メルセデス・ベンツCクラスの歴史
メルセデス・ベンツCクラスは、2014年11月にフルモデルチェンジし日本に投入された。Cクラスは、1982年に登場した「190」以来、日本でも馴染み深い小型のセダン/ワゴン。そんなこともあり、販売台数も多く、日本マーケットでは非常に重要視されている。
コンセプトは「アジリティ&インテリジェンス」
そんな歴代のCクラスは、快適な乗り心地性能を持ち、圧倒的な直進安定性を誇っていた。徐々にスポーティさをアピールしてきたものの、今回のCクラスは飛び抜けてスポーティな印象。メルセデス・ベンツは、史上最もスポーティなCクラスとしている。このCクラスのコンセプトを「アジリティ&インテリジェンス」としている。アジリティとは敏捷性を指し、高い運動性能をもつもでるとしてアピールしている。<関連記事>
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走りだけでなく安全装備も充実
ただ俊敏なクルマという訳でもなく、コンセプトのひとつインテリジェンスというのもCクラスにおいて重要なテーマ。なんと、メルセデス・ベンツは、このモデルでインテリジェントドライブと呼ばれる部分自動運転まで可能とした。その核ともいえる装備がレーダーセーフティパッケージ。ステレオカメラに6つのミリ波レーダーを装備。車両の周囲360度をセンシングする。対車両・歩行者対応の自動ブレーキだけでなく、リアCPA(被害軽減ブレーキ付後方衝突警告システム)、車線内にクルマを戻す機能が付いたアクティブレーンキーピングアシストなどが装備されている。高速道路をクルーズコントロールで走行すると、車線内を維持しながら走行する。ステアリングには、手を添えている程度でいいので、まさに自動運転感覚を体感できる。走りだけでなく、高度な安全装備など総合的なCクラスのパフォーマンスが評価され「2014-2015インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞している。<関連記事>
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待望のクリーンディーゼル車投入
ただし、Cクラスはガソリン車のみの設定。、ライバルの3シリーズがすでにクリーンディーゼル車を戦略的な価格で販売しており、日本の輸入車も主力が徐々にクリーンディーゼル車へ移行していたのだ。その部分では、やや遅れてきたクリーンディーゼル車は、Cクラス待望のモデルといえる。
燃費20.3㎞/Lはクラストップレベルの実力
今回クリーンディーゼルエンジンが新設定されたのは、「C220d AVANTGARDE」、「C220d Stationwagon AVANTGARDE」、「C220d Stationwagon Sports」、「C220d Stationwagon Sports (本革仕様)」の4モデル。セダンは1グレードで、ワゴンが3グレードという構成だ。これは、3シリーズのクリーンディーゼルエンジン車がワゴンモデル中心に人気を得ていることを参考にしているようだ。搭載されているのは、最新の2.2L直列4気筒BlueTECエンジン。最高出力170PS、最大トルク400Nmという出力をもつ。燃費は20.3㎞/Lを達成している。クラストップレベルの実力だ。
排出ガス処理システム「BlueTEC」を採用
BMWやマツダと異なるのは、排出ガスに尿素水溶液「AdBlue(アドブルー)」を噴射して化学反応(還元作用)を発生させ、有害な窒素酸化物(NOx)を大幅に削減する尿素SCR(Selective Catalytic Reduction:選択型触媒還元)ディーゼル排出ガス処理システム「BlueTEC」を採用していることだ。BMWやマツダのクリーンディーゼル車は、こうした尿素を使わないシステムとなっている。どちらが優れているかというのは微妙なところだが、少なくてもメルセデス・ベンツのクリーンディーゼル車は尿素を使うため、消耗品に尿素が加わることになる。これは、顧客にとってプラスのコストになる。
実燃費面でも高い低燃費性能を発揮
また、驚きなのはCクラスとして初めて9速AT「9G-TRONIC」が搭載されたことだ。ガソリンのCクラスが7速ATなので、イッキに2速増えたことになる。ギヤの多段化は、エンジンの燃費の良い部分を効率的に使え、ギヤ比が高く設定できるため高速道路などではエンジンの回転数が下がり、燃費・静粛性に優れる。クリーンディーゼルの場合、わずか1,400回転で最大トルクを発揮するため、多段化によるメリットは大きく、クルージング時にはかなりエンジン回転数を抑制できるので実燃費面でも高い低燃費性能を発揮すると思われる。おすすめはガソリン車よりクリーンディーゼル車
価格は、C220d Stationwagon AVANTGARDEで5,950,000円。ガソリン車のC200 Stationwagon AVANTGARDEが5,700,000円なので、約25万円のアップとなった。3シリーズツーリングは23万円高なので、ほぼ同等の価格アップだ。これは、かなり戦略的だ。
輸入車の場合、ガソリン車はハイオクガソリンを使う。クリーンディーゼルに使う軽油との価格差は30円/L以上。燃費もクリーンディーゼルが圧倒する。燃費もよく、燃料費も安いので経済性は圧倒的にクリーンディーゼル車が優れる。走行距離にもよるが、走る距離にもよるが、25万円という価格差は数年で取り戻すことができるレベルにあるのだ。
クリーンディーゼル車はエコカー減税が免税
燃料費だけでなく、クリーンディーゼル車はエコカー減税が免税。ガソリン車は50~60%減税なので、ここでもクリーンディーゼル車と税金分の支払い差が出る。25万円という価格差は、ここでも縮まる。そのため、よほど走行距離が少ない人でなければクリーンディーゼル車を選んだ方が経済性に優れるという結果になるケースが多い。また、最大トルクが400Nmもあるので、高速道路や市街地でも、走りに余裕がある。トータルで考えると、この25万円差ならクリーンディーゼル車がおすすめだ。メルセデス・ベンツCクラスに乗り換える前に今の愛車の買取相場を調べる
メルセデス・ベンツC220d価格
メルセデス・ベンツC220dの価格は以下の通り。
・C 220 d AVANTGARDE ¥5,590,000
・C 220 d Stationwagon AVANTGARDE ¥5,950,000
・C 220 d Stationwagon Sports ¥6,410,000
・C 220 d Stationwagon Sports (本革仕様) ¥6,790,000
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◇執筆者プロフィール◇
クルマ評論家 CORISM代表 大岡 智彦 氏CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。
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