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「みんなの街のはたらくくるま」第4回 いすゞ ジャーニーK 路線バス


わたしたちの生活を支えている「はたらくくるま」にスポットを当ててイラストとともにご紹介するこのコーナー。第4回は、まさにこのコーナー向けの代表格で、とても身近な存在のはたらくくるまである「路線バス」をお送りいたします。


◆誰もがお世話になる交通網の要


鉄道と並び公共交通網の形成の軸であるバス。中でも路線バスは、マイカーの普及によって路線の数は減少傾向にありますが、それでもなお日常の足として通勤・通学、買い物などの移動手段として無くてはならない存在となっています。高速道路を走って都市間を結ぶ高速バスも、定期的に観光ルートを回る観光バスも厳密には路線バスですが、ここでは、一般的に街中で運行される「路線バス」の車両を取り上げてみたいと思います。


◆車体+シャーシ+エンジンの組み合わせは膨大


路線バスは使用地域、使用線区などによって大型、中型などの車種を使い分けています。しかもバスを作るメーカーもいくつかあり、さらにかつてはバス会社ごとにオーダーでそれぞれのバス会社独自の仕様を走らせていたり、シャーシ+エンジンは富士重工、ボディは日産ディーゼルなどの異なるメーカー間での組み合わせも珍しくなかったので、そのバリエーションは膨大なものでした。

現在はバスメーカーも3社のみとなり、しかも代表的なバスメーカーであるいすゞと日野が合弁企業を作るなど再編的な動きが見られたことにより車種数も減少、さらにバス会社ごとの仕様違いも以前ほど大きくなくなっています。

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◆狭い道で活躍する「中型バス」


copyright_izuru_endo_2016_02_isuzu_journey_k_1280_999(クリックで拡大)そんな路線バスですが、今回は「中型バス」を取り上げてみましょう。メーカーはバス・トラックメーカーとして有名ないすゞ、車種は「LR系」です。1984年、それまでのいすゞの中型車「CCM/CDM系」のフルモデルチェンジとして登場しています。中型車なので全長は約8m。「ジャーニーK」という愛称でも親しまれました。スクエアなデザインと、柱で組んだボディにパネルを貼って製造されるスケルトン・ボディを採用、一気に見た目も近代化しました。なお、ジャーニーKは1999年まで各バス会社に納入されたのち後継のエルガミオに道を譲って製造を終了しています。

中型車は大型車ほどの輸送力はありませんが、狭い道で運行される路線や、そもそも乗降客数が見込めない路線などに投入されるため、狭い道の多い都市部でも見る機会がありました。イラストにした越後交通のジャーニーKは、1997年に東急バス・荏原(えばら)営業所に10台のみ投入された車両がかつてグループ会社であった越後交通に譲渡されたものです。


【イラスト/文 遠藤イヅル】
フリーのカーイラストレーター/ライター。東京都出身。自動車雑誌、WEBサイトにクルマをテーマにしたイラストや記事を多数提供。世界各国の生活感があるクルマを好み、20年間で18台のクルマを乗り継ぐ。クレイジーなほど深くて混沌としたクルマ知識を持つ元自動車系デザイナー。自身のクルマ体験をもと、独創的な視点で切り込むイラストやインプレッション記事は、他にないユニークなテイストとして定評がある。2015年7月現在の愛車はプジョー309SI。最新の掲載誌は遠藤イヅルのfacebookで確認!

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