東京モーターショー

<過渡期に自動ブレーキ関連の安全装備。自動運転の基盤技術でもあり、今後どう進化するのかサプライヤーを調査!>

自動ブレーキ関連の安全技術は、自動運転の基盤技術ともいえるもので、ここ数年でドンドンと進化している。また、ドライバーがミスを犯した時など、機械側が判断してクルマを停止させることは、交通死亡事故を減少させるためにも非常に有効なシステム。また、最近では高齢者ドライバーが多くなり、まさかと思えるような悲惨な事故を抑制する効果も期待できることもあり、最も注目される技術といってもいい。そこで、最新安全装備の状況を東京モーターショーの会場で調査。開発・部品納入するサプライヤーのブースをチェックした。

<もはや、人や自転車の急な飛び出しにも対応できる時代に?>

コンチネンタル コンチネンタル製のステレオカメラやミリ波レーダーなど、各種センサーが並ぶ

多くの自動車メーカーに自動ブレーキ関連のパーツを供給するドイツのコンチネンタル。メーカー各社に合わせ、数々のセンサー類を納入している。引き出しが多いのがコンチネンタルの特徴。単眼カメラにミリ波レーダーの組み合わせや、複眼カメラに複数のミリ波レーダーなど、多くの組み合わせがある。今後の自動ブレーキの進化については、自転車などの急な飛び出しにも対応するため、ソナーを使った開発も行われているという。カメラ、ミリ波レーダー、赤外線レーザー、ソナーなど多岐にわたるセンサーの特徴を生かし、組み合わせた自動ブレーキが開発されていくようだ。最高水準の自動ブレーキは、こうした多くのセンサーの集合体になるというが、とても高価になる。そのため、実際に世に出るのは、メーカー側の安全に対する考え方やコストによるという。つまり、センサー類の数が少ないということは、性能も高くは無いが安いということになるので、我々顧客側はこうしたシステムの内容をある程度理解して選ぶ必要があるだろう。

<暗闇でも見える目をもつことで、夜間のリスクを大幅軽減!>

三菱電機 三菱電機が現在考えている車両周辺のセンシング技術

三菱電機のブースでは、より安全性を高める新たなカメラ、赤外線カメラを発見。この赤外線カメラは、暗視カメラともいわれていて、真っ暗な場所でも周囲を確認できる。一般的に、夜間の歩行者検知式自動ブレーキは、ミリ波レーダーとカメラで認識する。ミリ波レーダーは、夜間でも人と認識するが、カメラはヘッドライトが当たっている部分でしか認識できない。カメラとミリ波と2つの情報で人と認識するので、どちらかが認識できていない場合、自動ブレーキの作動が遅れる場合がある。しかし、赤外線カメラを使えば、光源が無くても人として認識できるので、より早く自動ブレーキを作動させることが可能となるのだ。すでに、先代のホンダ レジェンドではインテリジェント・ナイトビジョンとして警報を出すレベルに止まったが発売されていた。また、現行のメルセデス・ベンツSクラスには、ナイトビューアシストプラスと呼ばれる赤外線カメラを装備したモデルがある。検出した歩行者にヘッドライト光を当て、ドライバーと歩行者の両方に注意を促すスポットライト機能も備えている。こうした機能が、一部の高級車以外にも広がる可能性がある。とくに、三菱の場合、自動ブレーキ関連の安全装備がやや遅れ気味だ。後出しする以上、こうした先進技術の投入にも期待したい。

<カメラだけ、ミリ波レーダーだけの時代は、もう終わり?>

日立オートモティブシステムズ 日立オートモティブシステムズは、既存のアイサイトに使われているセンサー類も今後自動運転化に生かしていく

高い人気を誇るスバルのアイサイトを支える 日立オートモティブシステムズ。展示物は、ほぼ現行のアイサイトを支えるセンサー類が中心。とくに、目新しいというものは無かった。アイサイトは、ステレオカメラにこだわり安価にシステムを提供してきた。ただし、エンジニアは急速に進む自動ブレーキ関連の安全装備に関して、より高い精度の情報が必要となるため、やはり前方へのミリ波レーダーの追加も検討事項のひとつだという。すでに、スバルは後側方の車両検知機能にミリ波レーダーを使用。現在バージョン3となったばかりのアイサイトだが、次のバージョン4はミリ波レーダーが装備される可能性もあるだろう。また、アイサイト技術を進化させ、自動運転技術へ進化させる動きもみせている。

 

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