリング、スポーツシートなどが用意された。パフォーマンスは素晴らしいが、価格もかなり高くなる。

3タイプ用意されたミニ クーパーコンバーチブルに組み合わされているミッションは、すべて6速AT。装備面では、歩行者検知式自動ブレーキなどが用意され、安全装備に関しては高いレベルにあるので安心だ。

ミニクーパーコンバーチブルミニ クーパーコンバーチブルの購入ガイド。価格は、クーパーコンバーチブルが342万円。クーパーSコンバーチブルが397万円、ジョンクーパーワークスコンバーチブルが483万円となっている。ジョンクーパーワークスは、クーパーコンバーチブルに対して141万円も高価になっている。装備とパフォーマンスを考えると妥当なところだが、かなり特別なモデルといえマニアックなファン向けだ。

購入時に多くの人が悩むところが、クーパーにするかクーパーSにするかという選択。価格差も55万円、燃費差もそれほどなく微妙なところだ。それだけに、予算重視であるのなら、迷わずクーパーを選んでいい。そうでないのであれば、エンジンパワー差をどう考えるかによって選択が変わる。直3で1.5L 136psのクーパーか、2.0L直4で192psのクーパーSかという選択だ。直3というと、どうしてもエンジンの振動が気になるところだが、そこは心配ない。そのため、まずオープンカーとしてのんびり走り楽しみたいというのであれば、クーパーで十分。136ps&220Nmあればパワー不足を感じることはまずない。さらに、予算があるようならオプション装備を充実させ、自分なりのクーパーコンバーチブルにするというのも楽しい。

クーパーSは、オープンカーとしての楽しさだけでなく、ミニのもつゴーカートフィーリングをより楽しみたい人向けといえる。192psというパワーは、コンバーチブル化され重くなったとはいえ十分に速い。オープンエアとスポーツ走行を同時に楽しめる贅沢な仕様だ。

購入時の予算は、なるべく多めに見ておくといい。まず、ミニは値引き「ゼロ」が当たり前。400万円前後のオープンモデルと競合させても、かなり厳しい見積りしか出ない。まずは、ミニが本命と分からないようにジックリと商談を進め、わずかな値引きと用品サービスを引き出したいところだ。また、オプションが豊富なので、あれもこれもと選択するとあっという間に予算をオーバーさせられるのもミニの戦略。ある程度、オプションは絞り込んだほうが良い。ただ、ミニでとくにコンバーチブルは、さらにリセールバリューが高い。買う時は高価で値引きが無くても、売るときに多少長く乗っていても買取価格が付く。このリセールバリューの高さは魅力の一つだ。

ミニ コンバーチブル価格

ミニ クーパーコンバーチブル(MINI Cooper Convertible)
■ミニ コンバーチブル価格
・MINI Cooper Convertible 3,420,000円
・MINI Cooper S Convertible 3,970,000円
・MINI John Cooper Works Convertible 4,830,000円