ホンダオデッセイ

<トラブル続きのホンダを救う役割を担う? 特別仕様車オデッセイ アブソルート20th Anniversary>

ホンダオデッセイホンダ オデッセイというクルマは、この5代目になり少々複雑になった。初代ホンダ オデッセイのデビューは1994年。当時、ミニバンと呼べる車種はほとんどなく、多人数乗車ができるモデルは1BOX車などと呼ばれ、商用車ベースのものが多かった。そこに登場したのが、アコードをベースとたオデッセイだった。

当初、倒産の危機にあったホンダの苦し紛れのモデルなどとも言われたものの、低重心で乗用車感覚のミニバンということもあり大ヒットモデルとなる。まさに、現在のミニバンブームのきっかけとなった。

このオデッセイの大ヒットにより、倒産の危機にあったホンダはイッキに復活し、ステップワゴンやストリームなど続々とヒットモデルを連発。ミニバンのホンダとも言われるほどとなった。ただ、そんなホンダも、さすがに大型のミニバンであるエリシオンだけは今ひとつの結果となってしまった。

そんなホンダの救世主ともいえるオデッセイなのだが、モデルを重ねるごとに徐々に人気を失っていく。この流れは、オデッセイがダメということではなく、単にオデッセイのようなロールーフタイプのミニバンへの需要が減ってきたためだ。その理由は明快で、より室内のスペースや使い勝手面でスライドドアが重要視されたことによるものだ。ステップワゴンやセレナ 、ノア &ヴォクシー のような背の高い5ナンバーミニバンが主流となり、現在も人気だ。オデッセイのようなロールーフでヒンジドアのモデルの役目は終わってしまったのだ。

そんな傾向もあり、一時はオデッセイがラインアップから姿を消すとの見方があった。ところが、オデッセイは復活。復活というよりも、今までのオデッセイとは名前は一緒で違うタイプのクルマへと変貌を遂げたのだ。なんと、今までのロールーフ&ヒンジドアを捨て、スライドドアを持ち背の高いミニバンとなった。つまり、従来のオデッセイのようなロールーフミニバンは姿を消し、上級ミニバンだったエリシオンがフルモデルチェンジし、オデッセイとなった。一世を風靡し、車名の認知度の高いオデッセイの車名を残したカタチだ。

そんな上級ミニバンとなったオデッセイは、5代目となりデビューから20周年迎えた。それを記念した特別仕様車が「オデッセイ アブソルート20th Anniversary」だ。

20周年記念装備として、ベルリナ・ブラックの大開口フロントグリル&フォグライトリングが装着。その他、20周年記念の専用エンブレムや専用デザインの17インチアルミホイールなどが装備されている。インテリアでは、専用色コンビシートも装備され20周年記念特別仕様車に相応しい仕上がりとなった。全体的に、精悍さと高級感がアップしている。

ホンダオデッセイそれだけでなく、今回の特別仕様車は豪華装備もプラスされている。運転席8ウェイパワーシートや、ナビ装着用スペシャルパッケージ+ETC車載器、あんしんパッケージ(シティブレーキアクティブシステム、1列目シート用i-サイドエアバッグシステム、サイドカーテンエアバッグシステム)などが装備。安全装備もグレードアップされている。

これだけの装備が装着され、価格は7人乗りFF車で3,356,400円。ベース車のアブソルートから約11万円高。上級グレードのアブソルートEXと比べるとブラインドスポットインフォメーションが装備されていないし、17インチホイールのままなので、ややお買い得といったところ。

実際の商談では、特別仕様車はあまり値引き額が伸びない可能性がある。そうした場合は、20周年記念装備にあまり興味がないのであれば、上級グレードのアブソルートEXと両方見積りを取って比較するといい。EXの値引金額が多ければ、装備差分を考えるとアブソルートEXの方がお買い得になる可能性もある。

また、エスティマやアルファード&ヴェルファイア、エルグランドなどとシッカリ競合させることも重要。オデッセイの販売台数は、増税後の4月から急に減少傾向。さらに、フィットやタカタのリコール問題も重なり、国内販売は向かい風が強くなっている。オデッセイは高額車ゆえに利益も大きいので、ホンダとしてもなんとか売りたいという思惑もあるだろう。そうした状況なので、一定の値引きを金額を引き出しやすい環境にある。短期で攻めるのではなく、ライバル車競合させながらじっくりと攻めるといいだろう。

■ホンダ オデッセイ アブソルート20th Anniversary価格:FF 7人乗り 3,356,400円 8人乗り 3,270,000円/ 4WD 8人乗り 3,527,142円