最近では運転支援システムという言葉をよく耳にするようになりました。
運転支援システムとは、事故なく安全に運転できるようドライバーをサポートをしてくれるシステムのことです。
安全に関する技術開発は各自動車メーカーが共通して取り組んでいることですが、最近は特に自動運転に関わる技術として注目が高まっており、自動ブレーキなどの運転支援システムを標準装備化する動きが加速しています。
自動運転の機能を過信せず、責任を持って安全運転を心がけましょう。

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そんな中、自動ブレーキを搭載しているクルマは保険料が安くなるかもしれないという話もあります。
もし本当にそうなれば、自動ブレーキを搭載しているかしていないかによって、保険料に差が出てくる可能性があり、これからは「安全運転」という視点がクルマ選びの重要なポイントとなってくるかもしれません。

そこで今回は、「運転支援システムと保険料の関係」をひもときながら、安全運転のためのクルマ選びについて話をしてみたいと思います。


運転支援システムとは

各自動車メーカーによって様々な安全運転支援システムの技術が開発され、多くのクルマに標準装備されるようになっていますが、運転支援システムには、自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)車線逸脱防止支援システム先行車追従機能、などがあります。
その中でも特に重要で注目度の高い機能が自動ブレーキで、クルマに搭載されたカメラやセンサーで障害物を検知し、自動的にブレーキをかけて衝突するのを防いだり、衝突時の被害を軽減してくれる役割を果たします。

以前は高級車を中心に搭載されていた自動ブレーキですが、最近では形状や搭載位置を標準化し、あらゆる車種への搭載が行われています。
EUでは2015年の11月から、すべての新車に自動ブレーキの搭載を義務付けることが決定しており、アメリカではすべての新車に対して自動ブレーキの搭載が義務付けられています。
日本では2014年の11月から、大型トラック・バスへの自動ブレーキ搭載が義務付けられており、近い将来、普通乗用車への搭載も義務付けられることは間違いないだろうと言われています。


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自動ブレーキ搭載車は保険料が安くなるかもしれない!?

急速に普及が進んでいる自動ブレーキですが、国土交通省(以下、国交省)などが自動ブレーキの効果の検証作業を始めました。
これは、事故にあった自動ブレーキ搭載車の被害の実態を調査・分析し、事故を防ぐ効果、事故被害を軽減する効果がどれほどのものなのかを調べるというものです。
国交省の他にも、損害保険料率算出機構や日本自動車工業会などが、事故の事例をサンプリングし、自動ブレーキ搭載車の被害の実態を分析・検証するとのこと。

2015年度中にも分析・検証結果をまとめるとのことですが、その結果、事故率の低下・事故被害軽減の効果が認められれば、自動ブレーキ搭載車の保険料が安くなる可能性があるといいます。
国交省や損害保険料率算出機構などがまとめたデータを、損害保険会社が自動車保険の保険料を決める際に用いられる「参考純率」に反映させるため、自動ブレーキ搭載車の保険料が割り引かれるかもしれないのです。国交省としては、ドライバーが保険料の負担の軽減を意識して安全運転を心がけることを促す狙いもあるようです。

今後、安全性能の高いクルマが普及することで、交通事故が減少するだけでなく、その安全性が認められれば自動車保険料が安くなるかもしれません。クルマ選びの際には、「安全性」という視点がますます重要な要素となっていくことでしょう


安全運転であるほど保険料が安くなる「テレマティクス保険」

また、最近では安全運転であるほど保険料が安くなる「テレマティクス保険」が新たな自動車保険として注目を集めています。

テレマティクス保険とは、走行距離や運転特性(ブレーキやアクセルの使い方)といったクルマの走行情報を収集・分析し、その結果に基づいて保険料を算出する自動車保険です。走行情報は、クルマに設置するドライブレコーダーやカーナビなどの端末を用いて収集。急ブレーキや急発進が少なく、クルマを安全に運転していると評価されれば、その分保険料が安くなるという仕組みです。
ドライバーが安全運転を心掛けている場合、事故を起こす確率は低くなり、そうすると保険会社が支払う保険料の額も抑えられるためもともとの保険料を安く設定できますので、ドライバーと保険会社の双方にメリットのある自動車保険といえます。

欧米ではすでに普及が進んできており、日本でも2015年に入ってから各保険会社によって様々なサービスの提供や商品化が進められています。
「安全運転を心掛ける人にはより安い保険料」という新基準のテレマティクス保険が、今後の自動車保険の主流になっていくのではないでしょうか。

そしてこうした新しいタイプの自動車保険をお得に利用するためにも、やはり自分の運転するクルマはより安全に運転できる性能のクルマであった方が良いということになります。
保険料節約の為には、「運転支援システム搭載」という条件はもはや外せないものであるといえます。
もちろん、運転支援システムはいざというときのための機能だと認識することが大切です。便利なシステムに頼りすぎるのではなく、日頃から安全運転を心がけるようにしましょう。


中古車にも自動ブレーキ搭載車はあります!

クルマの購入を検討されている方は、自動ブレーキをはじめとする運転支援システムを搭載しているクルマを選ばれることをオススメしますが、運転支援システム搭載車は何も新車ではないと手に入らないということはありません。

中古車市場にも、自動ブレーキが普及し始めた頃にプションとして装着したというクルマが続々と流れて来ています。自動ブレーキにも、ミリ波レーダー、カメラ、赤外線レーザーなど、いくつか種類があり、各自動車メーカーや車種によっても機能や性能に違いがありますので、ディーラー(中古車販売店)に相談して、それぞれの特徴を比較しながら、自分に最も適した自動ブレーキ・運転支援システムを選びましょう。


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