ミニ

<大ヒット確定!? ミニのネガティブ要素を完全払拭!>

ミニ5ドアBMWは、プレミアムコンパクトのミニに、初となる「ミニ5ドア」追加し発売を開始した。

従来からのミニ3ドアは、全長約3.8mというコンパクトなボディと愛らしいルックスをもち、ゴーカートフィールと呼ばれるスポーティな走行性能などで、日本でも高い人気を誇るコンパクトカーだ。プレミアムコンパクトというカテゴリーを創出した車種ともいえ、現在も多くの自動車メーカーが、ミニのカテゴリーを狙って新型車を投入。しかし、どこのメーカーも、ミニほどの大ヒットとはならず中途半端な状態になっているのが現状だ。それほど、ミニのブランドは強力。

そんなミニでさえ、日本で売る上でネガティブな要素があった。それは、小さなボディサイズで3ドア、乗員は4人であるということ。当然、小さなボディゆえに室内や荷室スペースは、広いとは言えない。そのため、ミニのブランドに共感していても、実際の生活に使うクルマとしては少々不便であることから、購入に二の足を踏んでいた人も多い。

こうしたミニのネガティブ要素をイッキに払拭してくれるのが、今回投入されたミニ5ドアだ。まず、3ドアから5ドアになったことで利便性は大幅に向上。さらに、ミニは4人乗りだがミニ5ドアは5人乗りとなった。実際は5人乗車することは、ほとんどないとはいえ、いざというときに5人乗車できるのは魅力だ。

こうした利便性をアップしたことにより、ボディはやや大きくなった。大きくなったのに、車名はミニのままだ。ミニ5ドアのボディサイズは全長4,000×全幅1,725×全高1,445㎜。ミニ3ドアに比べ、全長を165mm、全高を15mm、ホイールベースを70mmさせている。全長4,000mmというと、ほぼフォルクスワーゲン ポロ と同じ。国産車では、トヨタ アクアやホンダ フィットなどのコンパクトカーと近い同じボディサイズとなる。当然、これだけ大きくならば、5人乗りとなり室内も広くなるのは当然。利便性は高まったが、ミニらしさという面はやや失ったといった印象もある。

生粋のミニファンからみれば、大きくなったミニはミニじゃないというイメージも強いだろう。ただし、日本マーケットにおいては、5ドアを歓迎する顧客が多く、ミニ5ドアの前に発売されていた同じ5ドアモデルである派生車ミニ クロスオーバーはミニラインアップの中で基幹車種として成長しているほどだ。BMWでは、このミニ5ドアとクロスオーバーで、ミニラインアップの8割を占めるのではないかとみているほど。それほど、5ドアへはマーケットに求められている。

エクステリアデザインは、ミニ3ドアよりより70mm延長したホイールベースに合わせて、テールゲート、リアバンパーを新たにデザインした。フロント部分は、ミニ3ドアとほぼ共通。このあたりもミニらしさを失わない工夫で、オーナーでなければ、3ドアと5ドアの違いはひと目では分からないくらいだ。インテリアも基本的にミニ3ドアと同じ。

ミニ5ドア居住性も向上。後席レッグスペースは、ミニ3ドアに対して約4cm拡大。トランク容量はミニ3ドアから67Lも拡大し、278Lとなった。トヨタ アクアのトランク容量が300L程度なので、国産コンパクトカー並みとはいかないものの、随分使い勝手はアップした。

ミニ5ドアに搭載されるエンジンは、2タイプ。ミニ5ドアには1.5L直3ターボが搭載され、136PS&220Nm。ミニ クーパーS5ドアには、2.0L直4ターボが搭載され192PS&280Nmとなっている。この強力なエンジンラインアップは、ミニの魅力でもある。これだけの大トルクをもつコンパクトカーは、今のところ国産車では250Nmを誇るデミオのクリーンディーゼル車くらいだ。燃費はミニ5ドアが17.9km/L、ミニ クーパーSは16.4km/Lとなっており、どちらもエコカー減税に対応しているものの、燃費はそれほど優れたものではない。ミニ5ドアにも、ミニ クロスオーバー同様にクリーンディーゼルエンジンの搭載も期待したい。

ミニ5ドアの価格は2,980,000円。ミニ クーパーS5ドアの価格は3,500,000円。プレミアムコンパクトと呼ぶだけあり、なかなか高価。さらに、多くのオプションが存在するので、実際にミニ5ドアを買う場合、満足いく装備を揃えると350万円くらい以上の予算感覚が必要だろう。小さな高級車といえる。さらに、困ったことに、ミニは強力なブランド力を背景に基本的に値引きゼロ。ミニの購入は、多めの予算設定にして選ぶといいだろう。また、ミニのリセールバリューは期待できる。残価設定ローンで、低金利ローンなどが設定された時などに購入を考えるのもよいだろう。

ミニ 5ドア価格:ミニ 5ドア 2,980,000円/ミニ クーパーS 5ドア 3,500,000円