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「気になるくるま」第3回 フォード・エスコートMk.1 ツインカム(1968)


ひとことでくるまと言っても、誰にも知られていないようなマイナーなものから、みんなの憧れのようなスーパーカーまで、実に様々です。そんなクルマたちの中から、マニアックカー・マニアでもある遠藤イヅルが、独断と偏見で選び出したくるまたちをイラストとともにみなさんにお送りいたします。第3回は、小型軽量で速いハコの魅力が凝縮した一台、欧州フォード・エスコートMk.1 ツインカムをお送りいたします。


◆銘は米国にして名は欧州


フォードといえばアメリカのイメージが強いですが、実は世界各地に現地法人を置くグローバルメーカーで、欧州への進出は英国が1911年、ドイツが1925年という早い時期に行われていて、欧州ではとてもメジャーなメーカーとして認知されています。当初は英国フォードとドイツフォードはそれぞれ独自のモデルを開発・生産していましたが、1960年代後半から車種の統合が進み、1970年代にはほぼそれが達成されました。


今回取り上げる「エスコートMk.1」は英国フォードが開発、後にドイツでも生産されたフォードの小型実用車で、1959年に登場した「アングリア」(映画ハリー・ポッターの劇中内で空飛ぶクルマとして登場)の後継車として1968年に登場しました。いかにも1950年代然としたデザインのアングリアに比べて、1960年代設計を物語るコークボトルラインを採用したエスコートは、OHVエンジンを縦にマウン