いまならコレを狙え! ボディタイプ別新車オススメランキング 高級セダン ランキング ベスト3

車種選びにお悩みの方へ。
コリズム編集長で車評論家の大岡氏に、この春おすすめの新車・高級セダンを聞きました。

  • RANKING BEST 1メルセデス・ベンツ Cクラス

    メルセデス・ベンツ Cクラス

    ガソリン車は、1.6Lターボと2.0Lターボが2タイプ、3.0Lターボ、4.0Lターボと計5タイプがある。さらに、2.2Lクリーンディーゼル、2.5LターボのPHVが加わり、なんと7タイプのパワーユニットを揃え日本マーケットにチャレンジしている。ガソリンとディーゼル、PHVと異なる3つのパワーユニットを用意しているのは、国産車では皆無。同等のラインアップを誇るのは、BMW 3シリーズくらいだ。また、世界トップレベルの安全装備で、部分自動運転を可能としたレーダーセーフティパッケージを一部のグレードを除き、ほぼ標準装備化している。

  • RANKING BEST 2BMW 3シリーズ

    BMW 3シリーズ

    3シリーズは、2015年8月にマイナーチェンジされた。デザインは、あまり代わり映えしないが、大きく変更されていないということは全世界的に高く評価されているともいえる。3シリーズもパワーユニットが豊富。マイナーチェンジで、3.0L直6気筒ターボエンジンを搭載した340iが投入された。さらに、2.0Lターボエンジンを搭載したPHV、330eも投入された。このクラスの高級セダンでは、珍しい4WDであるxDriveも320iに用意されている。

  • RANKING BEST 3日産 スカイラインハイブリッド

    日産 スカイラインハイブリッド

    2014年2月に発売が開始された。3.5LのV6エンジン+モーターを組み合わせた1モーター2クラッチ式のハイブリッドシステムを搭載。よりダイレクトなドライブフィールを実現するために、トルコンを使わずクラッチを使用。ギクシャク感が出やすいクラッチを上手く制御し、高級車らしいスムースさとダイレクトなドライブフィールを両立。スカイラインには、北米の高級車ブランドであるインフィニティエンブレムが装着されている。これは、インフィニティQ50と同じクルマであることでもあり、またスカイラインがインフィニティと同等の高いクオリティを持つ証でもある。

オススメランキングの3台を比較

燃費・経済性
  • Cクラス

    いわゆるダウンサイジングターボのガソリン車は、売れ筋のC200で16.5㎞/Lと、このクラスでは平均的な数値。今後主力となりそうな2.2Lディーゼル車は20.3㎞/Lという燃費値を誇る。ディーゼル車には、9速ATが搭載されていて、よりスムースな走行性能を誇る。また、PHVであるC350eは28.6㎞EV走行でき、約130㎞/hまでEVで走行が可能。EV走行距離はやや短い気がするが、ハイブリッドでの燃費は17.2㎞/Lとなり電池を使い切ると、C200並みの燃費値となるので、頻繁に充電できる環境が必要だ。ただ、この350eのパフォーマンスは、システム最大トルクは600Nm! この数値は、6.0L自然吸気ガソリンエンジン車並みだ。環境に優しいPHVという顔だけでなく、スポーツセダンとして価値もある。

  • 3シリーズ

    2016年1月に、3シリーズにもPHVが投入された。2.0Lターボエンジンを搭載したPHVモデルであるも330eは、120㎞/hまでEV走行可能。最長36.8㎞EV走行が可能だ。ハイブリッド燃費は17.7㎞/Lとなっている。驚きなのは価格。700万円を超えるメルセデス・ベンツのPHV C350eに対して、330eは554万円という戦略的な価格で勝負に出ている。人気グレードのMスポーツでも599万円と600万円を切っている。2.0Lターボの320i Mスポーツが528万円、低燃費と大トルクを誇るクリーンディーゼルの320d Mスポーツが551万円。先代のプリウスとプリウスPHV並みの価格差となっている。2.0Lターボの320iの燃費は15.4㎞/L、2.0Lクリーンディーゼルは19.4㎞/Lとなっている。ガソリン車とディーゼル車の価格差は23万円程度となっていて、ディーゼルはエコカー減税が免税な上に、補助金まで出る。こうなると、燃料費差と税金差で十分に車両価格差を取り返すことができるだろう。

  • スカイラインハイブリッド

    スカイラインハイブリッドの燃費は、売れ筋グレードが3.5Lエンジンを搭載し17.8㎞/Lとなっている。何度か改良を加えて進化しており、良好な燃費値になっている。また、Cクラスや3シリーズのPHVが、ハイブリッドで走行したときの燃費値よりもやや優れている。売れ筋のタイプPで車両価格は約514万円。このクラスのハイブリッド車としては、お買い得感もある。ただし、装備差があるとはいえ、3シリーズのPHVの554万円という価格は脅威だ。

装備・使い勝手
  • Cクラス

    Cクラスは、もはや「レーダーセーフティパッケージ」のパフォーマンスだけで購入を決めてもいいくらい高い先進安全性能をもつ。安全面では、歩行者検知式自動ブレーキだけでなく、後側方の車両検知警報、後方から来るクルマに対する追突被害軽減機能など、クルマの周囲360度の監視を行っている。多くの自動ブレーキ装着車があるが、360度監視というタイプはまだ少ない。また、ドライバーの疲労軽減という意味で、部分自動運転ともいえる高度な技術が採用されている。前走車を検知し追従する機能もあり、高速道路などでは、ステアリングに手を添えている程度でちょっとしたカーブなどもクルマが自動でステアリング操作をしてくれる。ロングツーリングでは、疲労軽減や安全面でも頼りになる。また、最小回転半径は5.1mとなっていて、狭いところでの使い勝手はよい。ただし、クルマの全幅は日本マーケットに合っていない。Cクラスの全幅は1,810㎜。都市部に多い立体駐車場の制限幅は1,800㎜が多い。わずか10mm制限をオーバーする。マンションなどで、こうした駐車場を使っている人は、物理的に車庫証明が取得できずCクラスを購入することができない。

  • 3シリーズ

    3シリーズの安全装備は「ドライビングアシスト」と呼ばれている。歩行者検知式自動ブレーキや後側方接近車警報など、一定水準の安全装備が一部グレードを除き全車に標準装備化されている。また、ヘッドアップディスプレイも用意されている。もしも、エアバッグが展開するような深刻な事故や、側方および後方からの衝突や横転が発生した際に、車両から自動的にSOS コールを発信するBMW SOS コールもあり、衝突後のサポート手厚い。3シリーズのボディサイズは1,800㎜。海外では1,800㎜超のボディサイズで売られていたが、日本仕様だけ1,800㎜に収まるように変更されている。これは、日本の立体駐車場の制限を考慮してのことで、車庫証明が取れなくなるなどで3シリーズの購入を断念させないようにするための配慮だ。日本メーカー以上に、日本マーケットでの使い勝手を考えている部分でもある。ただし、3シリーズの最小回転半径は5.4mとやや大きめ。Cクラスと比べると、やや小回りが苦手だ。

  • スカイラインハイブリッド

    自動ブレーキは「エマージェンシーブレーキ」が用意されている。2台前のクルマまで検知する高性能なタイプだ。しかし、残念ながら歩行者検知式自動ブレーキではない。その他、後側方接近車警報や車線逸脱防止支援などの安全装備は十分なものとなっている。使い勝手面では、FR車なのに最小回転半径が5.6mと大きくミニバン並み。Cクラスは5.1mなので、0.5mも違う。さらに、全幅は1,820㎜となっていて、国内に多い立体駐車場の全幅制限を楽々超える。国産車でありながら、最小回転半径や全幅の問題といい、基本的に日本マーケットでの使われ方が考慮されていない。スカイラインハイブリッドは、北米のインフィニティQ50と同じ。クオリティは高級車としての実力があるものの、基本的には北米向けのクルマということになる。

走行性能
  • Cクラス

    メルセデス・ベンツは、Cクラスの特徴のひとつとして「アジリティ」という言葉を使っている。アジリティとは、Cクラスにおいて敏捷性を意味している。そのため、このCクラスは、史上最もスポーティなモデルとしてデビュー。やや硬めの足回りで、カーブでの俊敏性は極めて高く、今までのCクラスとはひと味違うフィーリングを持っている。また、400Nmという大トルクを誇るディーゼル車は、さらにスポーティ。大トルクと9速ATを駆使し、スムースかつ豪快な加速をみせる。それでいて、燃費も良いのでガソリン車を選ぶ理由が見当たらないくらいだ。

  • 3シリーズ

    アイドリングストップからの再始動時に、やや振動と音が気になるが、一度走り出すと2.0Lクリーンディーゼルの走りは極めてスポーティ。ディーゼルなのに、ガソリン車のようにスムースに回るエンジンには驚かされる。これは、エンジンのフィーリングにこだわるBMWならではのもの。ステアリング操作に対して忠実にクルマが動き、前輪の接地感やタイヤのグリップが手に伝わる感じは、スポーツカー並みといえる。また、前後重量バランス50:50にこだわっているだけあり、カーブなどではドライバーがクルマの中心にいる感覚があり、クルマとの一体感を強く感じる。

  • スカイラインハイブリッド

    1モーター2クラッチ式のハイブリッドシステムをもつスカイラインハイブリッド。トルクコンバーターを使わずクラッチにすることで、ダイレクトなフィーリングを重視した。3.5Lエンジンとモーターの組み合わせは、かなり強力。アクセルの踏み始めはモーターが主でクルマ押し出し、その後エンジンのパワーが加わる。アクセルを踏んだ瞬間からモーターのトルクがプラスされるため、アクセル操作に対して瞬時にクルマが反応。アクセルを全開にすると、驚くほどの加速力を誇る。それでいて、スムースなのが驚きだ。また、世界初となるダイレクトアダプティブステアリングが採用されている。この機能は、ステアリングと前輪が機械的につながっていない。ステアリング操作するとコンピューターを介して前輪のモーターが動き操舵する。そのため、通常時は路面などの外乱に強く、クルマは高い直進性を維持。カーブでも、路面の変化でステアリングが取られることも無い。直進性も高く、ロングツーリングでは疲労軽減にも役立つ。ただ、前輪の状況がドライバーに伝わりにくいため、好みで好き嫌いが分かれる機能だ。

デザイン
  • Cクラス

    Cクラス

    日本マーケットでは、良くも悪くも威圧感こそメルセデス・ベンツのアイデンティティと思っている人が多いだろう。そういう視点であれば、Cクラスは十分合格だ。コンパクトサイズのセダンでありながら、なかなか威風堂々としたスタイルは存在感がある。また、長いフロントノーズは、後輪駆動車らしさをアピールする。インテリアは、ラグジュアリーという方向ではなくスポーティな雰囲気。品質感の高い素材をシンプルにまとめている。

  • 3シリーズ

    3シリーズ

    3シリーズは1度マイナーチェンジが施されている。その割には、あまり代わり映えしておらず、新鮮味に欠ける感じがする。とはいえ、大きな変更をしなかったということは、世界的にこのデザインの完成度が高いということでもある。それでも、マイナーチェンジでは、新世代デザインを採用したLEDヘッドライトを初採用。光モノで差別化している。これにより、ちょっと睨みの効いた3シリーズの顔つきが一段と精悍さを増した。

  • スカイラインハイブリッド

    スカイラインハイブリッド

    基本的にインフィニティQ50として開発されているものの、リヤのコンビネーションランプに、スカイライン伝統の丸4灯風デザインが採用されていて往年のスカイラインファンも少しは納得できるレベルにはなっている。スカイラインのイメージを意識しなければ、なかなか秀逸なデザイン。とくに、猛禽類の目に似た鋭いヘッドライトデザインは、スポーティセダンらしい精悍なものだ。

新車値引き交渉術

販売の現場ではCクラスと3シリーズは、それほど競合しないというが、メーカー同士はかなり意識し合っているのが現状。ラインアップも同じようなこの2台は必ず競合させたい。さらに、アウディA4がフルモデルチェンジしたばかりなので、A4を加え三つ巴の戦いに持ち込み、泥沼の値引き合戦に持ち込みたいところだ。こうしたプレミアムブランドは、一見値引きしないように思われがちだが、タイミングが合えばもはや国産車以上の値引きが引き出せる。インポーターが決算となる12月や、大手の販売会社ヤナセの決算月である9月などで大幅値引きが期待できる。
スカイラインは、やはりクラウンやレクサスISなどがライバルとなる。クラウンとISは、2.5Lのハイブリッドなので、走行性能的にはスカイラインハイブリッドが勝る。ただし、ISは高価でスカイラインハイブリッドより高価なモデルもある。トヨタ系ハイブリッド車は、なかなか値引きがシブイ状況なので、Cクラスや3シリーズも入れて競合させるのもいいだろう。とくに、BMWのPHVである330eは、500万円台で買えるので、日産側も大幅値引きで対応するしかないだろう。

その他のボディタイプ別オススメランキング

  • 軽自動車ハイト

    燃費、小回り、街で乗るならやはり便利な軽。

  • 軽自動車スーパーハイト

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クルマ評論家 CORISM代表 大岡智彦 氏
クルマ評論家 CORISM代表
大岡智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

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